中島公園の脇に沿って走る小さな通り(鴨々川通り)に面して、渡辺淳一文学館がある。 大きな通りではないから、ちょっと意外な印象を受けるかもしれない。 いっそ中島公園の内側だったら、もっと明るい印象もあったかもしれないが、これは完全に住宅街の中に埋没している文学館である。 医療文学を書いていた時代の渡辺淳一の小説は、僕の書斎の一角を占めるけれど、大人の恋愛物みたいな小説を書くようになって以降、僕は彼の小説を読むことをやめた。 だから、この文学館ができたときも、そのニュースは僕にとってほとんど関心の外であった。 そうした文学上の好みはともかくとして、この文学館は安藤忠雄による貴重な建築物であるということを忘れてはならない。 北海道内にある安藤忠雄作品は、この「渡辺淳一文学館」と占冠村にある「水の教会」のふたつだけであることを考えると、この文学館の持つ重要性がよくわかる。 「真っ白な雪の中で白鳥が片脚を上げて立っているようなイメージ」を想定して設計されたといわれている。 コンクリート打ちっ放しの無機質な建物は、一見文学館らしからぬが、周囲の住宅街にも不思議と溶け込んでいて、違和感を感じさせない。 中島公園散策と合わせて一緒に楽しめるモダニズム建築として、もっと宣伝されてもいいような気がした。 ↑↑↑↑↑↑ 「ブログ村」への参加を始めました。1日1回、クリックをお願いします☆
by kels
| 2008-08-24 21:27
| 文学・芸術
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