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石川啄木の文学碑

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札幌の街では、どうやら短い夏が終わって、長い長い秋がやって来たみたいです。
芸術の秋、文化の秋とも言いますから、久しぶりに札幌の小さな歴史・文化講座シリーズをやってみたいと思います。
歴史とか文化とか難しいことではなくて、ふるさと・札幌の意外な一面みたいな感じで読んで頂ければうれしいですね。

今回は、平岸の天神山に設置された石川啄木の文学碑です。
啄木が札幌を訪れたのは明治40年の秋のこと。
札幌滞在期間はわずか2週間でしたが、啄木にとって札幌は様々な意味で記憶に残る街となったみたいです。
札幌を舞台に啄木が詠んだ歌は全部で4首あり、いずれも処女作『一握の砂』に収録されています。

さて、この天神山にある文学碑は昭和41年に建立されたもので、記された作品はとても有名な「林檎の歌」です。

石狩の都の外の
君が家
林檎の花の散りてやあらむ


当時の啄木の恋愛感情を偲ばせた美しいこの歌は、札幌を舞台とした作品の中でも印象に残る一首ですが、平岸地区と啄木との直接的な関係は確認されていません。
「石狩の都の外」とは、当時の「札幌村」、現在の「東区」を意味しており、また、啄木が平岸地区を訪れたという記録も残っていないらしいのです。
それでは、どうして、平岸の天神山に啄木の歌碑があるのかというと、それは、この平岸地区が林檎園を元として栄えたことに由来しています。

明治4年、陸前からの移住者たちによって開拓された平岸は、林檎の栽培によって大きく発展し、住宅地としての開発が始まる近年まで、数多くの果樹園を残す土地でした。
平岸地区では、林檎の栽培に苦心した開拓者たちを偲ぶ気持ちを込め、ここに、啄木の「林檎
の歌」を記したとのだそうです。
だから、この文学碑は、啄木に由来するものということではなくて、林檎に由来する開拓者たちの事情を反映しているという、ちょっと変わった文学碑となっているのです。

札幌市内には、この他に啄木に関する記念碑がいくつかありますが、そのいずれもが啄木に因んだものとなっています。
秋は、啄木の短歌を読みながら、札幌を散策するのにぴったりの季節です。
他の文学碑についても、少しずつ紹介していきたいと思っています☆


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by kels | 2007-09-03 20:14 | 文学・芸術 | Comments(2)
Commented by ggg at 2007-09-06 20:13 x
僕も、book mark して、楽しみにして 見てました!
Commented by ggg at 2007-09-10 20:41 x
・・・落ち葉・・・
  モノ悲しいよね・・・静けさ・・感じる・・
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