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001 憩写真帖(沼田元気)

1994年、青林堂から出版された写真集。
特装版200部、通常版1,000部の限定発売だったため、現在でも入手困難となっている。
古書店などでの相場も高値安定、復刻が待たれている。
写真集は、12冊の小冊子として外箱の中に入っている。
それぞれの写真集に掲載されているヌマ伯父さんの文章を一部引用しながら、それぞれの写真集を紹介してみたい。

(1)温泉の憩/温泉宿の憩
実を申しますと私めの生まれ育った家と申しますのが、何を隠しましょうひなびた温泉旅館だったのでございます。
しかし私の生まれた頃の時代には、温度も下がり湯の量も少なくなっておりまして、旅館をやめてしまおうかという話が出ておりました。
今日やめようかあすにもやめようかと思っている時に、私が生まれたのだそうでございます。

(2)家族写真の憩/子供の憩
写真を撮って残しておく。
そのとき撮って見るだけなら、そのまま撮り捨てておけばよいものを、ワザワザアルバムに貼って残しておく。
後で見る為、見せる為? そして憩う為?
そう、家族写真こそ、憩写真の原点なんである。

(3)博物館の憩
博物館に行こう。
っていったってなにも博物の勉強に行くんじゃあない。
かといって遊びに行くんでもない。
すなわち、憩に行くんでございます。
サァ、博物館の扉を開けよう。

(4)薔薇展の憩/菊花展の憩
薔薇展に行ってまいりました。
そこが又、実に憩の雰囲気たっぷりの憩の園なんでございます。
御昼間の美しい日差しの中、仕事などうっちゃっておいて、
御近所の垣根の薔薇を愛でたり、
薔薇園に御出掛けになるのもけっこうなことと存じます。

(5)植物園の憩/温室の憩
ああもう冬だ。
又冬がやってきたのでございます。
冬は寒い。御寒うございます。
寒くなければ冬じゃないだろう?
御日様は相もかわらず照っているっていうのに、
日溜まりにしゃがみ込んでても、やっぱり寒いんでございます。

(6)ウインドショッピングの憩
ショーウィンドウの中は空である。
空が入っている。
即ち憩が入っているのでございます。

(7)水族館の憩
皆サン、皆サンは水族館という場所が
実に憩える場所であるコトは、よっく御存知でしょう?

(8)旅する盆栽の憩/盆栽宇宙の憩/盆栽時間の憩
あるところに、仙人が住んで居りました。
昔は、山の奥深い秘境に居りましたが、
今は人間の住んでいる街に下りてきてひっそりと暮らしている、
都会の仙人です。

(9)裏街の憩
街の裏側をもって裏街というのであれば、
裏街に対するのが表街でございます。
表街はそこに訪れる人にとっての表、
すなわち都市の玄関のような、応接間のような、
よそいきの顔なんでございます。

(10)展望台の憩/階段の憩
高いトコロが似合うのは何とやらと
おっしゃられてしまうかもしれませんが、
私は高いトコロが大好きなんでございます。
高見の見物が好き、というよりも
物見遊山して展望するのが好きなんでございます。

(11)水中音楽の憩/金魚の憩/海月の憩
金魚を夏の風物詩だなアなんて、
おっしゃっちゃわないで下さい。
早春の水ぬるむ頃の金魚の動きをごらんなさい。
まさに、一日中見ていても飽きない、
憩ワールドなんでございます。

(12)鉄道少年の憩
鉄道少年!
ああ、この永遠なるパラノイヤ絶対少年よ。
いつの時代も、鉄路の上を、熱い思いを走らせる。
そうさ、いつだって運転手は僕だ、車掌も僕だ。
汚れた鉄の塊にほほよせて、未来の機関士とウインク交わす。
出発進行、発車オーライ。
A列車で行こう、P列車で行こう。
自分のペニスを自ら穴に収め、サァ出発だ。
百万人の鉄道少年よ、
股間にしっかりと鉄幹を握りしめ。

***
なお、各巻末には、ゲスト執筆陣によるエッセイが収録。
小西康陽、細野晴臣、合田佐和子、さくらももこ、石川浩司、知久寿焼、ゴンチチコンビ、大槻ケンジ、鈴木翁二、飯沢耕太郎、赤瀬川原平、秋山亜由子、サエキけんぞう。
by kels | 2011-05-01 21:27 | 古物・雑貨
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