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石川啄木の札幌生活は、既に肌寒い札幌の秋の夜の雨から始まった

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わが宿の姉と妹(いもと)のいさかひに
初夜(しよや)過ぎゆきし
札幌の雨

「一握の砂」石川啄木(1910年)

石川啄木が札幌に到着したのは、明治40年9月14日の土曜日の午後のことである。

この日の日記には、次のようにある。

夕刻より酒を初め豚汁をつつく。
快談夜にいり十一時松岡君と一中学生との室へ合宿す。

「丁未日誌」石川啄木(1907年)

下宿屋の姉妹の喧嘩の話は、記録には残されていない。
女学校に通う女の子たちだから、仲が良ければ口げんかくらいはあったに違いない。
若い女の子たちと同居することに、あるいは、啄木の強い関心が向けられたのか。

気象庁の古い記録によると、この日の札幌では、深夜から未明にかけて雨が降っている。
傘を必要としないくらいの弱い雨だったらしい。
既に肌寒い札幌の秋の夜の雨から、啄木の札幌生活は始まった。

ところで、札幌には啄木の文学碑がいくつかあるが、この作品が刻まれた碑は、まだない。
下宿屋を詠ったものは、この歌だけだから、下宿屋跡あたりに、この歌を刻んだ文学碑があってもよいと思うのだけれど。


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by kels | 2016-05-07 05:47 | 文学・芸術 | Comments(0)
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