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真冬のとても冷え込んだ朝には、蜃気楼を見ることができた

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或る冴えた晩秋の朝であった。
霜の上には薄い牛乳のような色の靄(もや)が青白く澱んでいた。
私は早起きをして表戸の所に新聞紙を拾いに出ると、東にあった二個の太陽を見出した。
私は顔も洗わずに天文学に詳しい教授の所に駆けつけた。

「解放」有島武郎(1921年)

オホーツク海に面した小さな街で暮らしていたころ、僕は毎朝、流氷の海を撮りに出かけた。
寒がりの自分が、よくそんなことを毎日続けられたものである。
あの頃は、まだ実戦的ネイチャー派の人間だったのだ(笑)

真冬のとても冷え込んだ朝には、蜃気楼を見ることができた。
遠い海の向こう側に、さかさまになった街が見えるのである。
蜃気楼は一度ならず何度も見ることができた。

友人たちは、写真を地元の新聞社に提供したらいいと言ったが、僕は新聞社に報告したりしなかった。
新聞社の記者は顔見知りだったから、すぐに僕の写真を掲載しただろう。
小さな街だから、あっという間に僕はモノ好きな写真家として有名になること請け合いなのだ。

あの頃は、まだフィルムの一眼レフカメラを使っていた。
毎朝のように、ガシガシとフィルムを消費していた。
真冬の趣味と言えば、写真くらいしか思いつかないような街の暮らしだった。


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by kels | 2015-11-21 07:15 | 日記・つぶやき
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