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原田康子の「挽歌」は、昭和30年代の北海道観光ブームを巻き起こした

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わたしは駅の前から電車に乗り、市の中心部と思われるところで、なんとなく電車を降りた。
そのあたりには、高いががっしりした建物が並んでいた。
電車がゆっくり走り、信号機の下を通行人が大勢往来していた。
わたしは、にわかに、わたしが外国の街を歩いているエトランジェのような心細さと、不思議な解放感を覚えた。

「挽歌」原田康子(1956年)

原田康子の「挽歌」は、昭和32年のベストセラー1位を記録した小説だという。
映画化もされて、日本中に挽歌ブームが巻き起こった。
「挽歌」のおかげで、北海道観光ブームにも火が付いたらしい。

あれから60年。
今、札幌の街に「挽歌」は伝承されているのだろうか。
若い世代の中で、かつて北海道観光ブームを起こした文学作品を知る者は少ないだろう。

一時のベストセラーだからと言ってしまえば、それまでかもしれない。
だけど、僕は自分の生きる街を知る手段の一つとして、文学や美術などの文化作品を、もっと活用しても良いのではないかと思う。
そこには、在りし日の札幌の姿と、郷土が生んだ流行作家という誇りがある。

問題は、そうした文学作品を、実際に読むことが難しいという環境だろう。
郷土文学のライブラリーを、もっと充実させる取組があるといいな。
一番うれしいのは、僕自身かもしれないけれど(笑)


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by kels | 2015-07-04 06:52 | 文学・芸術 | Comments(0)
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