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君は小樽の「純喫茶 光」のクリームソーダを見たか

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小樽市といえば、沼田元気氏の「一杯の珈琲を飲むためだけに行きたくなる札幌・小樽カフェ喫茶店案内」でも紹介されているとおり、札幌と同様に素晴らしいカフェ・喫茶店が名を連ねる街である。
そして、その中でもダントツの歴史を誇るのが「純喫茶 光」だ。
扉に掲げられた「見学のみお断り」の札が、いかにもこの店の栄光を象徴している。

しかし、そんな歴史の重みとは裏腹に、店内に入ってしまえば至って普通の街の喫茶店。
近所のオジサンやオバサンたちが買い物帰りの一休みに利用している、そんな見慣れた光景が繰り広げられている。
ちょっとだけ違うことがあるとしたら、それは店内が昭和初期のまま時間を止め続けていることくらいだろうか。

純喫茶だからお勧めはもちろんコーヒーだが、コーヒー以外のメニューが多いことも、またジャン喫茶の特徴のひとつ。
いわゆる「コーヒーショップ」とか「珈琲屋」ではなく「喫茶店」なので、コーヒー以外のメニューが多いということも大切なことなのだ。

ということで、懐かしき昭和色をした「クリームソーダ」もまた、大切な喫茶店メニューのひとつだろう。
肉厚で重いグラスにメロンソーダが注がれた上に丸いアイスクリームが浮かんでいる情景は、まさしく昭和の喫茶店そのものである。

コーヒーメニューには、こちらも懐かしい「アメリカン」があるので、今時のキツいコーヒーが苦手な人も全然オーケー。
(自分もアメリカン派だったりします)
さらに、コーヒーにはオリジナルの「カステラ」付き!

あの高橋製菓の袋カステラみたいなやつが一袋付いてくるので、特にケーキなどを注文しなくても甘いものを食べながらコーヒーを飲むことが可能。
さらに、お砂糖は角砂糖がふたつ、コーヒーカップのお皿の上にスプーンと一緒に添えられて出てくるのも素晴らしい。

BGMはクラシック音楽、我々が一息ついている間はクライスラーのバイオリン小曲が静かに流れていた。
昭和モダンの店内に、クライスラーのバイオリンは絶妙にぴったりの音楽だ。
クライスラー来日は大正末期のことで、昭和初期創業の喫茶店の雰囲気に、実にぴたりと当てはまるわけだ。

こだわりの珈琲屋でもなく癒し系カフェとも違う本当の喫茶店を、僕たちはまだ失っちゃいない。


<関連記事はこちらです>

純喫茶わらび
http://poros.exblog.jp/13135935/

純喫茶オリンピア
http://poros.exblog.jp/13231913/

純喫茶 光
http://poros.exblog.jp/9105542/

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by kels | 2011-05-01 20:55 | カフェ・喫茶店 | Comments(4)
Commented by Extar12 at 2011-05-02 00:37 x
こんばんは。
「純喫茶光」小樽へ行くたびに気になって店の近くまで行ってみるのですが、何故かいつもあと一歩が踏み出せず未だお店に入ったことがありません。でもこのクリームソーダの写真を見て、次こそは行こうと心に決めました。

実はクリームソーダが好きなんです。もう無くなってしまいましたが池波正太郎のエッセイによく書かれていた清月堂のクリームソーダも食べたことがあります。これこそ昭和です。これを目当てに行ってこようと思います。
Commented by kels at 2011-05-03 08:41
Extar12さん、こんにちは。
初めての場合、なんだか扉の向こうの様子が分からなくて一抹の不安がありますよね(笑)
でも、拍子抜けするくらいに普通の喫茶店です。
清月堂のクリームソーダ! うらやましいです☆
Commented by コージ at 2011-05-05 10:17 x
ご無沙汰しております
今回の震災の被災地に、赤い車で暫く復興支援に行っておりました
『海猫屋』『光』と小樽生まれの私には懐かしい名前が揃いました
海猫屋の近くにある、ジャズ喫茶『フリーランス』には行かれましたか?
マスターの方が写真好きで、小樽に移り住んだと聞いております
その昔、小樽手宮線跡地の写真展に出展した頃が懐かしいです
Commented by kels at 2011-05-05 23:42
コージさん、こんにちは。
お勤め、ご苦労様でした!
大変な状況の中でのお仕事、本当にご苦労されたこととお察しいたします。
「フリーランス」、行ったことがないので、ぜひチェックしたいと思います☆
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