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東郷青児のビーズ絵

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1960年代、時代は高度経済成長の頃である。
戦前風の日本的文化からの脱却を始めたニューファミリーたちは、「団地」と呼ばれる新しい住宅様式を暮らしの基礎とし、そのために「団地族」などとも呼ばれた。
団地族たちは、小さいながらも歴とした2DKの間取りを持つ住宅で、テーブルにチェアを組み合わせた、新しい文化的生活を営み始めるのである。

東郷青児のビーズ絵が全国的に流行したのもこの時期のことで、和室にソファセットを置いた独特の洋風空間の中で、このビーズ絵は大活躍したものと思われる。
当時の団地の暮らしを克明にまとめた「団地2DKの暮らし」青木俊也/河出書房新社(2001)の中でも、松戸市立博物館の展示作品を題材として、このビーズ絵について解説されている。

こうしたビーズ絵は、初心者向けの手芸キットとして発売されていたものであり、誰もが簡単に東郷青児風のインテリアを完成させることができたものらしい。
もっとも、ひとつの時代を築き上げたものは、通り過ぎた後には時代遅れのものとなってしまう度合いが強く、多くの家庭ではこうしたクリスタルビーズ作品も、どこかの時点で捨て去られたことだろう。
それだけに、現在まで残るビーズ作品は当時を物語る貴重な資料的価値を有していると言えるのである。

もっとも、いわゆる昭和レトロ雑貨とはいえ、ビンテージ的な価値はほとんどない。
あくまで、時代の空気を楽しむためのアイテムだと考えて大切にしたい。

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by kels | 2011-02-27 20:56 | 日記・つぶやき
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