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林檎の碑

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東区の橘邸にある「林檎の碑」を観てきた。
橘邸だけでは分かりにくいかもしれないが、石川啄木「一握の砂」所収の作品、
石狩の都の外の君が家林檎の花の散りてやあらむ
の舞台となったところである。

啄木が函館の小学校で代用教員をしていた時代に、同僚だった橘智恵子の実家がこの家で、啄木は一度だけこの家を訪ねている。
あいにく、智恵子は留守中で、啄木は目的を達し得なかったが、そのときの気持ちがこの作品になったと考えられている。
明治44年当時、この辺りもまた、広大な果樹園であったのだ。

現在でも、熱烈な啄木ファンは全国各地にあり、彼らにとってここ橘邸の記念碑も、また巡礼の旅に欠くことのできない存在となっている。
残念ながら、林檎園だった当時を偲ぶものは既になく、現在は地下鉄東豊線の走る住宅街だ。

啄木の札幌滞在は、わずか2週間に過ぎなかったけれど、その間に札幌に遺した足跡は、札幌という街にとっては大きすぎるほどに確かなものだった。
啄木の歌集をポケットに、その足跡を巡る札幌市内の旅も、また豊かで小さな旅と言えるだろう。


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by kels | 2010-05-30 20:11 | 歴史・民俗 | Comments(0)
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