焼き物の入手が難しかった明治から大正にかけて、のぼり窯による陶器の生産が行われました。旭山記念公園のゲートの少し手前、ちょうどバス停の向かい側辺りに、この札幌焼きの窯跡がある。 きちんとした説明板があり、保存のための囲いもあるのだけれど、果たして、これが何であるのかを知っている市民は少ない。 このように「ふるさと文化百選」にも選定されるほどのものなのだから、もう少し高い知名度があっても良いような気がするのだけれど。 昭和52年には、「札幌焼の謎ー幻の焼きもの史と窯の興亡を探る」(川嶋康男)という本も出版されているので、詳細に知りたい方は一読されることをお勧めする。 古書店では、なかなかの値段が付いている場合もあるが、図書館で読むことができるので、気軽に札幌焼の歴史に触れていただきたい。 札幌にも、きちんとした陶芸の歴史があったのだということを、後世に伝える一助にはなるだろう。 窯跡を観察すると、当時の陶片が一面に散らばっているのを確認できる。 古いといっても、大正末期までは実際に使われていたものだから、陶片くらい転がっていても不思議ではない。 不思議といえば、長年、骨董市や骨董店を巡る趣味をしているけれど、「札幌焼」の実物に出会ったことがないような気がする。 地元の製品だし、高い生産量を誇っていたのであれば、もっと頻繁に見かけても良いような気がするのだけれど。 あるいは、「札幌焼」と特定することが難しいものなのか、わざわざ「札幌焼」と強調するほどのものでもないから、一般の人の目には留まりにくいものなのか。 焼き物で明治時代の製品と言えば、まだまだ新しい部類に入るわけで、日用の印判皿などであれば数枚の100円玉で入手できるものである。 一度きちんと「札幌焼」の実物を手に取って見てみたいものである。 (そんなに珍しいものではないような気もするのだけれど) ちなみに、最盛期の製品には「札幌焼」の銘があることは確認済み。 珍しいといえば、昔、北海道庁かどこかで見た「蝦夷焼き」なるものは凄いと思った。 詳細不明の焼き物だが、したたるような赤色には、あの薄暗い部屋の中でさえ感動したものである。 さて、「さっぽろ・ふるさと文化百選」の記念碑だが、きちんと現存している。 当初の仕様がどのようになっていたのか不明だが、当時の写真などは用意されていなかったようだ。 説明板については、別に立派なものが設置されていて、非常に分かりやすい。 より多くの市民にこそ知ってもらいたい文化遺跡である。 ↑↑↑↑↑↑ 「ブログ村」への参加を始めました。1日1回、クリックをお願いします。
by kels
| 2009-08-20 20:10
| 歴史・民俗
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