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うまい食物を口にした時、私は、嬉しくて笑うだけだ

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食通の人は、美味な食物を口にする時、必ずといっていいほど厳しい表情をする。
岡本かの子の短編「食魔」の食通である主人公も、そんな表情をして食物を味わっていた。
そのような人に比べると、私は、食通になることはあり得ないことに気づく。
食物についての知識は無に等しく包丁も使えない。
第一、うまい食物を口にできた時、私は、ただ嬉しくて笑うだけなのだ。

「味を訪ねて」吉村昭(2010年)





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by kels | 2012-11-18 07:11 | 食べ物 | Comments(0)

羊をめぐる冒険

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僕は29歳で、そしてあと6か月で僕の20代は幕を閉じようとしていた。
何もない、まるで何もない十年間だ。
僕の手に入れたものの全ては無価値で、僕の成し遂げたものの全ては無意味だった。
僕がそこから得たものは退屈さだけだった。

最初に何があったのか、今ではもう忘れてしまった。
しかしそこにはたしか何かがあったのだ。
僕の心を揺らせ、僕の心を通して他人の心を揺らせる何かがあったのだ。
結局のところ、全ては失われてしまった。
失われるべくして失われたのだ。
それ以外に、全てを手放す以外に、ぼくにどんなやりようがあっただろう。

少なくとも僕は生き残った。
良いインディアンが死んだインディアンだけだとしても、僕はやはり生き延びねばならなかったのだ。
何のために?
伝説を石の壁に向かって語り伝えるために?
まさか。

「羊をめぐる冒険」村上春樹(1982年)


◆CANON EOS 7S × CANON EF 50mm F1.8 × NEOPAN 100 ACROS(自家現像)


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by kels | 2012-07-17 22:12 | 文学 | Comments(0)

The Gift

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夏の朝にはボサノバを聴こう。

糸の切れた真珠はバラバラ
みんな一緒に手袋の中
待ち望んでいるのは愛の贈り物
贅沢より夢をもう一度追いかけたい

いくら輝いても星はバラバラ
まるで孤独な私たち
何より尊いのは愛の贈り物
寄り添う温もりは春の日差し
誰もが追い求める夢

ねえ 愛の贈り物は拒否しないのに
だって 愛の調べは心に響くもの
でも 4月のワインのように
あなたの指からこぼれ落ちる

だから 優しいキスで神秘の星になり
憧れの楽園への道を照らしてあげたい
どんな運命が降りかかろうと大丈夫
愛の贈り物こそ何より大切な贈り物だから

「The Gift」Genai



◆OLYMPUS OM-2N × ZUIKO 50mm F1.4 × NEOPAN 400 PRESTO(自家現像)


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by kels | 2012-06-30 06:03 | 音楽 | Comments(0)

人生が二度あれば

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もし人生を一度だけやり直すことができるとしたら。
僕は間違いなく、18歳の春を選ぶだろう。

あのとき、僕は故郷の炭鉱町を出て、札幌での暮らしを選択した。
選択肢はもうひとつあった。
それは、多くの人が考えるだろう、東京での暮らしだった。

東京での生活を選んでいたら、僕の人生は今とは全然別のものになっていただろう。
時々、僕はもう一つの人生を生きているかもしれない自分のことを考える。
成功しているか、失敗しているかは、全然想像もつかないけれど、少なくとも現在の自分ではいられなかっただろうことは想像に難くない。
そして、あらゆる人生は、そのような選択の上で成り立っている。

だからといって、僕は今の生活に満足していないわけではない。
札幌での生活を選択したことにより、僕の人生にはそれなりの波乱と混乱があったけれど、それでも僕は今の自分の人生を悔やんだり惨めに思ったりすることはない。
過去の失敗や挫折を取り戻すために人生をやり直すことを、僕はきっと望まないだろう。

東京での暮らしは、漠然とした第二の人生への憧れである。


◆OLYMPUS OM-2N × ZUIKO 50mm F1.4 × NEOPAN 400 PRESTO(自家現像)


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by kels | 2012-06-30 05:38 | 随想・日記 | Comments(0)

パン屋再襲撃

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パン屋襲撃の話を妻に聞かせたことが正しい選択であったのかどうか、僕にはいまもって確信が持てない。
たぶんそれは正しいとか正しくないとかいう基準では推しはかることのできない問題だったのだろう。
つまり世の中には正しい結果をもたらす正しくない選択もあるし、正しくない結果をもたらす正しい選択もあるということだ。
このような不条理性-と言って構わないと思う-を回避するには、我々は実際には何ひとつとして選択してはいないのだという立場をとる必要があるし、大体において僕はそんな風に考えて暮らしている。
起こったことはもう起こったことだし、起こっていないことはまだ起こっていないことなのだ。

「パン屋再襲撃」村上春樹(1985年)


◆OLYMPUS OM-2N × ZUIKO 50mm F1.4 × NEOPAN 400 PRESTO(自家現像)


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by kels | 2012-06-27 23:06 | 文学 | Comments(0)

同窓会の案内状

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どこからか舞い込んできた同窓会の案内状。
古い仲間たちの名前が並んで、僕の頭は一瞬クラクラとする。

とうとう彼女が結婚したらしいぜ。
そんな、誰かのささやきが聞こえてくるような気がしたけれど、案内状はクールに、同窓会の日付と会場だけを告げている。
「何もかも終わったことなんだろう?」ってね。

懐かしさだけで、昔の仲間たちに会うのは難しいってこと、それは僕自身が一番良く知っている。
だから、僕は現在しか信じないし、ブログの中でしか振り返らない。
このブログこそが、僕自身の毎日の墓場みたいなものだから。

さあ、今日を過去にして、明日も頑張ろうぜ。


◆OLYMPUS OM-2N × ZUIKO 50mm F1.4 × NEOPAN 400 PRESTO(自家現像)


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by kels | 2012-06-26 22:01 | 随想・日記 | Comments(0)

曇りの土曜日

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この週末、積丹半島まで出かけて、旬のウニ丼でも食べようと思っていたけれど、朝から雨が降り出しそうな空模様だったので、出かけるのをやめた。
たまには、海の写真でも撮りたいなあ。

大通公園にて、バラの写真を撮る。
夏の花とも言うべき大通公園のバラが咲き始めると、札幌の街にも、いよいよ夏が近づいているのだなあと感じさせる。

カメラを持って、そのまま街をフラフラする。
今日のカメラは、久しぶりのオリンパスペンFT。
ハーフサイズの一眼レフカメラで、縦構図の写真を簡単に撮ることができる。

先週のOM-2でもシャッター音が気になったけれど、ペンFTのシャッター音はさらに凄い。
ガッチャンという音を立てるから、街の中でのスナップ写真を撮るにはあまり向かない。
明らかにシャッターを切った瞬間が、周囲の人達にも分かるから、画面の中に人を入れた写真は、ほとんど撮ることができなかった。

そのためか、36枚撮りフィルムを入れたものの、まだ40枚程しか撮っていない。
続きは、明日の午前中ということになるだろうか。
ハーフサイズで36枚撮りというのは、実は、なかなか大変な作業なのだ。

久しぶりに「ZAZI」に立ち寄って、コーヒーでも飲もうと思ったら、ちょうど昼時で、周りのテーブルの食べ物がおいしそうだったので、ついナポリタンをオーダーしてしまった。
「ZAZI」といえばナポリタン。
そんな習慣が、もうずいぶんと長く続いているような気がする。

「コーチャンフォー・ミュンヘン大橋店」まで移動。
ニール・ヤングの「アメリカーナ」を買おうと思ったら、在庫がなかった。
結局、Amazonで注文した方が早くて安いという話になってしまう。

岩波文庫「荷風随筆集(上)」と「酒のほそ道31」を購入。
欲しい本なんて数限りないので、書店に長くいると大変なことになってしまう(笑)
立ち読みだけで気が済まない性格なのだ。

午後、ドリフターズのCDを聴きながら、買って来たばかりの本を読んで過ごす。

夕方、「味覚園 南2条店」にて、みんなで焼き肉。
食べ放題コースにはしなかったけれど、美味しい肉だけを十分に満腹になるだけ、食べることができた。

時間が早かったので、狸小路の「十一月」に顔を出す。
「こんなのどうですか?」と出されたのは、東洋陶器のティーセット。
ティーポットとシュガーポット、ミルクピッチャーの3点セットで、朱色地に桜の花びらが手描きされているデザインのものだ。

時代は昭和初期のものと思われるが、裏印は初めて見るものなので、詳しいことは不明。
ただ、同様のフォルムを持った東洋陶器製品が我が家にあるので、ほぼ同じ時代のものと考えて良さそうだ。
結局、仕入れ値で譲っていただくことになった。

「FAB cafe」で、食後の一服。
静かに流れるカントリー&ウェスタンのBGMが心地良い。

何となく部屋に帰るのがもったいないような気がして、「宮越屋珈琲THE CAFE」に寄り道。
カウンターに座って、コーヒーを飲みながら雑誌を一冊読み終える。

日が長くて、いつまでも空が明るいから、なかなか部屋に帰りたくないのかもしれない、と思った。


◆OLYMPUS OM-2N × ZUIKO 50mm F1.4 × NEOPAN 400 PRESTO(自家現像)


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by kels | 2012-06-23 21:36 | 随想・日記 | Comments(0)

夏至の夜

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夏至の夜である。
夏至とは何かについては、「日本大歳時記」でも解説されているので、引用してみる。

二十四気のひとつ。芒種のあと十五日目。
陽暦の六月二十一、二日ごろにあたる。太陽黄経は九十度。

北半球では太陽はいわゆる夏至点にあって、最も高くかがやき、一年中で一番日の永いときである。
だが、実際には梅雨のさ中であるため、からりとした晴天に恵まれることは少ない。
しかし、それ故にまた、薄暮に独特の詩情があろう。

この日、極地では一日太陽が地平に没することがないというが、北欧はもとより、北海道の北端に近いあたりでも、夏至白夜の趣を知ることができる。
せっかく、梅雨のない北海道ではあるけれども、あいにくと本日は厚い雲に覆われた曇り空。
台風が去って、雨が降っていないだけ、まだマシと言うべきか。

禁男の園の夏至光紺また黄 平畑静塔


◆OLYMPUS OM-2N × ZUIKO 50mm F1.4 × NEOPAN 400 PRESTO(自家現像)


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by kels | 2012-06-21 20:12 | 夏のこと | Comments(0)

ザ・リヴァプール・コレクション

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久しぶりに聴いているCDは、「ザ・リヴァプール・コレクション」。
東芝EMI、なんと1990年の盤だ。

ハーマンズ・ハミッツ、ホリーズ、ジェリーとペースメーカーズ、フレディとドリーマーズ、マンフレッド・マン、ピーターとゴードン、えとせとら。
甘ったるいリバプール・サウンドが、次から次へと流れてくる。
こんな音楽ばかり聴いていた時期があったんだなあ(笑)

しかしながら、リヴァプール・サウンドという名称は、あくまでも当時の日本のレコード会社や音楽ジャーナリズムが作りあげたものである。
本場のアメリカやイギリスでは、まったく通用しない。
一般的、正確にはビートルズ及び彼らと同地区で当時活動していたグループを総括する名称としては、マージー・サウンド、そして、片やロンドンを中心に活動していたグループは、ロンドンR&Bと呼ばれ、このふたつをまとめて60年代ブリティッシュ・ビート・グループといわれていた。

「ライナーノーツより」かまち潤(1990年)



◆OLYMPUS OM-2N × ZUIKO 50mm F1.4 × NEOPAN 400 PRESTO(自家現像)


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by kels | 2012-06-20 22:08 | 音楽 | Comments(0)

いつか過去

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初夏や憂き出来事もいつか過去 高木晴子

どんなに嫌なことだって、いつかは必ず過去になる。
大人になればなるほど、そんなことは経験則で分かっているはずだ。
理屈では分かっていても、嫌なことっていうのは、そんなに簡単に「いつか過去」なんて割り切れるものではない。
それが人生というものだから。

それでも、「いつか過去」という言葉は、大人になった我々にさえ、ある種の逃げ道を提示してくれるような気がする。
ギリギリまで頑張って、その上で、どうせいつかはすべて過去。
そんなふうに開き直りたいものだ。


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by kels | 2012-06-20 21:54 | 音楽 | Comments(0)