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久し振りに「花と雑貨ひととき」に行った。彼女の部屋は、まるで枯れ野そのものだった。

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冬もまぢかな、ひっそりした秋のひとときは、寒々として、いやなときだと思ったら大間違いです。
せっせと、せいいっぱい冬じたくのたくわえをして、安心なところにしまいこむときなのですからね。
自分の持ち物を、できるだけ身近に、ぴったり引き寄せるのは、なんと楽しいことでしょう。
自分の温もりや、自分の考えをまとめて、心の奥深く掘り下げた穴にたくわえるのです。
その安心な穴に、大切なものや、尊いものや、自分自身までを、そっとしまっておくのです。

「ムーミン谷の十一月」トーベ・ヤンソン/鈴木徹郎・訳(1970年)

久し振りに「花と雑貨ひととき」に行った。
店の中を見て驚いた。
まるで枯れ野の中にいるみたいに、冬の枯れ果てた花がいっぱいだったから。

正直に言って、僕はこのときほど「枯れ野」という言葉の意味をリアルに感じたことはない。
彼女の部屋は、まるで枯れ野そのものだった。
この部屋をまるごと持って帰りたいと思った。

枯れ野の中に、僕は小さなアジサイを見つけた。
枯れ野の中で、小さなアジサイはきれいに枯れていた。
僕は枯れ果てたアジサイが大好きなのだ。

僕は枯れ野の一部と一緒に紫陽花を買って帰った。
だけど部屋には、枯れた紫陽花にふさわしい容れ物が見つからなかった。
仕方がないので、古い茶色のガラス瓶の中に、僕は紫陽花を挿した。

古い茶色のガラス瓶の中には、古いおはじきがたくさん入っていた。
大正時代の小さなガラス粒の砂の中に、僕はそっと紫陽花を挿したのだ。
紫陽花は頼りなげに小さく揺れて、そして静かに落ち着いた。


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by kels | 2015-11-01 20:11 | 雑貨・アンティーク | Comments(0)

一糸の乱れもなく規則正しく冬に向って行進しているかのような季節

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9月の半ばも過ぎて、秋は定まった。
時々、驚くほど寒い朝が訪れ、その日だけ、家々ではストーブをたいた。

「リラ冷えの街」渡辺淳一(1971年)

うだるような残暑もなければ、驚くような寒い日もない。
それが今年の9月だったような気がする。
一糸の乱れもなく規則正しく冬に向って行進しているかのような季節。

それにしても、さすがに風はすっかりと秋のものである。
気温の高い時間を除くと、何か羽織物がほしくなる。
これから雪が降るまでの間、そんな微妙な季節が続くわけだ。

喫茶店に入っても、温かい飲み物を注文するのに迷わなくなった。
蕎麦も温かいメニューを選ぶことが多い。
そして、昨夜、今年初めての鍋ものを食べた(と言っても、スキヤキだったけれど)。

それにしても、嵐のように過ぎ去っていく9月だったなあ☆


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by kels | 2015-09-27 07:02 | 秋のこと | Comments(0)

Apple Musicが配信されて以来、生活の中の音楽は、Apple Musicが中心になった

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それから秋がやってきた。
秋がやってきたときには、僕の心はもうほとんど定まっていた。
こんな生活をこのままずっと続けていくことはできないと、僕は思った。
それが僕の最終的な結論だった。

「国境の南、太陽の西」村上春樹(1992年)

7月にApple Musicが配信されて以来、生活の中の音楽は、Apple Musicが中心になった。
こうしてブログを書いている今も、Apple Musicでシューベルトの歌曲集を聴いている。
ディースカウとムーアのシューベルト歌曲集を、全部ダウンロードしたのだ。

おかげで、どこにいても作業用のBGMはシューベルトになった。
全部で463曲もあるから、おそらく、絶対に飽きることはない(笑)
これだけでも、Apple Musicに登録した価値はあるのではないだろうか。

最近では、わざわざコンポまで歩いていって操作するのが面倒なくらい(笑)
もう長年愛用しているステレオコンポだから愛着はあるんだけれどね。
ゆっくりと音楽を聴くという生活ができていないということなんだろうな。

まあ、のんびりとレコードを聴く楽しみは、将来のために取っておこうか。


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by kels | 2015-09-23 05:04 | 音楽 | Comments(0)

新しい秋は、去年の秋とは、やっぱり違う季節ということらしい

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我々が朝食を食べ終え、ポーチに出たのは9時だった。
夜を境に気候は一変したらしく、空気には既に秋の匂いがあった。
ギャッツビーの以前の使用人の中ではただ一人残っていた庭師が、階段の下に姿を見せた。
「今日にもプールの水を抜いてしまおうと思っとります」

「グレート・ギャツビー」スコット・フィッツジェラルド/村上春樹・訳(2006年)

実際、札幌の街は、すっかりと秋らしい空気になった。
何が秋らしいと言うのではない。
空気がすっかりと秋らしいのだ。

街が落ち葉に埋もれる晩秋と違って、初秋はさりげなく、そして慎ましやかだ。
熱病が冷めてしまうみたいに、夏は、いつの間にか遠ざかっている。
そして、みんな少しづつ、この新しい季節の空気に慣れてしまうのだ。

過ごしやすいという意味では、確かに良い季節である。
暑すぎもせず、寒すぎもしない。
太陽の高いうちであれば、上着だって必要ないだろう。

ただし、昼と夜との気温差が大きいのも、この季節の特徴である。
かつて何度も、この季節に風邪をひいた。
いつまでも夏のつもりで、薄着で過ごす夜が原因なのだ。

どんな環境にも、なじむまでには時間がかかる。
季節でも人間関係でも、それは同じだ。
新しい秋は、去年の秋とは、やっぱり違う季節ということらしい。


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by kels | 2015-09-23 04:03 | 秋のこと | Comments(0)

映画「華麗なるギャツビー」の字幕では、「友よ」という表現が使われていた

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僕が『グレート・ギャツビー』を翻訳していると言うと、アメリカ人はまず、「じゃあ、ギャツビーの口癖であるold sportは、どう日本語に訳すのですか?」と質問してきた。
当然と言えば当然の質問である。
もしアメリカ人だったら、僕だって同じ質問をすると思う。

「グレート・ギャツビー(あとがきより)」村上春樹(2006年)

結局、村上春樹は、この「old sport」問題を「オールド・スポート」と訳すことで決着を図った。
適当な、うまい具合の日本語が見つからなかったわけだ。
翻訳というのは難しい作業なんだなあと、つくづく思う。

もっとも、役者によるあとがきの解説がなければ、「オールド・スポート」が何を意味するものか、まったく分からないという問題は残る。
意味が分からなくても筋書きには影響しないのだが、ギャツビーの存在を理解する上で、これはやっぱり寂しい。
この口癖こそが、ギャツビーのアイデンティティのひとつになっている部分はあるからだ。

2013年公開の映画「華麗なるギャツビー」の字幕では、「友よ」という表現が使われていた。
ちなみに、1957年翻訳の野崎孝版では、「親友」。
親しくもない人に対して、親しげに呼びかける俗語だったのかもしれない。

おやすみ、オールド・スポート(笑)


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by kels | 2015-09-22 06:58 | 文学 | Comments(0)

「大東亜戦争俳句集」が発行されたのは、昭和18年8月のことである

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本集は、大東亜戦争勃発前後より最近に至るまでの、前線銃後を通じての俳句の眼をもってなれる、戦争への日本国民魂の記録である。

今や大東亜戦争は、熾烈なる決戦段階に入った。
前線も銃後もない。

大東亜必勝の態勢の下に、一億国民は総力を挙げて、正義の戦いに堂堂万進するばかりである。
日本国民愛国の熱情が、珠玉の俳句作品と燃えて、ここに記録された幾多の結晶は、必ずや後世に輝き及ぶことだろう。

「大東亜戦争俳句集」(1943年)

「大東亜戦争俳句集」が発行されたのは、昭和18年8月のことである。
2月には、ガダルカナル島を撤退、5月には、アッツ島で日本軍が玉砕した年だ。
6月には、マリアナ沖海戦で敗北を喫するなど、戦局は、著しく深刻な状況にまで追い込まれていた。

国捷(か)てり鉢巻をして蕎麦がきす 飯田蛇笏

一万六千の英霊に灯を寒の雲 加藤楸邨

香港陥つ彼の鎮める灯も凍り 高浜虚子

いくさして富士美しき国の春 富安風生

シンガポール陥ちぬ春雪の敷く夜なり 水原秋桜子

本書に収録された俳句は、約1万6千句だという。
1万6千の俳句は、一億国民の魂にまで届いたのだろうか。


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by kels | 2015-08-08 08:37 | 文学 | Comments(0)

とある骨董市の夜店で、雑貨男子は段ボール箱の底を探っていた。

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とある骨董市の夜店で、雑貨男子は段ボール箱の底を探っていた。
それは、古い日本人形やお土産の類がごちゃごちゃと詰め込まれた箱で、雑多なものが放り込まれているガラタク箱的な雰囲気を漂わせていた。
雑貨男子は、こうしたガラクタ箱みたいなものが大好きである。

せいぜいカンテラひとつの薄闇の中、彼はいくつかの小物を拾い上げた。
数個のバッジとビー玉、そしてどこか外国の古い硬貨などである。
長い時間かけて持ってきたものといえば、そんなゴミみたいなものばかりで、骨董店の店主もため息を付きたい気持ちになっただろう。

写真は、そうして手に入れたうちのひとつ、「森永クッキングスクール」のバッジである。
ちゃんと、逆立ちの天使のエンゼルマークが描かれていて、いかにもな森永雑貨で楽しい。
昭和時代の雑貨には、こうしたバッジをよく見かけるが、当時はこのバッジをどのように活用したのだろうか。
ちょっと疑問。
クッキングスクールに参加するときに、このバッジを付けていなくちゃいけないとか、そういうことではないよなあ。

※「雑貨男子、略して雑男」2011年8月20日掲載


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by kels | 2014-06-06 21:29 | 雑貨・アンティーク | Comments(0)

スミレ色をした昭和レトロなガラス食器は、近年彼のもっとも好きなアイテムのひとつである

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札幌に「ゆりかご」という名の骨董屋さんがあって、雑貨男子も時々お世話になっている。
とある骨董市の夜店にも、「ゆりかご」は出店していて、彼はその店で箱に入ったままの懐かしいガラス食器を買った。

箱には「明るい文化生活に硝子製品」と書かれ、都会の風景がイラストで入っている。
ガラス食器が現代のように普及している時代ではなかったのかもしれない。
ガラス食器が都会のモダンな生活のイメージを持っていたのだろう。
箱の中には、札幌丸井今井の商標が印刷された小さな紙があり、新聞紙にくるまれたすみれ色のガラス皿が4客収められていた。

スミレ色をした昭和レトロなガラス食器は、近年彼のもっとも好きなアイテムのひとつである。
パープル・ガラスとも呼ばれるが、このスミレ色のガラス食器は、昭和30年代から40年代にかけて流行したもので、そうめん鉢などのガラス食器としてどこの家庭でも普通に見られたものである。

古いものほど、プレスガラスが鋭利な手触りをして、気泡も多い。
ガラスのバリみたいなものを感じる場合もあるくらいだ。

それほど古い時代のものではないし、どこの家庭にもあったものなので、つまりは珍しい商品ではない。
骨董市に行けば、安売りコーナーなどに積まれていることも多い。
だからこそ、雑貨男子としてもこうした紫色のガラス食器は、気軽に集めることのできるガラス雑貨なのだ。

この箱入りの食器も、全部で1,500円。
バラで探せば、1客100円からでも売っているようなものだから、特段に安い買い物ではないかもしれない。
けれども、雑貨男子としては当時の空気感も含めて、箱に収納されたままの食器を手に入れることができて、嬉しいなあと思っているのである。

※「雑貨男子、略して雑男」2011年8月20日掲載


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by kels | 2014-06-05 20:22 | 雑貨・アンティーク | Comments(0)

もちろん、撮ってすぐ見ることのできるインスタントカメラも好きだ

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雑貨男子はインスタントが好きである。
インスタントラーメンも好きだし、インスタントコーヒーも好き。
いや、コーヒーはやっぱりインスタントではない方が、、、
もちろん、撮ってすぐ見ることのできるインスタントカメラも好きだ。

だから、ポラロイド社がポラロイドカメラのフィルム製造を中止したときには、相当に落ち込んだのだという。
そして、たくさん持っているポラロイドカメラを今も手放せないでいるらしい。
雑貨男子は古いものから離れられないのだ。

写真の「ポラロイド1000」は、シャッターを押すだけで手軽に撮影することのできる簡単ポラロイドカメラとして、1978年に発売されたポップなカメラだ。
オシャレなデザインが再評価されて、最近は雑貨店などでも扱われているらしい。

白いボディにボタンは赤または緑がある。
デザインが好きだったので、一時期買い集めたことがあり、今も数台の「ポラロイド1000」が部屋の中にあるはず。
ちゃんとしたフィルムが復活すれば、このカメラたちもまた活躍できるんだけれどね。


※「雑貨男子、略して雑男」2011年8月1日掲載


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by kels | 2014-06-04 20:23 | 写真・カメラ | Comments(2)

年上の女性と燃えるような不倫の恋に落ちてみたい、と夢見ている

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雑貨男子は火遊びが好きである。
年上の女性と燃えるような不倫の恋に落ちてみたい、と夢見ている。

でも、実際は意気地がないから何もできないのと同じように、古道具屋さんからコツコツ集めてきたマッチ箱の中のマッチ棒も、火事になったら怖いからという理由で、ひとつひとつチマチマと捨てているらしい。
雑貨男子は安全主義である。

写真のマッチ箱は、とある雑貨店で見つけたソビエト時代のマッチ箱。
なんて書いてあるのか不明だけれど、イラストから判断すると「火遊び禁止」とか「マッチ一本火事のもと」なんていうようなことが書いてあるに違いない。

東欧のマッチラベルって、啓発目的の内容のものが多いけれど、リアルに怖いような可愛いようなものが多くて、まさしく不気味かわいい感じが病みつきになる。
雑貨男子は、危険な誘惑が好きらしい。

※「雑貨男子、略して雑男」2011年8月7日掲載


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by kels | 2014-06-01 20:43 | 雑貨・アンティーク | Comments(0)