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この街が誕生した明治以降の時代であれば、札幌が描かれていない時代はない

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札幌開拓の経営は、明治二年十一月十日に始まった。
その年はことのほか積雪が少なく、寒気が過酷であった。
秋が深くなって、例年なら雪が来るのに関らず、深い霜が降り、夜毎に彼等を悩ました。

「札幌開府」寒川光太郎(1941年)

札幌を舞台とした小説は数限りないと思われる。
日本にして日本にあらずの北の島の都市である。
内地の人々を惹き付けるだけの、不思議な魅力を持っていた。

だから、札幌を舞台とした小説は、いつ、どの時代にも生まれた。
明治、大正、昭和初期(戦前)、戦後、そして現代。
この街が誕生した明治以降の時代であれば、札幌が描かれていない時代はない。

その中で、最も古い時代の札幌を描いたものは、開拓時代の札幌を描いたものということになる。
例えば、寒川光太郎の「札幌開府」は、まさしく島判官が札幌の街を築き上げようとする、その瞬間を描いている。
小説の舞台となった「札幌」としては、最も古い部類に属するものだろう。

「静かな夜じゃな、いつもこうかな蝦夷地は」
暫くしてぽつりと判官が口を切った。
「はあ、今宵あたりは雪かもしれませぬ」

「札幌開府」寒川光太郎(1941年)

冬が近づく季節になると、決まって僕は島判官のことを思い出す。
間もなく長い冬が訪れようとしている未開の蝦夷地で、彼は何を見たのだろう。
物語は限りない妄想を、僕たちに与えてくれる。


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by kels | 2016-11-28 20:44 | 札幌のこと | Comments(0)

判官島義勇が、初めて北海道を訪れたのは、明治2年の晩秋のことだ

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「静かな夜じゃな。いつもこうかな、蝦夷地は」
暫くして、ぽつりと判官が口を切った。
「はあ、今宵あたりは雪かもしれませぬ」
辺りはばかるような誰かの声があったきり、座は再び沈黙に落ちた。

「札幌開府」寒川光太郎(1941年)

判官島義勇が、初めて北海道を訪れたのは、明治2年の晩秋のことだ。
これから冬がやってくるという季節の北海道である。
寒くないはずも、恐ろしくないはずもなかっただろうと思う。

まして、現代より150年も昔の北海道のことだ。
気温は現代よりも低く、雪が現代よりも多く積もった。
防寒に対する知識も道具も、極めて素朴なものだったに違いない。

原始林と原野の土地を切り拓いて、新しい街を作り上げる。
今、考えてみても、これはとてつもなく壮大で、夢を見るのに近い大プロジェクトである。
そのプロジェクトの総責任者が、島判官だった。

原野の雪の中で、島判官が思い描いた北海道の未来は、どのようなものだっただろうか。


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by kels | 2016-01-31 20:18 | 札幌のこと | Comments(0)