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札幌市内の建築物を観て、こんなに興奮したのは、実に久しぶりのような気がする

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1926年に北海道庁立図書館として建てられた道立文書館別館という歴史的建造物を保存しながら、新たに菓子店舗とする計画です。
札幌を代表する道庁まわりの景観の一角をなす表通りに面する外壁と階段室を補強・保存して、後ろ側の部分は新しい建物に建て替えています。

新たに建て替えられる店舗部分は、3階分の高さの吹抜けを持つ大空間となっており、この大空間にあたかも宙に浮くようにカフェスペースとなる2階の床を架け渡しています。
その吹抜けに面して、保存されたレンガ壁全面を見ることができます。
天井は細い柱に支えられた連続する白色の繊細なクロスヴォールトとなっていて、元のままに残された南に面する窓から差し込む柔らかな光の中、むき出しのレンガ壁の素材感と緊張感のある対比を見せています。

また、カフェスペースの東西の壁は、かつてここが図書館であったことを継承し全面を北海道の歴史とお菓子の本で埋め尽くされる本棚にしています。
市民の皆さんに永らく親しまれてきたこの旧い佇まいを、“外”だけでなく“内”においても継承しながら、菓子店舗として、そして市民にとっての“サロン”となり得るような空間の実現を目指しました。
2階のカフェスペースではミニコンサートなどイベントも行われます。
北海道の歴史が息づくこの街の一角から、地域の未来へと向かう健やかな力が育まれていくことを期待しています。

「安藤忠雄氏からのメッセージ」北菓楼公式サイトより(2016年)

カフェを出た後、しばらく建物の内部を観察して歩いた。
「北菓楼札幌本館」の話の続きである。
そもそも僕は、この建物の内部を観たくて、ついでにカフェにも寄ったくらいなのだ。

正直に言って、札幌市内の建築物を観て、こんなに興奮したのは、実に久しぶりのような気がする。
館内の隅々まで歩き回り、壁や階段のあちらこちらを触りまくった。
もう、建築フェロモンが放出されまくっているような感じだった(笑)

この建物の元になっているのは、大正時代に建てられた道立図書館である。
図書館時代の様子については、更科源蔵がいろいろと書き残している。
戦後まで、この図書館は、札幌の文化人たちが集まる場所だったらしい。

近年は、道立文書館として(つまり、道庁の別館庁舎として)普通に使われていた。
仕事の関係で、僕は何度か訪れたことがあるけれど、古くて狭くて暗くて汚い建物という印象が強い。
大正時代の建物なんだから、ある意味では当然だと思う。

この古い建物が、安藤忠雄の手によってリノベーションされた。
古い時代を継承した新しい建物の誕生である。
大正建築と安藤建築を同時に楽しめるのだから、こんなに贅沢な話はない。

大正モダンの赤煉瓦とコンクリートの現代建築とのコラボレーションは、まさに見所だと思う。
この建物が、無料で自由に見学できるのだから、こんなに素晴らしいことはない。
お土産に、お菓子のひとつやふたつくらい、買って帰ろうという気持ちにもなるはずだ(笑)

札幌の、新たな観光名所が誕生したと、僕は思う。
そして、それが札幌の古い時代の遺産を活用したものであることを、僕はとても誇らしく思う。
良かった、素晴らしいリノベーションになって。


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by kels | 2016-04-03 19:41 | 建築 | Comments(0)