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ライラックまつりで大通公園が賑わう中、吉井勇の文学碑だけが取り残されている

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家ごとにリラの花咲き札幌の人は楽しく生きてあるらし
大学のポプラ並木路往き往けば中谷宇吉郎現れて来るかに
啄木をふと思ひ出ぬ紋付の木綿羽織の色の褪せしを
時計台に夕日あはあはと射す見ればわが旅心地ここに極まる
永遠といふことなれどを思ひいぬ石狩平野見はるかしつつ

「北海道新聞掲載」吉井勇(1955年)

吉井勇が札幌を訪れたのは、昭和30年6月のことである。
この年、ライラックの花は、6月になっても咲き誇っていたらしい。
冒頭の詩は、大通公園の文学碑となるくらい市民に愛されている。

もっとも、ライラックまつりで大通公園が賑わう中で、吉井の文学碑は取り残された感じが強い。
本来であれば、まさに主役級のアイテムだと思うのだけれど。
文化置き去りの平成版ライラックまつりの象徴とも言うべきか。

せめてもう少しライラックの花に囲まれていれば、文学碑も浮かばれるのではないだろうか(笑)

ところで、来札時、69歳だった吉井勇は、明治時代の友人・石川啄木を思い出している。
「紋付の木綿羽織の色の褪せし」は、東京時代の啄木の記憶を詠んだものだろう。
吉井勇にとって、あるいは札幌の旅は、遠い啄木を偲ぶ旅だったのかもしれない。


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by kels | 2016-05-22 20:23 | 札幌文学散歩 | Comments(0)