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戦後間もない時期に、佐多稲子は小樽を訪れている

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雪は和子の面にも吹きつけるほど激しく、降っている。
停電は、狭い一区画だけで、大通りの先は街燈もついていて、狂うように舞い落ちる雪片が、街燈のまわりで早い速度を浮き出させて見せた。

「雪の降る小樽」佐多稲子(1950年)

戦後間もない時期に、佐多稲子は小樽を訪れている。
かつての盟友であった小林多喜二の母親に面会するためである。
「雪の降る小樽」は、そのときの体験がモチーフとして用いられている。

舞台は12月半ばの小樽である。
いよいよ根雪になるらしい雪が、小樽の街を埋め尽くしていた。
地元の人々は「あいにくの雪で」と挨拶を交わす。

主人公の和子は、案内人の家で夕食を食べた後、吹雪の中、「南樽(なんたる)」の駅まで歩く。
目的地は「朝里」である。
汽車は吹雪のため、1時間の延着となっていた。

実は、このとき和子は、共産党の活動のために北海道を訪れている。
札幌、夕張、苫小牧、室蘭などを回り、各地で地元の活動家の人たちと意見交換をしていたのだ。
和子にとっては、これが初めての北海道だった。

そんな旅行の中で、小樽だけは和子のプライベートな目的地だった。
「十数年前に警察の拷問で死んだ作家Kの母親」を訪れるためだ。
Kの死体からシャツを脱がしたのが、Kの母親と和子だった。

激しい雪の中、和子はKの母親を訪ねていく。
案内役の人々は、北海道に根差した活動家たちで、それぞれの事情と生活と運動とを抱えている。
昭和20年代前半の北海道でなければ描けない何かが、そこにはあったのではないか。

雪降る小樽の光景が、戦後間もない時代の社会運動家たちを、美しく見せている。


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by kels | 2016-11-29 21:01 | 文学 | Comments(0)

この街が誕生した明治以降の時代であれば、札幌が描かれていない時代はない

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札幌開拓の経営は、明治二年十一月十日に始まった。
その年はことのほか積雪が少なく、寒気が過酷であった。
秋が深くなって、例年なら雪が来るのに関らず、深い霜が降り、夜毎に彼等を悩ました。

「札幌開府」寒川光太郎(1941年)

札幌を舞台とした小説は数限りないと思われる。
日本にして日本にあらずの北の島の都市である。
内地の人々を惹き付けるだけの、不思議な魅力を持っていた。

だから、札幌を舞台とした小説は、いつ、どの時代にも生まれた。
明治、大正、昭和初期(戦前)、戦後、そして現代。
この街が誕生した明治以降の時代であれば、札幌が描かれていない時代はない。

その中で、最も古い時代の札幌を描いたものは、開拓時代の札幌を描いたものということになる。
例えば、寒川光太郎の「札幌開府」は、まさしく島判官が札幌の街を築き上げようとする、その瞬間を描いている。
小説の舞台となった「札幌」としては、最も古い部類に属するものだろう。

「静かな夜じゃな、いつもこうかな蝦夷地は」
暫くしてぽつりと判官が口を切った。
「はあ、今宵あたりは雪かもしれませぬ」

「札幌開府」寒川光太郎(1941年)

冬が近づく季節になると、決まって僕は島判官のことを思い出す。
間もなく長い冬が訪れようとしている未開の蝦夷地で、彼は何を見たのだろう。
物語は限りない妄想を、僕たちに与えてくれる。


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by kels | 2016-11-28 20:44 | 札幌のこと | Comments(0)

橋崎政の「伝記製造業」は、戦後間もない札幌が舞台となっている、興味深い小説だ

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高校を卒業してからの勤め先は、サトホロという北の都会にある、赤煉瓦の行政庁であった。
故郷から汽車で三時間あまり。
カッキリと碁盤割りになったまちなみが、いかにも能率的な健康美にあふれ、田舎ものの三郎兵衛を有頂天にした。

「伝記製造業」橋崎政(1957年)

北見出身の橋崎が北海道庁に就職したのは、昭和21年のことである。
役所勤めは長くは続かなかったが、戦後混乱期の札幌を、橋崎は行政の立場から垣間見ていた。
終戦後の札幌を知る上で、橋崎の作品には数々のヒントがあると言える。

「伝記製造業」はこうした戦後の混乱期を生きた男の物語である。
共産主義者だった橋崎は、戦後社会の不条理を、あえて軽妙なタッチで描こうとしているようにも思える。
家庭の犠牲となって売春婦となってしまった恋人を救うために、ひたすらに金を稼ぎ続けなければならない主人公が極めた道が「伝記製造業」だった。

物語の筋は置くとして、戦後間もない札幌が舞台となっているという意味において、興味深い小説だ。


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by kels | 2016-11-27 21:08 | 文学 | Comments(0)

2日連続の真冬日を含めて、一日の平均気温は3日連続で氷点下だった

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十一月の土曜日の午後、そとは霙まじりの雨が朝からふりしきっていた。
昨夜から気温は急激に下がり、雪一色の季節を迎える前の、天候がめまぐるしく変化する札幌の晩秋が、ここひと月あまり雨や風を盛大にともなって、天気予報を裏切りつづけている。

「恋人よ」藤堂志津子(1989年)

今日の札幌は、久しぶりに暖かい一日だった。
暖かいと言っても、最高気温は9℃そこそこである。
この季節としては、格別に暑すぎるというほどの気温ではなかった。

そもそもは、ここ一週間の気温が低すぎたのだ。
2日連続の真冬日を含めて、一日の平均気温は3日連続で氷点下だった。
最も寒かったのは23日の氷点下7℃で、11月としては異常な寒さである。

考えてみると、今年は秋らしい秋がなかった。
いつの間にか夏が終わり、秋の深まりを待つ間もなく冬が始まっていた。
こんな秋は、きっと、もう二度と経験することがないだろう。

そんな一週間を過ごしたばかりだったから、9℃という気温は相当暖かったのに違いない。
街では薄着の若い人たちの姿が、たくさん見つけることができた。
9℃という気温は、決して暖かいと呼べるような気温ではないのだが。

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by kels | 2016-11-27 20:43 | 冬のこと | Comments(0)

はっきり言って、今年のホワイト・イルミネーションは地元民ながら驚きの充実度である。

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ミュンヘン・クリスマス市から続いてホワイト・イルミネーションへ。
と言っても、特別な移動を要するわけではない。
東西に長い大通公園のうち、1丁目から8丁目までがイルミネーション会場で、そのうち2丁目がクリスマス市の会場にもなっている。

だから、大通公園を歩いて行けば、自動的にどちらも楽しむことができる。
特に、今年はイルミネーションの大通会場は拡大されているらしい。
はっきり言って、地元民ながら驚きの充実度である。

大通会場では丁目ごとにテーマが付けられていて、それぞれ異なった趣きを楽しむことができる。
例えば、4丁目会場は「ジュエリーパレス」として、ダイヤモンドをモチーフにした光の宮殿が用意されている。
記念撮影スポットもあって、既に多くの人たちが並んでいる。

一番豪華なのは8丁目会場、光に包まれた大型の全天周ドームシアター「クリエイティブシアタードーム」。
ドームの中に入ると、プラネタリウムのようなドームシアターになっている。
会場内にはベッドも並べられているので、寝転がって観賞することも可能だ。

今回は、さっぽろテレビ塔を起点に1丁目会場から観て回ったけれど、規模はかなり大きいと感じる。
すべてをきちんと観て回ると、きっと一晩くらいはかかってしまうだろう。
観光コースに大通会場を組み入れるときは、時間をたっぷりと取るべきだと思う。

そして、ホワイト・イルミネーションは大通会場だけではない。
札幌駅前通りや南一条通りも会場になっているので、全部観るためには相当の距離を歩くことになる。
全部歩いて観て回るだけの価値はあると思った。


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by kels | 2016-11-27 07:57 | 冬のこと | Comments(0)

ミュンヘン・クリスマス市は、たくさんの客で溢れている

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昨日から「ミュンヘン・クリスマス市」が始まった。
ホワイト・イルミネーションも先週から始まっている。
札幌は、本格的に冬のイベントの季節に入ったのだ。

ということで、久しぶりにカメラを持って街に出た。
考えてみると、街歩きも随分していないような気がする。
買い物には来ているから、街に出ていないということではない。

旅人気分になって、街を歩くことが少なくなってしまったのだ。
僕の写真は、あくまでも旅のスナップ写真である。
旅の気持ちをなくしては写真を撮ることもできない。

夜の大通公園は賑わっていた。
電光の温度計は3℃を表示している。
真冬日が続いていたことを考えると、思ったよりも暖かいくらいだ。

ミュンヘン・クリスマス市は、たくさんの客で溢れている。
飲食用のテーブルはほぼ埋まっているようで、さすがに週末の夜だ。
クリスマスが近くなると、混雑は一層ものすごいことになるのだが。

今日は買い物なしの撮り歩きである。
相変わらず、外国からの旅人が相当に多いような気がする。
きっと、札幌市民の方が少ないくらいなのかもしれない。

数年前に比べると、お店も少しづつ変わっているような気がする。
洗練されてきていると言うか、時代の波に乗り続けていると言うべきか。
おかげで、ちっとも古めかしさを感じない。

ちなみに、このミュンヘン・クリスマス市は、今年で15回目になるとのこと。
すっかり定着しているから、もう少し古いのかと思っていた。
今では、札幌の冬になくてはならないイベントに成長したのでは?

雪が積もったら、また観に行こう!


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by kels | 2016-11-26 22:30 | 冬のこと | Comments(0)

地下街の雪印パーラーには、アイスクリーム、サンディー、パフェ、軽食喫茶が揃っている

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地下街はいつも都会の顔して 狸小路を田舎扱い
ぼくは地下鉄の電車を待ってる センチメンタルに浸った振りして

「初夏」ふきのとう(1975年)

さっぽろ地下街ポールタウンに雪印パーラーがオープン!
と言っても、これは、昭和47年に発行されたタウン誌に掲載された広告である。
さっぽろ地下街は、昭和46年に開業したばかりの人気スポットだった。

昭和50年に発表されたふきのとうのフォークソングは、そんな時代の札幌の空気を伝えている。
地下街が都会的で狸小路が田舎的。
そんな時代だったのだろう。

もちろん、昭和46年に開業したばかりの地下鉄も、当時は最先端の都市交通だった。
そうでなければ、センチメンタルに浸った振りもできない(笑)
昭和47年に開催された冬季オリンピックを境に、札幌の街が大きく変貌していく時代だった。

さて、地下街の雪印パーラーには、アイスクリーム、サンディー、パフェ、軽食喫茶が揃っている。
まさに、「あなたの好みにあったMENUばかり!」だ(笑)
「レディーメイクアップコーナー」も用意されているので、お化粧直しには、特設チャームルームをご利用できる。

ちなみに、店名は「軽食・喫茶 クリームサロン 雪印パーラー」だった。


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by kels | 2016-11-23 16:56 | カフェ・喫茶店 | Comments(0)

どんな街にも郷土の歴史に詳しい人がいて、僕はそんな老人になりたいなあと思う

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札幌の、したがって北海道の国道起点(北海道道路原票)は、北一条西四丁目交差点の中心にある。
ここから西へ行けば第五号線札樽国道であり、東すれば旭川へ通ずる第十二号線、南は室蘭に至る第三十六号線である。
この地点の、一日の自動車通行量は二万台にも上る。
東京丸の内の一角を、そのままここに移したかとも思われる。
「東京都札幌区」あるいは「リトルトーキョー」と称されるゆえんのひとつである。

「さっぽろ百景」五十嵐久一(1965年)

何とか百景というのものが好きだ。
昭和2年には「日本百景」というものが選定されたという。
以来、日本中のあちこちで「百景」が誕生したことだろう。

古本屋で見つけた「さっぽろ百景」は、昭和40年にタイムス観光から発行されたもの。
北海道は、昭和43年に開道百年を迎えている。
大きな時代の節目を迎えて、札幌に対する再評価が進んでいた時代に違いない。

この本の中には、昭和40年当時の札幌の百景が登場する。
馬フン風、五番館、サンデパート、つぶ焼き、琴似町、手稲温泉、弾丸道路。
今では懐かしくなってしまった「百景」も少なくない。

本当は、そのひとつひとつを追いかけて、2016年の札幌と比較してみたいと思う。
だけど、百景を紹介するには100回の更新が必要で、日常の更新さえままならない現状では現実的ではない。
札幌研究を生業にできたら、そういうことも可能なのかもしれないが(笑)

ちなみに、僕の将来の夢は郷土誌研究家である。
どんな街にも郷土の歴史に詳しい人がいて、僕はそんな老人になりたいなあと思う。


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by kels | 2016-11-23 07:36 | 札幌のこと | Comments(0)

「カフェイン摂り過ぎて手が震えないですか?」と、彼女は言った

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とある仕事帰りの喫茶店で、僕はコーヒーをお代わりした。
コーヒーはポットで注文していたので、同じコーヒーを同じポットでお代わりした。
おいしいコーヒーというのは、お代わりしたくなるものなのだ。

帰り際に、お店の人がこんなことを言った。
「カフェイン摂り過ぎて手が震えないですか?」

彼女にそんなことを言われるまで、僕にはカフェインの過剰摂取などという意識はまったくなかった。
ただ、好きなコーヒーを好きなだけ飲んでいるに過ぎない。
そもそも、コーヒーにカフェインが含まれているということさえ、僕は全然忘れていたのだ。

大丈夫だよと答えた僕に、彼女は重ねて訊いた。
「夜、眠れなくなったりしないんですか?」

コーヒーを飲み過ぎると眠れなくなるということも、僕には新鮮な響きに思えた。
僕は毎晩寝る直前までコーヒーを飲んでいる。
それでも、ベッドに入った瞬間には熟睡することができた。

もちろん、カフェインには覚醒効果があると、僕は思っている。
仕事で徹夜が続くときなどは、常にコーヒーを欠かさないようにしている。
食事を摂らなくてもコーヒーを飲むだけで、どうにか一日をやり過ごすことができた。

気持ち次第で効いたり効かなかったりする。
それが僕にとってのコーヒーであり、カフェインであるのかもしれない。
都合の良い飲み物という点では、やはり、コーヒーは生活に欠かせない飲み物である。
by kels | 2016-11-12 18:25 | カフェ・喫茶店 | Comments(0)

日経トレンディが2016年のヒット商品ランキングを発表した

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日経トレンディが2016年のヒット商品ランキングを発表した。
上位商品を中心に、自分と流行との関係を確認してみたい。
果たして、自分は流行に乗りやすい人間なのか。

ランキング1位は「ポケモンGO」で、自分も最初は夢中になってゲームした。
が、すぐに飽きてしまって、しばらくは起動さえしていない。
ゲームソフトと違って、終わりが見えないところが飽きた原因だと思う。

2位はアニメ映画「君の名は。」で、これもちゃんと劇場で観てきた。
個人的にはおもしろかったので、もう一度観たいと感じている。
後半の展開ぶりがすごかったけれど、アニメだから許せてしまう(笑)

3位は、世界初の加熱式タバコ「IQOS(アイコス)」で、これは無関係。

4位は、写真をメインにしたSNS「Instagram(インスタグラム)」で、これはかなり初期からのユーザー。
更新が容易なので、ブログの更新をできないときも、インスタは更新していた。
現在、カフェや洋服関係は、インスタ中心に記録中(ただし、週末のみ)。

5位は、フリマアプリ「メルカリ」で、僕は今年になってからのユーザー。
これまで「ヤフオク」一辺倒だったネット売買の可能性が広がった。
基本的に即決で、値下げ交渉できるところも楽しい。

ということで、上位5位までについては、「アイコス」以外は該当している。
流行に流されやすいと見るか、時代に敏感と見るか(笑)
まあ、熱しやすくて冷めやすい性格が反映されているだけかもしれないな(笑)
by kels | 2016-11-08 20:07 | 随想・日記 | Comments(2)