<   2016年 08月 ( 13 )   > この月の画像一覧

僕と祖母は手をつなぎながら、碑難所である公民館のような施設まで歩いた。

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毎日、雨降りが続いている。
故郷の街では避難勧告が出されているくらいだ。
何十年ぶりだろう、こんなひどい雨というやつは。

そのとき、僕は夏休みを利用して祖母の家に泊まり込んでいた。
北海道にもひどい台風が来た年のことだ。
何をすることもなく、僕はただ窓の外の景色をぼんやり眺めていた。

住宅街の脇を小さな川が流れていた。
祖母の家は、その川から随分離れた内側にあった。
川まで数分歩かなければならないほどだ。

その午後、川が氾濫して水が溢れた。
川の水は最初遠くの住宅を浸水していたが、少しずつ祖母の家まで近づいていた。
川の水が寄せてきる様子を、僕はただじっと眺めていた。

近所の人たちは大騒ぎをしながら集まってきて、一階にある家具やら畳やらを2階に上げた。
今や避難勧告が出されていた。
流されないように重い荷物を背負った方がいい、と誰かが言った。

僕は布団を担いで、祖母と一緒に家を出た。
水は子どもの太股くらいまで達していた。
僕と祖母は手をつなぎながら、碑難所である公民館のような施設まで歩いた。

碑難所には、既に多くの住民が集まっていた。
お握りが配給されて、僕らは川の水が引くのを待った。
国道が決壊していて自動車も通れないという噂が広まっていた。

僕の父が迎えに来たのは、その夜のことだ。
半壊していた国道を、担当者の人の誘導で通してもらえたらしい。
おおらかな時代で、おおらかな街だったのだろう。

あれから長い時間が経ち、祖母は亡くなり、祖母の家も人出に渡った。
そして今年、久しぶりに避難勧告が出ている。
夏の終わりの、こんな季節だった。


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by kels | 2016-08-21 06:59 | 随想 | Comments(5)

いろいろな人たちのいろいろな思いを集めて、盆踊りの灯りが消えた。

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盆踊りが終わったら、札幌の短い夏も終わり。
暑いとか寒いとかじゃなくて、そんな気持ちになってしまう。
札幌の夏と秋とを分けるものが、きっとお盆というやつなのだ。

大通公園の盆踊りも静かに終わった。
前半天気が良かった代わりに、後半は毎日雨降りだった。
さっぽろ夏まつりの最終日は、なぜか雨になるらしい。

いろいろな人たちのいろいろな思いを集めて、盆踊りの灯りが消えた。


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by kels | 2016-08-21 06:32 | 夏のこと | Comments(0)

たべるとくらしの研究所。雨の日に訪れたいと思えるカフェだ。

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雨が降っていた。
古い民家を改装したカフェの店内には、雨の音が響いている。
雨は少しずつ強くなっていった。

雨の日のカフェが、僕は好きだ。
特に、こんなふうに古い建物の古い窓辺の席。
古い窓のすぐ向こう側に雨がある。

いつもは賑わう人気の店も、こんな雨の日にはとても静か。
僕は窓ガラス越しに雨と向き合っている。
雨と向き合いながら、僕はきっと自分自身と向き合っているのだろう。

たべるとくらしの研究所。
雨の日に訪れたいと思えるカフェだ。

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by kels | 2016-08-20 20:20 | カフェ・喫茶店 | Comments(2)

だけど、狸小路の狸がぶら下がっているのは、夏の間だけだ

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札幌の狸小路のアーケードには、大きな狸がぶら下がっているらしい。
そんな噂を聞いて、この街を訪れる旅人は多い。
どうしてみんな狸が好きなのだろうと、僕は思う。

だけど、狸小路の狸がぶら下がっているのは、夏の間だけだ。
夏の終わりとともに、狸は必ずどこかへ消えちまうんだから。
夏の終わりの札幌の街から、旅人が消えてしまうのと同じようにね。

狸の向こうに、札幌の夏があった。


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by kels | 2016-08-16 21:01 | 夏のこと | Comments(0)

いつの間に少し欠けたプリンを前にして、僕はピアノのバッハを聴き続けていた。

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「プリンをください」と、彼女は言った。
古民家を改装した静かなカフェ。
日曜日のお昼前で、他にお客さんはいなかった。

店内にはピアノのバッハが流れていた。
スピーカーは別の部屋にあるのだろう。
ピアノのバッハは、どこか遠い場所から聴こえるような気がした。

プリンとバッハ。
いつの間に少し欠けたプリンを前にして、僕はピアノのバッハを聴き続けていた。


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by kels | 2016-08-16 20:52 | カフェ・喫茶店 | Comments(0)

それは、10年経った今も色褪せない、永遠のラブソングだった。

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真夏の歌が聴こえる。
それは、時代遅れのラブソングだった。
10年経った今も、夏はあの頃の夏のままだ。

アイスキャンデーを差しだして、君はそっと笑ってみせる。
分かっているんだ。
同じことを考えているって、僕たち。

一面のひまわり畑の中から、真夏の歌が聴こえた。
それは、10年経った今も色褪せない、永遠のラブソングだった。


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by kels | 2016-08-15 21:16 | 夏のこと | Comments(0)

雨の降らないビアガーデン、雨の降らないライジングサン。

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夏休み、毎日夏らしい青空が広がっていた。
雨の降らないビアガーデン、雨の降らないライジングサン。
こんな夏も珍しいねと、彼女は笑った。

大通公園の渇いた芝生にも、夏の人々が集まっている。
ビアガーデンの喧騒から逃れてきた人たちなのかもしれない。
何もない大通公園が、この季節にはとても貴重な存在となる。

またカラカラが出たよと、彼女は笑った。


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by kels | 2016-08-15 21:07 | 夏のこと | Comments(0)

この街の子どもたちは、この公園で踊る盆踊りを、毎年楽しみにしているに違いない

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小さな公園の中に、盆踊りの櫓があった。
こんな小さな公園が、盆踊りの会場になるのだろうか。
僕は、小さな櫓を取り巻いて踊る小さな一群のことを想像した。

きっと、この街の子どもたちは、この公園で踊る盆踊りを、毎年楽しみにしているに違いない。
自分たちの街の、自分たちの夏の思い出として。

白樺の樹の上で、北国の蝉が鳴いていた。


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by kels | 2016-08-15 20:59 | 夏のこと | Comments(0)

「すすきの祭り」のすすきの屋台で真夏の夜の夢を観た

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昨夜、「すすきの祭り」を観てきました。
「すすきの祭り」は、毎年8月上旬に開催されている、夏祭りのひとつです。
公式サイトに歴史が紹介がされていました。

昭和40年(1965年)8月、第1回の 薄野祭(現すすきの祭り)が開催された。
実際には、昭和26年7月に最初の薄野祭が行われたが、3年で立ち消えになった。
昭和40年の復活は第4回目となるが、なぜか第1回とし、以降継承して第49回を迎える。

昭和40年春、札幌観光協会が「従来の夏祭りは、大通りの広場で盆踊りや歌謡コンクールを行う程度で空疎だ。いっそ、狸小路の狸祭り、定山渓の河童祭り、それに薄野祭りを加え、連合的な規模の大サマーフェスティバルたらしめたら」とのアイディアを出し、この発想から復活した。
この祭りでは、「すすきの小唄」「すすきの音頭」が発表され、ミス薄野コンテスト、のど自慢大会、ビール早飲み大会などが行われた。

「すすきの観光協会」の公式サイト

最近はYOSAKOIソーランが披露されたりと、祭りの内容は時代とともに変化しているようです。

写真は、ちょっとした小路に現れた屋台で、駅前通りよりもススキノらしさに溢れています。
街灯も少ない薄暗い小路にたくさんの人たちが集まって賑やかに飲み食いしています。
両脇ではソープランドなどの風俗店が通常営業していて、まさに現代のススキノ模様といった感じがします。

木曜日から土曜日まで3日間行われた「すすきの祭り」も終了。
夏のイベントがひとつ終わるごとに、札幌の夏も終わりへと向かっていきます。
短すぎますね、札幌の夏っていうやつは。


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by kels | 2016-08-07 21:24 | 夏のこと | Comments(0)

北竜町「ひまわりの里」は最高の青空、カットメロンを食べる

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北竜町の「ひまわりの里」を観てきました。
夏の風物詩と言えば、やっぱり、ひまわりの花ですよね。
特に、青空と黄色いひまわりのコラボレーションは、まさに「ザ・真夏」という感じがします。

北竜町の公式サイトには、「ひまわりの里」までのアクセス経路が紹介されています。
札幌駅からだと、高速道路を使っても、国道275号線を使っても、時間的にはあまり変わらないようです。
急ぐ旅でもないし、久しぶりに275号線を走ってみることにしました。

土曜日の朝の275号線はとても順調で、のんびり走って予定どおりほぼ2時間で「ひまわりの里」に到着。
あ、途中でガソリンを給油していなかったことに気付いて、雨竜町のガソリンスタンドに寄りました。
北海道の郊外ではガソリンスタンドも少ないので、こまめに給油した方が安心です。

「ひまわりの里」には、午前9時半頃に到着。
駐車場はまだガラガラで、誘導係の人の姿もありませんでした。
富良野のラベンダーのようなパニック状態ではないようです。

「ひまわりの里」は、基本的に無料で利用することができます。
ひまわり迷路とか、レンタサイクルとか、遊覧バスなどのオプションを使わない限り、お金はかかりません。
駐車場も無料なので、とても親切な施設だと思います。

ひまわり畑は緩やかな斜面になっていて、坂の上の方まで歩いた方が見応えはあります。
ちょっとした展望台もありますが、ひまわり畑は上から見るよりも下から見た方が良いようです。
(上から見ると意外とスカスカな感じが分かってしまうため)

この日、北竜町は最高の快晴でした。
ひまわりの花は、青空の下で観なければ、その本当の価値は分からないと思います。
こればかりは自然条件なので、どうにもならないことではありますが。

ひまわり畑を一周したら、駐車場横の休憩所で一服。
かき氷とか焼き鳥とかお蕎麦とかを売っているお店が並んでいますが、僕が食べるものは、いつも決まっています。
それはカットメロンです(笑)

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無類のメロン好きなので、産地でカットメロンを見つけると、ほぼ必ず食べます。
写真のカットメロンで250円。
他にカットスイカも売っていました。

ひまわり畑にカットメロン。
ささやかだけれど、北海道の短い夏が確かにありました。


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by kels | 2016-08-06 22:32 | 旅行 | Comments(0)