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「さっぽろライラックまつり」は、今日で終わりだったらしい

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私が学生々活をしていた頃には、米国風な広々とした札幌の道路のここかしこに林檎園があった。
そこには屹度小さな小屋があって、誰でも五六銭を手にしてゆくと、二三人では喰い切れない程の林檎を、枝からもぎって籃に入れて持って来て喰べさせてくれた。
白い粉の吹いたままな皮を衣物で押し拭って、丸かじりにしたその味は忘れられない。
春になってそれらの園に林檎の花が一時に開くそのしみじみとした感じも忘れることが出来ない。

「北海道に就いての印象」有島武郎

「さっぽろライラックまつり」は、今日で終わりだったらしい。
夕方、大通公園を散歩したけれど、思ったほど混雑してはいなかった。
食事時には少し早かったせいかもしれない。

それでも、道内各地の名産を食べさせるコーナーは、非常に賑わっていた。
近年のこうしたイベントは、若い人たちに支持されているのだろう。
木陰で風に吹かれながら食事をする心地良さは、確かに他に替えがたいものがある。

今年はライラックの開花も早かったので、今日あたり、多くのライラックは既に枯れ始めていた。
まつりの始まったころが、最も花の美しい時期だったような気がする。
季節の花の見頃は、まさしく一瞬、一期一会だ。

ライラックの季節が過ぎるのは寂しい。
だけど、札幌の夏には、次から次へと心惹かれるものが現れる。
一期一会で、今年の夏を楽しまなくては。


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by kels | 2016-05-29 20:20 | 夏のこと | Comments(0)

芥川龍之介が札幌を訪れたのは、昭和2年5月のことである

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札幌――クリストは上に、大学生は下に、・・・「すすき野」と云ふ遊廓どこですか?
又――あの植物園全体へどろりとマヨネエズをかけてしまへ。
(傍白。――「里見君、野菜だけはうまいでせう。」)
又――孔雀は丁度キヤンデイの樣に藍色の銀紙に包まれてゐる。
又――有島武郎氏はポケツトの中にいつも北海道の地図を持つてゐる。

「東北・北海道・新潟」芥川龍之介(1927年)

芥川龍之介が札幌を訪れたのは、昭和2年5月のことである。
講演旅行で来道した折りのことであり、札幌では、北海道大学と大通小学校で講演している。
植物園を訪れたときの感動は、有名なフレーズとなっている。

もっとも、遠く北海道を訪れた記録としては、あまりに簡単で素っ気ない。
思うに、芥川に札幌の街は、それほど共感を得られなかったのではないだろうか。
「里見君、野菜だけはうまいでせう」という言葉には、芥川の本音があるような気がする。

記録によると、このときの一行のスケジュールは、かなりタイトなものだったらしい。
もしかすると、移動と講演との毎日に、芥川も疲れきっていたのかもしれない。
芥川にとっても、稼ぐための北海道旅行ではあった。

講演にはもう食傷した。当分はもうやる気はない。
北海道の風景は不思議にも感傷的に美しかつた。
食ひものはどこへたどり着いてもホツキ貝ばかり出されるのに往生した。
里見君は旭川でオムレツを食ひ、「オムレツと云ふものはうまいもんだなあ」としみじみ感心してゐただけでも大抵想像できるだらう。

「講演軍記」芥川龍之介(1927年)

久しぶりに、北大植物園へ行こうかと思ったけれど、結局、今週も行かなかった。
札幌の街は瑞々しい新緑に包まれている。
芥川も、この札幌の新緑の中を歩いたことだろう。


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by kels | 2016-05-29 20:00 | 札幌文学散歩 | Comments(0)

札幌の老舗純喫茶「オリンピア」で焼きそばを食べる

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機会があれば、「オリンピア」へ行くことにしている。
「オリンピア」は、道庁赤レンガ庁舎の北向かいにある老舗の喫茶店だ。
週末は営業していないので、なかなか行くことができない。

東京オリンピックが開催された年にオープンしたのが、店名の由来と聞いた。
店内は今も昭和時代そのままで、札幌の純喫茶として、非常に貴重な存在だと思う。
喫茶店が、きらびやかだった時代が、そこには残っている。

喫茶店のフードメニューと言えばナポリタンで、この店の名物でもある。
だけど、僕はあえて、この店の焼きそばをお勧めしている。
他の店では、ちょっと食べられないタイプの焼きそばだ。

いわゆるコテコテの焼きそばではない。
どちらかと言えば和風の、やさしくて懐かしいような味。
焦げるくらいに炒められた太麺とマッチして、この店らしい逸品に仕上がっている。

ボリュームがあるのは、古い店の特徴。
写真は、大盛りではなくて普通盛りの焼きそばである。
高度経済成長期、喫茶店は働く男たちの憩いの場だったのだ。


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by kels | 2016-05-28 07:11 | カフェ・喫茶店 | Comments(6)

中島みゆき「リラの花咲く頃」が札幌の街に似合う季節だ

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リラは咲く 祖国を離れて リラは咲く 忘れもせずに
見上げれば 空の色さえも 馴染みなき異郷に在って
少しずつ やがては違う花のように 声も姿も変わり果てても
時が来れば 花は香る
長い闇に目を塞がれても 灼けつく砂にまみれても 
時が来れば きっと
リラは咲く 祖国を追われて リラは咲く 忘れもせずに
祖国で今咲く日に リラの花は咲く

「リラの花咲く頃」中島みゆき(2012年)

考えてみれば、ライラックは異国の樹であり花である。
外国から持ち込まれたものが、札幌という新しい街の中で定着したのだ。
札幌の歴史としては、ひとつのパターンではある。

中島みゆきの中では、もちろん札幌の街のイメージがあったことだろう。
モデルとは言わなくても、着想のヒントのひとつくらいにはなったかもしれない。
そのくらい、札幌とライラックとは、強い結びつきを持っているものなのだ。


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by kels | 2016-05-28 06:24 | 夏のこと | Comments(0)

それにしても、札幌の街は本当にライラックの花で溢れている

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今日もラッキーライラックの花を見つけた。
昨日はあんなに苦労したのに、今日は続けていくつも発見した。
ラッキーライラックの生まれやすい樹というものがあるのだろうか。

それにしても、街は本当にライラックの花で溢れている。
大通公園を歩くと、あちこちからライラックの匂いが漂ってくる。
リラの花の香りを、全身で浴びているかのようだ。

一番見応えがあるのは、石山通りを北に向かって走って行くコース。
北大植物園から北大の横を走るあたりは、ライラック並木になっている。
その樹も満開だから、まさにライラックロードだと思った。

そう言えば、今日は新琴似まで遊びに行ったけれど、新琴似もライラックに包まれていた。
特に、住宅街には背の高いライラックの樹が、あちこちにある。
中央区では切り倒されてしまったような古い樹が、まだ残っているのかもしれない。

もともとライラックの樹は、住宅街の庭木として広まったそうである。
古い家を壊してマンションを建てる際には、ライラックの樹も切られてしまうのだろう。
古い住宅の庭にライラックの樹を見つけると、何となくうれしい。


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by kels | 2016-05-22 21:44 | 夏のこと | Comments(3)

札幌の新緑がすごい。つい2週間くらい前、桜が咲いていた頃と全然違う。

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札幌の新緑がすごい。
つい2週間くらい前、桜が咲いていた頃と全然違う。
街は一気に青く変わってしまったのだ。

札幌では、春と夏が同時に到来すると、よく言われる。
桜が咲いて春が来たなあと思った瞬間に、もう初夏がやってきているからだ。
今年はまさに、そんな札幌をしたたかに見たような気がする。



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by kels | 2016-05-22 21:31 | 夏のこと | Comments(0)

ライラックまつりで大通公園が賑わう中、吉井勇の文学碑だけが取り残されている

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家ごとにリラの花咲き札幌の人は楽しく生きてあるらし
大学のポプラ並木路往き往けば中谷宇吉郎現れて来るかに
啄木をふと思ひ出ぬ紋付の木綿羽織の色の褪せしを
時計台に夕日あはあはと射す見ればわが旅心地ここに極まる
永遠といふことなれどを思ひいぬ石狩平野見はるかしつつ

「北海道新聞掲載」吉井勇(1955年)

吉井勇が札幌を訪れたのは、昭和30年6月のことである。
この年、ライラックの花は、6月になっても咲き誇っていたらしい。
冒頭の詩は、大通公園の文学碑となるくらい市民に愛されている。

もっとも、ライラックまつりで大通公園が賑わう中で、吉井の文学碑は取り残された感じが強い。
本来であれば、まさに主役級のアイテムだと思うのだけれど。
文化置き去りの平成版ライラックまつりの象徴とも言うべきか。

せめてもう少しライラックの花に囲まれていれば、文学碑も浮かばれるのではないだろうか(笑)

ところで、来札時、69歳だった吉井勇は、明治時代の友人・石川啄木を思い出している。
「紋付の木綿羽織の色の褪せし」は、東京時代の啄木の記憶を詠んだものだろう。
吉井勇にとって、あるいは札幌の旅は、遠い啄木を偲ぶ旅だったのかもしれない。


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by kels | 2016-05-22 20:23 | 札幌文学散歩 | Comments(0)

ライラックまつりというのは、こんなにも食べたり飲んだりするようなイベントだっただろうか

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昨日今日と、大通公園のライラックまつりを観て歩いた。
ライラックの花は、まさに今が見ごろの満開である。
夏のような気温とあって、会場はたくさんの来場者で溢れていた。

旅行者らしい女性の声が聴こえる。
「ライラックまつりって、こんなに大きなイベントなんだね」
知らない人が見れば、確かに驚くくらいの華やかさである。

公園内にあるライラックの花を、ゆっくりと観て歩く。
実際、こんなに条件の整ったライラックまつりというのは、意外と珍しいのだ。
寒かったり、ライラックの花がなかったり、雨だったりと、札幌の5月は気まぐれだから。

会場内を歩きながら、確かに随分と人が多いやと、僕は思った。
ライラックまつりというのは、こんなにも人の多いイベントだっただろうか。
気のせいかもしれないけれど、少し前のライラックまつりとは、どこか変わったような気がする。

そもそも、ライラックまつりというのは、こんなにも食べたり飲んだりするようなイベントだっただろうか。
何となくもっと文化的なイベントだったような気がするのだけれど。
人が集まれば、それに勝る正解はないということなのかもしれない。


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by kels | 2016-05-22 19:38 | 夏のこと | Comments(2)

ラッキーライラックを、今年も見つけた。いつもの年より苦労したけれど。

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見つけたからどうということもないのだけれど、見つけるとうれしいラッキーライラック。
ライラックの花が咲くと、つい探し始めて、みつからないと何となくもやもやする。
そんなラッキーライラックを、今年も見つけることができた。

今年は、いつもの年より苦労したけれどね。


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by kels | 2016-05-22 07:04 | 夏のこと | Comments(0)

今年もまた、ライラックの花を見て、僕はささやかな幸せを感じている。

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札幌の街は「さっぽろライラックまつり」で賑わっている。
昨日の土曜日は快晴で、おまけに夏のような暑さだった。
大通公園は、久しぶりに見る人の多さだ。

ライラックの花は、既に見頃である。
早い花は、既に枯れ始めているくらいだ。
まさに、最高の「ライラックまつり日和」である。

「この花をライラックと言うそうです」
写真を撮っている僕の背中で、男性の声がした。
内地から来たらしいその男性は、「昨日、初めて知りました」と連れの女性に笑った。

夏の装いをした人たちが、ライラックの花を見て歓喜の声をあげる。
札幌が、一番良い季節になったことを知らせてくれる声だ。
今年もまた、ライラックの花を見て、僕はささやかな幸せを感じている。


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by kels | 2016-05-22 06:59 | 夏のこと | Comments(0)