<   2016年 01月 ( 23 )   > この月の画像一覧

判官島義勇が、初めて北海道を訪れたのは、明治2年の晩秋のことだ

b0103470_19423396.jpg

「静かな夜じゃな。いつもこうかな、蝦夷地は」
暫くして、ぽつりと判官が口を切った。
「はあ、今宵あたりは雪かもしれませぬ」
辺りはばかるような誰かの声があったきり、座は再び沈黙に落ちた。

「札幌開府」寒川光太郎(1941年)

判官島義勇が、初めて北海道を訪れたのは、明治2年の晩秋のことだ。
これから冬がやってくるという季節の北海道である。
寒くないはずも、恐ろしくないはずもなかっただろうと思う。

まして、現代より150年も昔の北海道のことだ。
気温は現代よりも低く、雪が現代よりも多く積もった。
防寒に対する知識も道具も、極めて素朴なものだったに違いない。

原始林と原野の土地を切り拓いて、新しい街を作り上げる。
今、考えてみても、これはとてつもなく壮大で、夢を見るのに近い大プロジェクトである。
そのプロジェクトの総責任者が、島判官だった。

原野の雪の中で、島判官が思い描いた北海道の未来は、どのようなものだっただろうか。


にほんブログ村 地域生活(街) 北海道ブログ 札幌情報へ
にほんブログ村
↑↑↑↑↑
「にほんブログ村」に参加をしてみました。
1日1回のクリックをお願いいたします!
by kels | 2016-01-31 20:18 | 旧・札幌日和下駄 | Comments(0)

未来の自分のための覚書として、1か月の買い物記録を書いておこう

b0103470_1819347.jpg

彼女は可愛かった。
背が低く、しまった体つきで、金髪をお下げにしており、スミレ色の目は大きく、唇がちょっと腫れぼったい感じだ。
化粧が濃すぎるし、「私を見ないで」といった感じをたたえていながら、化粧と衣類が「私を見て!」と叫んでいる。

「ペイパー・ドール」ロバート・B・パーカー

最近はファッション関係の写真も、インスタグラムでアップしている。
自分の記録的な意味も含めて、1か月分の記録を、ブログにも書いておこうと思う。
未来の自分のための覚書として。

ということで、今月の買い物を思い付くままに。

正月のセールは、羽田空港まで移動する途中の池袋パルコの「マーガレット・ハウエル」にて。
ボーダーシャツ2枚と靴下を1枚。
時間が限られていたので、とにかく最低限の買い物だけを済ませた。

札幌に戻ってからは、「ナノ・ユニバース」でポケット付きのボーダーシャツ。
「アーバン・リサーチ・ドアーズ」でもボーダーシャツを購入。
毎日ボーダーを着ないと、元が取れない(笑)

「ビューティー&ユース」では、「オーチバル」のタートルネックを、またまたボーダーで。
オリジナルの黒いスエードのスニーカーと、「リーボック」の白いスエードのスニーカー。
B&Yでも、意外とセールで買い物をしていた。

「レイジブルー」で、ネイビーのニット帽と黒いスヌード。
最近は、マフラーよりもスヌードの出番が多くなってしまった。
あと1か月も使えるかどうか。

「ジーユー」で、定番グレーのパーカー。
そう言えば、「ジーユー」で買い物をしたのは、久しぶりかもしれない。

「グラミチ」の黒いニューナローパンツは、ネットで購入。
履き心地が良いので、色違いでの購入を検討中。
A.P.C以外のボトムスを買うのは、実はすごく久しぶりだったりする。

セールでは買い物をしないと言いながら、気がつけばちょこちょこと買い物をしている。
まあ、クローゼットの隙間を埋めるような買い物が中心なんだけれど。
細かいものとは言え、またモノを増やしてしまったと、少し反省(笑)

これからは春物の検討が始まる季節。
実は今日もステラプレイスをフラフラしながら、危なく春コートを衝動買いするところだった。
(「ダントン」のベージュコートがほしいと、ずっと思っている)

まあ、春のコートは、じっくりと慎重に選ぼう(と、自分に言い聞かせて)。


にほんブログ村 地域生活(街) 北海道ブログ 札幌情報へ
にほんブログ村
↑↑↑↑↑
「にほんブログ村」に参加をしてみました。
1日1回のクリックをお願いいたします!
by kels | 2016-01-31 18:46 | 旧・札幌日和下駄 | Comments(0)

今年の札幌の1月は、どうやら穏やかに過ぎ去ったと言っていいようだ

b0103470_6552717.jpg

翠が送って出て扉を開け、「まあ、ひどい雪ですわ」と弾んだ声をあげた。
羽毛のような、大きなやわらかい雪が、いちめんに真っ白く降っていた。
ふわふわと空に浮いているような静かなゆっくりした降りかたで、しかもたちまちのうちに地に積もる、綿のような雪であった。

「私の絵本」船山馨(1940年)

今年の札幌の1月は、どうやら穏やかに過ぎ去ったと言っていいようだ。
真冬日こそ続いたとは言え、ひどい「ドカ雪」がなかった。
真冬の札幌として、これはある意味奇跡だと思う。

それに、真冬日が続くと言っても、ひどい寒さの日が少ないような気がする。
「水道凍結に注意してください」というテレビのテロップを、ほとんど見ていない。
もっとも、テレビを観ない生活だから、実際にはテロップも流れているのかもしれないが。

太陽の光が射すと、凍結路面も溶けてしまい、乾いたアスファルトが現れる。
中心部では歩道にも雪がないから、普通のスニーカーで歩くことができる。
おかげで、今年の冬は、スニーカーを履いて出かけることが多い。

地元民にはありがたい冬だが、観光客には物足りない冬かもしれない。
JRの運休が少なくなっただけ、幸運な冬だったと考える方がいいだろうけれど。


にほんブログ村 地域生活(街) 北海道ブログ 札幌情報へ
にほんブログ村
↑↑↑↑↑
「にほんブログ村」に参加をしてみました。
1日1回のクリックをお願いいたします!
by kels | 2016-01-31 07:34 | 旧・札幌日和下駄 | Comments(0)

今月のカフェ記録をまとめてみた

b0103470_21284071.jpg

私は足台に脚をのばして、深い椅子に半ば腰をかけ、半ば横たわっていた。
私はブラックのコーヒーを2杯飲んでから、ウイスキーを一杯飲み、半熟の卵を二つとトーストを一枚砕いて食べ、それから、今度は、コーヒーにブランディを入れて飲んだ。

「さらば愛しき女よ」レイモンド・チャンドラー/清水俊二・訳(1940年)

最近、カフェの記録はインスタグラムに譲っている。
カフェの記録ばかり書いていると、カフェブログになってしまう(笑)
ブログでは、ある程度、まとめ的にカフェのことについて記しておきたい。

ということで、今月のカフェに関する記録をまとめておこう。
ちなみに、仕事で利用した喫茶店やカフェは、ここでは登場しない。
あくまでも、休日にプライベートで利用したカフェの記録である。

2016年のカフェ初めは、羽田空港の「スターバックスコーヒー」だった。
エア・ドゥが、突然に欠航したときのことである。
欠航が決まるまでの間、スタバの白いラテを飲みながら時間を潰した。

札幌東急の「マザー・リーフ」で迎春ワッフルと紅茶。
デパートの中のカフェに入ることは珍しい。
年輩のお客さんが多くて、年代を問わずカフェって人気なんだなあと思った。

「サタデーズ・チョコレート」でホットチョコレート。
イートインだけれど、意外と落ち着ける。
ホットチョコを一杯飲むには、ちょうど良いのかもしれない。

ステラプレイスの「スタバ」で食べたサンドイッチ。
早朝から出かけていて、珍しく主食的な朝食を食べた。
グランドホテル店がまだ開いていなくて、ステラプレイスまで移動した。

赤れんがテラスの「カフェ・ヨシミ」。
早朝から営業しているのが良いところだが、、、

ステラプレイス2Fの「スタバ」。
札幌の「スタバ」の中では、比較的落ち着けるので好きな店だ。

「ハリネズミ珈琲店」は、すっかりとマイ定番になった。
本当に好きなお店のひとつ。
夜遅くまで営業しているのもありがたい。

「倫敦館」のモーニングコーヒー。
札幌で美味しいモーニングコーヒーを飲もうと思ったら、意外とお店が限られてくる。
ここは、朝9時から営業。

「ホールステアーズカフェ」も、朝9時から営業。
デパートが開店するまでの時間を、ここで過ごすことも多い。
朝から営業しているお店って、本当に貴重です。

札幌パルコの「スタバ」。
パルコが開店するまで、ここで時間を潰すことも多い。
「スタバ」の良いところは、朝早くから営業しているってことなんだなあと思った。

「アトリエ・モリヒコ」でも、「朝のコーヒー」を注文した。
だけど、ここは午前11時から営業開始で、既に朝のコーヒーじゃない(笑)
昔は午前10時開店だったのですが。

「森彦本店」は超人気店なので、平日の夜に行くことが多い。
本店限定の「森の雫」が大好きなので、お代わりしてしまった。
僕が、コーヒーをお代わりする店は、多分ここだけだと思う。

「アンド・コーヒー」でショコラパフェ。
昭和レトロな喫茶店も少なくなってしまったあと、しみじみ。

ということで、今月のカフェ記録。
週末の楽しみといったら、カフェくらいしかないからね(特に冬は)。
あ、まだ明日一日あったか(笑)


にほんブログ村 地域生活(街) 北海道ブログ 札幌情報へ
にほんブログ村
↑↑↑↑↑
「にほんブログ村」に参加をしてみました。
1日1回のクリックをお願いいたします!
by kels | 2016-01-30 22:18 | 旧・札幌日和下駄 | Comments(0)

今は、白湯、ヨーグルト、季節の果物が、僕の朝食である

b0103470_18163933.jpg

朝食は必ず飯を食べる。
五十年ほど前、アメリカが日本に小麦粉を売りつけるための謀略で、日本のある有名人に「米を食うと馬鹿になる」と宣伝させたことがある。
愚かな日本人はその言葉を信じて、米飯を食うのをやめて、パンを食い始めたのだった。
ぼくはそのことで頭にきて、ムキになって米ばかり食い続けてきた。

「魚党」小檜山博(2004年)

僕も朝食と言えば、和食派の人間だった。
米飯に味噌汁がお約束で、副食は、焼き魚でもハムエッグでも何でもあり。
おかずがなければ、ふりかけだけでも食事ができた。

最近は、すっかりと正しい朝食を取らないようになってしまった。
本格的な肉体改造に取り組んだ際に、食生活も徹底的に見直したからだ。
別に、和朝食が嫌いになったというわけではない。

今は、白湯、ヨーグルト、季節の果物が、僕の朝食である。
最初の頃は、こんな食事で午前を乗り切ることができるわけがないと思った。
慣れてしまうと、これだけの食事でも十分だという気がしてくる。

そもそも、忙しい朝に、ゆっくり食事をしている暇がないという裏事情はある。
毎朝6時半には家を出なくてはならない。
それまでに、簡単な筋トレをして、風呂に入って、朝食を取るのが、僕の朝の日課である。

ゆっくりできる時間があるのだったら、朝の和定食が理想的だと思う。
バタバタしている時間の中で、無理やり米の飯を詰めこんでも、あまり良いことではない。
朝食を取らないのは健康にも良くないから、ヨーグルトと果物の出番というわけだ。

おかげで、毎日きちんと乳製品とフルーツを摂取することができるようになった。
もう2年近くになるが、体調はすこぶる健康で、健康診断もクリアできるようになった。
何より理想的な体重を維持できていることがうれしい(笑)

もちろん、朝のご飯は未だに大好きなので、週末にはきちんとした食事を取ることがある。
旅行に出かけたときなども、朝ごはんは何よりの楽しみだ。
ゆったりとしている時間の中で食事を取るということが、一番大切なことなのかもしれないなあ。


にほんブログ村 地域生活(街) 北海道ブログ 札幌情報へ
にほんブログ村
↑↑↑↑↑
「にほんブログ村」に参加をしてみました。
1日1回のクリックをお願いいたします!
by kels | 2016-01-24 18:36 | 旧・札幌日和下駄 | Comments(0)

有島武郎の「小さき者へ」は、切なすぎると同時に美しすぎる作品だ

b0103470_7123635.jpg

いよいよH海岸の病院に入院する日が来た。
お前たちの母上は全快しない限りは死ぬともお前たちに逢わない覚悟のほぞを堅めていた。
二度とは着ないと思われる――そして実際着なかった――晴着を着て座を立った母上は内外の母親の眼の前でさめざめと泣き崩れた。
女ながらに気性の勝ぐれて強いお前たちの母上は、私と二人だけいる場合でも泣顔などは見せた事がないといってもいい位だったのに、その時の涙は拭くあとからあとから流れ落ちた。

「小さき者へ」有島武郎(1918年)

最近は、「小学生のボクは鬼のようなお母さんにナスビを売らされました」という名前の絵本が売れているらしい。
病気だった母親が、自分の泣き顔を見せたくないために、小学生の子どもになすびを売りに出かけさせるという話だ。
もちろん、作者がなすび売りの理由を知ったのは、母親の死後のことである。

どんな親でも、子を思う心に変わりはない。
小さな子供を残して逝かねばならない母の心は、どれだけ無念のことだっただろうか。

有島武郎の「小さき者へ」には、幼い子どもたちを残して死んでいく母親の無念が、父親である有島の筆を通して、次から次へと溢れ出ている。
切なすぎると同時に、美しすぎる作品だ。

札幌、東京、鎌倉と、病気の妻を連れて移転した有島の生活を、作品では知ることができる。
幼い子ども3人を連れた家族の絆の強さが、文脈のあちこちから伝わってくるが、病魔は容赦なく妻の命を切り刻んでいく。
壮絶であるが故に、すべてを子どもたちに伝えたいと、作者は考えたのだろうか。


にほんブログ村 地域生活(街) 北海道ブログ 札幌情報へ
にほんブログ村
↑↑↑↑↑
「にほんブログ村」に参加をしてみました。
1日1回のクリックをお願いいたします!
by kels | 2016-01-24 07:23 | 旧・札幌日和下駄 | Comments(0)

道庁赤れんが庁舎前の「北3条広場」も、すっかりと札幌の街に馴染んだらしい

b0103470_0422971.jpg

ビル・ラッシュも相当のものである。
すこし外出をひかえていると、思わぬところに九階建てのビルができあがりかけている。
工事中の板がこいが方々にあるので、完成するまでそれと気づかぬのかもしれない。
札幌軟石やレンガを使った古風な洋風の建物は次々に姿を消していく。
名物の時計台もビルの谷間に、窮屈そうに埋まっている。
つい最近は、中央郵便局の新庁舎ができて、ロシア式のどっしりした古い庁舎は取り壊される運命にある。

「スモッグの町」原田康子(1962年)

道庁赤れんが庁舎前の「北3条広場」も、すっかりと札幌の街に馴染んだらしい。
新しいビルに囲まれた広場は、まさに札幌の新名所である。
赤れんがの目の前だから、既に多くの観光客が訪れている。

夜になるとイルミネーションが輝くから、わざわざ出かけていくだけの価値はある。
しかも、ここのイルミネーションは、次々と色が変化していく最新式のやつだ。
真冬の寒ささえ我慢できれば、札幌旅行の素晴らしい思い出にはなると思う。

明治時代の赤レンガ庁舎と現代的な高層ビルのコントラストも美しい。
いかにも、札幌の街を象徴するような空間だ。
札幌市時計台と違って、計算された街づくりが成功した事例なのかもしれない。

ビルは地下歩行空間につながっているから、移動は意外と簡単である。
氷点下の屋外を歩いて移動する必要性は、ほとんどない。
こんなところにも、札幌の現代らしさがあるんだなあと感じてしまう。


にほんブログ村 地域生活(街) 北海道ブログ 札幌情報へ
にほんブログ村
↑↑↑↑↑
「にほんブログ村」に参加をしてみました。
1日1回のクリックをお願いいたします!
by kels | 2016-01-24 01:01 | 旧・札幌日和下駄 | Comments(2)

今夜は、札幌の創成川公園でささやかな冬のキャンドル・イベントが開催されていました

b0103470_020635.jpg

ああ 雪のあらしだ。
家々はその中に盲目になり 身を伏せて 埋もれてゐる。
この恐ろしい夜でも そっと窓の雪を叩いて外を覗いてごらん。
あの吹雪が 木々に唸って 狂って 一しきり去った後を
気づかれない様に覗いてごらん。
雪明りだよ。
案外に明るくて もう道なんか無くなっているが しずかな青い雪明りだよ。

伊藤整「雪夜」(1926年)

釧路では、石川啄木に因んだ冬のキャンドル・イベントが始まりました。
その名も「「啄木・雪あかりの町・くしろ」」。
もちろん、「さいはての駅に下り立ち/雪あかり/さびしき町にあゆみ入りにき」の作品に由来しています。

小樽の「雪あかりの路」の釧路版といったところでしょうか。
伊藤整とか石川啄木とか、古い文人に因んだイベントって大好きです(笑)
それに、冬に文学って何だか合いますから。

ところで今夜は、札幌の創成川公園でささやかな冬のキャンドル・イベントが開催されていました。
その名も「創成川 まちの灯り」。
うーん、「文学」のないのが寂しい(個人的な嗜好ですが)笑

会場の創成川公園は、さっぽろテレビ塔や狸小路に近く、いかにも都会的な夜景に囲まれています。
札幌のキャンドル・イベントらしくていいなあと思います。
創成川も流れていたりと周辺環境も良いし、意外と穴場的なイベントかもしれませんね。


にほんブログ村 地域生活(街) 北海道ブログ 札幌情報へ
にほんブログ村
↑↑↑↑↑
「にほんブログ村」に参加をしてみました。
1日1回のクリックをお願いいたします!
by kels | 2016-01-24 00:40 | 旧・札幌日和下駄 | Comments(0)

集まったメンバーが、声を揃えて、「ススキノは久しぶりだ」と言った

b0103470_2134743.jpg

食物は酒を飲む人のように淡泊な物は私には食えない。
私は濃厚な物がいい。支那料理、西洋料理が結構である。
日本料理などは食べたいとは思わぬ。
もっとも此支那料理、西洋料理も或る食通と云う人のように、何屋の何で無くてはならぬと云う程に、味覚が発達しては居ない。
幼稚な味覚で、油っこい物を好くと云うだけである。
酒は飲まぬ。日本酒一杯位は美味いと思うが、二三杯でもう飲めなくなる。

「文士の生活」夏目漱石(1914年)

新年会というわけでもないのだろうけれど、今週は飲み会が多かった。
特に昨夜は金曜日ということもあって、とうとう終電を逃してしまった。
飲んでいると、時間はあっという間に過ぎてしまう。

タクシーに乗ると、運転手は「今夜は人が多いですね」と言った。
金曜日だからだろうと言うと、新年会かもしれませんねと、彼はつぶやいた。
「ススキノも本当に人が少なくなって」と、彼は言う。

実際、ススキノに出るのは、しばらくぶりのことだった。
最近は、札幌駅周辺や大通辺りにも飲食店は多いから、大抵は近場で済ませてしまう。
そういうビジネス街には、気軽で安い店も多い。

集まったメンバーが、声を揃えて、「ススキノは久しぶりだ」と言う。
ビジネスマンには、近場の安酒場がお似合いということなのかもしれない。
それなりに社会的地位のある人たちの集まりとは言え。


にほんブログ村 地域生活(街) 北海道ブログ 札幌情報へ
にほんブログ村
↑↑↑↑↑
「にほんブログ村」に参加をしてみました。
1日1回のクリックをお願いいたします!
by kels | 2016-01-23 21:16 | 旧・札幌日和下駄 | Comments(0)

コーヒーや紅茶には、砂糖を入れて飲むことが当たり前だった時代の話だ

b0103470_6563148.jpg

奥さんは飲み干した紅茶茶碗の底を覗いて黙っている私を外さないように、「もう一杯上げましょうか」と聞いた。
私はすぐ茶碗を奥さんの手に渡した。
「いくつ? 一つ? 二ッつ?」
妙なもので角砂糖をつまみ上げた奥さんは、私の顔を見て、茶碗の中へ入れる砂糖の数を聞いた。
奥さんの態度は私に媚るというほどではなかったけれども、先刻の強い言葉をつとめて打ち消そうとする愛嬌に充みちていた。

「こころ」夏目漱石(1914年)

コーヒーや紅茶に付きものの台詞が「いくつ?」。
コーヒーや紅茶には、砂糖を入れて飲むことが当たり前だった時代の話だ。
喫茶店の砂糖壺が、テーブルの上には置かれたままになっていた。

緊張している場面では、「いくつ?」と訊かれて自分の年齢を答えたりした。
その返事に、相手の女性が笑いだして緊張がほぐれる。
日本の映画やドラマでは、そんなシーンが多かったような気がする。

大正3年に発表された「こころ」の中にも、砂糖の数を訊ねる場面が登場する。
紅茶茶碗で紅茶を飲む習慣が、一般家庭の中にも定着していたということだろう。
そして、紅茶には砂糖が付きものの時代だったのだ。

こういう小説を読むと、僕は大正時代の紅茶茶碗がほしくなる。
実際に、明治時代や大正時代の食器を、ずいぶん集めてきた。
そうすることで、少しでも小説の世界に近づきたいと思っていたのかもしれない。


にほんブログ村 地域生活(街) 北海道ブログ 札幌情報へ
にほんブログ村
↑↑↑↑↑
「にほんブログ村」に参加をしてみました。
1日1回のクリックをお願いいたします!
by kels | 2016-01-23 07:15 | 旧・札幌日和下駄 | Comments(2)