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「ブルックス・ブラザーズ」に行って、父親の誕生日プレゼントを買ってきた

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週末、「ブルックス・ブラザーズ」に行って、父親の誕生日プレゼントを買ってきた。
父は関東で暮らしているので、プレゼントは郵送しなければならない。
いつも誕生日直前になってからバタバタするのだけれど、今年は珍しく余裕を持ってプレゼントを用意することができた。

プレゼントを何にするかはいろいろと迷ったけれど、結局、ポロシャツとTシャツを1枚ずつ買った。
普段使いにできるような服の方がいいだろうと思ったからだ。
その代わり、デザインは僕が自分でも着たいと思えるような明るくて今風のものにした。

考えてみると、父に洋服を贈るのは、これが初めてかもしれない。
昨年は折り畳み傘(バーバリー)だったし、一昨年は万年筆(パーカー)だった。
珍しいものを送ってよこしたと、父はきっと思うだろう。

僕の父は、洋服に対する好みの非常に激しい人だった。
母がその辺の店で買ってきたセール品などは絶対に着なかったし、自分で買ってきたものでさえ、着てみて気に入らなければ二度とは袖を通さなかった。
そのお陰で、随分と僕は、父からの貰い物の洋服を持っていたくらいだ。

父は特定のデパートの特定の店以外では買い物をしなかった。
母親が普段買い物をしている近所の洋服屋なんて、父には存在していないも同然だったのだろう。
だから、僕たちも父に対して洋服を贈るといった習慣がなかったのだと思う。

鮮やかにインディゴブルーのボーダーの入ったTシャツを眺めながら、僕は、これが最初で最後のTシャツかもしれないなと思った。
あるいは父は、このTシャツに僕に送り返してよこすかもしれない。
「これは、お前が着たらいいよ」とか言いながら。

そのときは、遠慮なくもらってしまえばいいだけのことだ。
プレゼントは気持ちだし、洋服の好みもまた人それぞれである。
だけど、父のサイズに合わせたTシャツ、僕には少し大きすぎるかもしれないなあ。


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by kels | 2014-04-18 19:35 | ファッション | Comments(4)

札幌市民kelsがお勧めする札幌の王道的観光名所ベスト5(後半戦)

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地元・札幌市民の筆者が紹介する札幌の観光名所シリーズ第2弾。
今回は、前回のベスト5に続く王道的観光名所を紹介したい。
前回のと合わせると、王道的札幌の観光名所ベスト10が完成するってわけ。

◆北海道大学構内

大学構内が観光名所という素晴らしい北海道大学。
かつて観光名所だったポプラ並木は残念ながら過去のもの。
それでも、歴史的建造物あり、北海道的風景ありで、観光名所としての存在感は十分だ。
構内は広いので、じっくりと観たい人は、時間をたっぷりと取ろう。
お腹が空いたら学食「クラーク食堂」で。

◆中島公園

風光明媚な公園で、大昔から札幌の観光名所として知られてきた。
大きな池とたっぷり緑を楽しむことのできる公園。
「札幌じゃなくてもありそうだね」という声が聞こえてきそうだけれど。
ホテルから近い人は散策してみる価値あり。

◆北大植物園

札幌駅や道庁赤レンガ庁舎からすぐのところにある植物園(有料)。
明治時代の札幌が、そのまま残されている。
博物館や記念館など歴史的建造物もあり、展示内容も充実している。
地味だけれど、意外とお勧めなので、だまされたと思ってどうぞ(笑)

◆大倉山展望台

藻岩山のライバルで、昼の眺望も夜景もともに見応えがある。
ジャンプ台やウィンタースポーツミュージアムなど、藻岩山にはないアクティブな魅力がある。
小さな子供がいたら、絶対にこっちの方が楽しいはず。
コストパフォーマンスは藻岩山よりも上かもね。

◆北海道開拓の村

開拓時代を再現した一大アミューズメントパーク。
リアルな歴史的建造物が建ち並ぶ景色は、やっぱりすごい。
ゆっくりと観て歩くと、あっという間に一日が終わってしまう。
建築マニアはもちろん、レトロファンは絶対に行かなくちゃ。
食堂のメニューにも開拓時代の北海道を感じることができる。


以上、地元・札幌市民のkelsがお勧めする札幌の王道的観光名所ベスト5(続編)。
前回と合わせてベスト10が出揃ったので、観光コースの柱はこれで組めるはずだ。
全部を回る必要はないけれど、この中のいくつかを回っておくと、札幌に行ったなあという気持ちが充たされるに違いない。

さて、札幌の観光名所は、実は王道以外にも楽しいところがたくさんあることを御存知だろうか。
次回は、あまり王道じゃない観光名所を紹介しちゃうよ。
その気になれば、札幌の見所は尽きないほどなんだから。


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by kels | 2014-04-16 21:55 | 札幌のこと | Comments(5)

そして僕は、来る日も来る日もビリー・ジョエルばかり聴き続けている。

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近所の「ブックオフ」で、ビリー・ジョエルのCDを買ってきた。
1985年発売「ビリー・ザ・ベスト1&2」。
初期ビリー・ジョエルのエッセンスがびっしりと詰めこまれている。

僕は、このCDを買うために、わざわざ「ブックオフ」まで行ったのだ。
当時人気盤だったらしく、CDはちゃんとあった。
しかもセール実施中だったので、300円引きで買うことができた。

僕がこのCDを買うのは、これが2回目である(多分)。
ずっと昔にも僕はこのCDを買って、ビリー・ジョエルを聴いていたのだ。
そして、いつか飽きてしまって、どこかで処分してしまった。

久しぶりのビリー・ジョエルを僕は、とても懐かしい気持ちで聴いている。
もちろん、ビリー・ジョエルのヒット曲なんだから、どれも懐かしいものばかりである。
メロディと演奏との隙間からは、「あの頃」が絶え間なくこぼれ続けていた。

毎日とてものんびりしていた
でももう、明暗様々な街の暮らしが恋しいんだ
ニューヨーク・タイムス、デイリー・ニューズ、、、
現実の煩雑さそのままだ
でもそれが僕にはいい
別にわけなどないんだ
ニューヨークのことばかり考えている

「ニューヨークの想い」ビリー・ジョエル(1976年)

そして僕は、来る日も来る日もビリー・ジョエルばかり聴き続けている。
気にかかるのは、あの時代のニューヨークのことばかり。
遠すぎるんだ、ニューヨークも1980年代も。





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by kels | 2014-04-15 22:27 | 音楽 | Comments(2)

コーヒーをテイクアウトするとき、そのコーヒーはスターバックスコーヒー以外にない

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テイクアウトのコーヒーはスターバックスコーヒー。
今の僕にとって、これはもうほとんど絶対みたいな暗黙のルールである。
テイクアウトのコーヒーはスターバックスコーヒー。

カフェや喫茶店は、いろいろとお気に入りの店を持っている。
スタバのように都会的で現代的なカフェも好きだし、レトロで昭和的な喫茶店も好きだ。
だけど、コーヒーをテイクアウトするとき、そのコーヒーはスターバックスコーヒー以外にない。

そもそもスタバの最大の功績っていうのは、テイクアウトのコーヒーをカッコイイものにしたことだと、僕は考えている。
スタバの店内は、いつでもたくさんのお客さんで賑わっているけれど、本来的にスターバックスコーヒーは、テイクアウトで飲むべきものなのだ。
歩きながらコーヒーを飲む文化が、日本ではまだ完全には根付いていないかもしれないけれど。

僕が思うのは、スターバックスコーヒーは、日本の様々な景観にも、意外とマッチするのではないかということだ。
やたらにアメリカ的なスターバックスコーヒーと、アジアの小さな北の街とのコラボレーション。
悪くない。

だけど、いつでも、どこでも、お気に入りのコーヒーを飲むことができるっていうのは、幸せな時代だよね。
カメラとスターバックスコーヒーと北の街と。
その幸せを、ぼんやりとでもいいから、写真に撮ることができたなら、これは最高だ。


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by kels | 2014-04-15 20:30 | カフェ・喫茶店 | Comments(4)

札幌市民kelsがお勧めする札幌の王道的観光名所ベスト5

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「札幌の有名な観光スポットを教えてください」と訊かれることが多い。
札幌は一応観光都市としての活動を行っているので、たくさんの観光スポットがある(ことになっている)。
ということで、地元・札幌市民である筆者が考えた札幌の観光名所をご紹介しよう。

観光名所の考え方はいろいろとあるけれど、今回は、王道的札幌の観光名所を並べてみたい。
これだけ行っておけば「札幌観光をした」と自慢できる名所ばかりだ。
マニアックな観光スポットについては、また別の機会にでも語りたいと考えている。

◆さっぽろ時計台

札幌中心部にあり、札幌駅からも歩いて行けるので、絶対に行っておきたい。
せっかくなので館内展示(有料)も見学してほしいところだが、時間がなかったら外観の写真を撮るだけでもオーケー。
毎正時に鐘が鳴るので、時間調整していくことを忘れずに(鐘の音は絶対聴いて)。
道路沿いに建っているので、写真を撮るだけだったら、早朝でも深夜でも大丈夫。

◆北海道庁赤レンガ庁舎

館内展示も無料で見学できるので、コースには絶対に入れたい。
旅人は、まず外観の写真を撮ってから、館内の展示を見学している場合が多い。
トイレやベンチもあるので、休憩場所としても利用可能。

◆大通公園

公園を一つあげるなら、絶対に大通公園。
思い切り札幌中心部なので、早朝にホテルから散策しても気持ちいい。
どうせだったら、噴水に腰かけながらトウキビを食べよう。
天気の良い夏の日には、芝生の上でお弁当を食べるのも最高。
余裕があったら、札幌テレビ塔の展望台にも上ってみたい(有料だけどね)。

◆藻岩山展望台

古くから札幌の観光名所と言えば藻岩山だった。
新しくなったロープウェー(有料)で、展望台まで移動できる。
せっかくなら夜に昇って、北海道三大夜景の一つに数えられる札幌の夜景を見るべし。
札幌の夜景を見るんだったら、まずはここです。

◆羊が丘展望台

とても札幌市内とは思えないほど、雄大で牧歌的な北海道的風景が広がる。
道東や道北へ行く予定がない場合は、ここで北海道的風景を体験しておいた方がよい。
ただし、札幌中心部からかなり遠いので、時間には余裕を持って。
お勧めは夕焼けの時間帯。
羊もいるよ。

以上、札幌市民kelsがお勧めする札幌の王道的観光名所ベスト5。
内容的には、歴史的建造物が2つ、公園が1つ、展望台が2つ、立地的には、中心部が3つ、郊外が2つ。
意外とバランスよくまとまったと思うけどね。

続きもやるよ。


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by kels | 2014-04-15 19:56 | 札幌のこと | Comments(6)

女の子とデートをするっていうのは、日常生活の中の大きな幸せの一つである

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女の子とデートをするっていうのは、世の男性にとって日常生活の中の大きな幸せの一つである。
特別な思いがあってもなくても、女の子と一緒に出かけて、一緒に何かをするっていうのは、やっぱり楽しい。
これはきっと女性も同じなのではないかと、僕は思う。

ところで、デートには2つのパターンがある。
「今から出てこないか?」というやつと「次の週末、一緒にどう?」というやつである。
デートの醍醐味を十分に味わえるのは、やっぱり「次の週末、一緒にどう?」パターンである。

思うに、デートというのは、約束をしてから待ち合わせの場所へ到着するまでが、一番ワクワクしてドキドキするのではないだろうか。
どんな服を着ていこうとか、どこへ行こうとか、どんな話をしようとか、何を食べようとか、デートの約束をした後は、その日のプランのことばかり考えて全然落ち着かない。
こういう気分の高揚感というのは、女の子とのデート以外では、実はなかなか味わうことができないものなのだ。

だから、デートというのは、できれば事前のアポイントメントを取った方がいい。
退屈な日曜日に「今から出てこないか?」というのも楽しいんだけれど、「ごめんさない、今日はちょっと」とか言われてしまうと、せっかくの日曜日が台無しになったようで悲しい。
女の子にだって、いろいろな予定があるだろうし、お互いのスケジュール調整は大切である。

子供の頃、僕は旅行の直前になると体調を悪くしてしまうタイプの子供だった。
旅行に対する気持ちの高揚感が強すぎて、緊張から具合が悪くなってしまうのでしょうと、医者は言った。
だから、旅行に出かけるときも両親は、出発する段階まで、僕に予定を話したりはしなかった。

スタートするまでの高揚感を敏感に感じ取る性格は、小さな子供の頃から何も変わっていないらしい(笑)

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by kels | 2014-04-14 21:58 | 随想 | Comments(4)

リニューアルオープンした札幌中央図書館へ行ってきた

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週末、札幌中央図書館へ出かけた。
今月初めにリニューアルオープンしてから、これが初めての訪問である。
図書館は一体どんなふうに変わったのだろうか。

今の部屋で暮らすことになったきっかけも中央図書館だった。
以来、毎月2回は図書館を訪れて、本を借りる生活を続けている。
何度も何度も借りて、まるで自分の蔵書みたいになっている本もあるくらいだ(笑)

開館時間ちょうどに到着すると、既にたくさんの人がロビーに並んでいて、ゾロゾロと入室しているところだった。
世の中には図書館を好きな人たちっていうのが、本当にたくさんいるのだ。
そして、僕もそういう人たちの中の一人なのかもしれない。

さて、今回のリニューアルのポイントは、中央図書館の公式サイトでも紹介されている。

2階に配置している「歴史」「社会科学」に関する本を1階に集約し、1階を一般図書貸出のフロア、2階を調べもの相談対応のフロアにエリア分けを行いました。
また、平成26年度からは試行的に、持参資料を使った自習が可能なスペースを2階読書室及び南側窓席に設置します。
※席数には限りがあり、混雑時には利用をお断りすることがあります。
詳しくは、カウンターの職員までお尋ねください。
※中央図書館1階及び地区図書館や図書室などでは、従来通り、自習については原則お断りしていますので、ご注意ください。

中央図書館の公式サイトより

従前、図書の貸し出しは、1階と2階のそれぞれのフロアで行っていた。
だから、いろいろなカテゴリの本を借りたいときは、1階と2階それぞれで手続をしなければならなかったのだけれど、今後は1階でほとんどの用事が済んでしまうということらしい。
そのため、かつては2階に並べられていた本が、1階へと移動になっていて、図書の置き場自体が大きく変わっている。

1階にもたくさんあった閲覧用の机がかなり縮小されて、本当にたくさんの図書が1階フロアに集約されているといった印象だ。
僕の場合、1階にも2階にも読みたい本があったから、フロアが集約されたのは非常に助かるし便利だ。
とにかくたくさんの本を借りたいと思う人にとっては、なかなか良いリニューアルになったのではないだろうか。

本の場所が変更になっているので、慣れるまでは時間がかかりそうだけれどね(笑)


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by kels | 2014-04-14 20:42 | 札幌のこと | Comments(0)

札幌では冬が終わると、すぐにゴールデンウィークが来るものらしい

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「もうすぐゴールデンウィークですね」と言われて驚いた。
特段の予定もないから全然意識していなかったけれど、確かに来週末からはもうゴールデンウィークなのだ。
旅行の計画でもないし、大型連休にも鈍感になってしまうものらしい。

それにしても、札幌中心部ではようやく積雪がなくなったばかりである。
ちょっと住宅地に入ると、冬に積もった雪が、庭や公園にまだ残っている。
いや、中心部の大通公園にだって、雪はまだ大量に残されているくらいだ。

札幌では冬が終わると、すぐにゴールデンウィークが来るものらしい。
ゴールデンウィークが終わると、すぐに初夏の訪れだから「札幌には春がない」と言われる所以である。
春なんだか初夏なんだか分からない中途半端な季節が、冬の終わりと同時に少しずつ姿を現すのだ。

それにしても、こんなに早くゴールデンウィークがやって来るのだったら、旅行の予定くらい入れておけばよかったなあ(笑)
旅行の計画はいつも直前になってからで、飛行機やホテルの予約を取るにも毎回バタバタしているんだから。
計画を立てるのが好きだというわりには、作業に取りかかるのが遅いタイプなのだ。

世の中の人たちはきっと、もうゴールデンウィークの計画も立て終えて、休みを待つばかりなんだろうなあ。
まあ、どこに行っても混雑しているし、いつものように札幌でブラブラしていようか。
それとも、神戸か横浜あたりで、ぼんやりと海の風に吹かれているのもいいなあ(笑)


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by kels | 2014-04-14 20:20 | 春のこと | Comments(0)

小熊秀雄「焼かれた魚」~裏切りと喪失と夢の果ての物語

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海で釣りあげられたサンマは、汽車に乗せられて遠い街まで運ばれてくる。
やがて、魚屋で売られた魚は、ある家庭で焼きあげられて、白い皿の上で考える。
サンマが思うことは、故郷の海や仲間たちが恋しいという思いだった。

サンマは、その家の飼い猫に、自分を海まで運んでくれるように懇願する。
猫は、サンマの一番おいしい頬の肉を食べることを条件に、サンマを家から連れ出した。
しかし、海まで遠すぎることに気が付くと、約束を放り出して逃げだしてしまう。

自力でどうすることもできないサンマは、ネズミや野良犬に頼み込んで、自分を海まで運んでもらおうとする。
しかし、どの動物たちも、サンマの肉だけを食い散らかしては、サンマとの約束を反故にして途中で逃げ出してしまう。
最後に残った二つの目玉を食べたカラスさえも、サンマを海辺の丘の上に放り投げていなくなってしまった。

丘の上には、岸を打つ波の音が聞こえた。
身も目玉も失ったサンマは、丘の上で海鳴りの音を聴き、海風の匂いをかいだ。
あれほどまでに恋しかった海はすぐ近くにあるのに、サンマはどうしようもなく苦しい生活をしなければならなかった。

ある日、サンマの境遇に同情したアリたちが、サンマを丘の上から海の中へと落としてくれた。
恋しかった故郷の海に飛び込んで、サンマはどれほど嬉しかったことだろうか。
しかし、故郷の海は、サンマが望んでいたものを、彼に与えてはくれなかった。

水は冷たく痛いほどで、海の塩は骨だけの体にしみて、サンマは苦しんだ。
ともすれば水底に沈んでしまいそうな体を揺らして、サンマはキチガイのように泳ぎ回った。
おまけにサンマは両目を失っていたから、どこへ行くともなくさまよい歩くしかなかったのだ。

幾日か経った頃、サンマの骨が砂浜に打ち上げられた。
白い砂が体の上に重なって、やがて、サンマの体はすっかりと見えなくなってしまう。
いつかサンマには、波の音さえも聞こえなくなった。

郷土の詩人である小熊秀雄が「焼かれた魚」を発表したのは、1925年のことである。
小熊は、旭川新聞社の記者の職を辞して上京し、この作品を発表するのだ。
しかし、夢に破れた小熊は、東京を去って、再び旭川へと戻ってくる。

言うまでもなく、サンマは僕自身である。
自分の夢を叶えようとして、誰かに助けを求め、裏切られ、数多くのものを失う。
何度も何度も信じては裏切られていくサンマの姿は、まさしく僕たち自身の姿に他ならない。

そして、ようやく手に入れたものが求めていたものとは違っていたということも、また、人生の真実だろう。
裏切りと喪失の果てに手にしたものの悲しさを、僕らは確かによく知っているような気がする。
だからこそ、あがくように海へと近付いていくサンマの境遇に、自身への憐みを重ね合わせることができるのだ。

だけど、白い砂の中に埋もれていったサンマは、果たして不幸だったのだろうか。
体も目玉も失い、苦しいだけの海での暮らしだったけれど、もしかしてサンマは、そのことをどこかできちんと受け止めていたのではないだろうか。
少なくとも、食卓の上の白い皿の上で、人間たちに食べられてすべてを終えてしまうことに比べたら。

どんなに苦しいことが分かっていても、僕たちは夢を追い求める生き物だ。
あるいは、思い描いていたような人生が、そこにはないのかもしれない。
だけど、何もしなかったことの後悔に比べたら、どんな人生にも僕たちは納得できるような気がする。





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by kels | 2014-04-13 20:07 | 文学 | Comments(2)

村上春樹翻訳による「言い出せなくて」を聴きながら

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村上春樹といえば小説家だけれど、僕は彼のエッセイが好きだ。
エッセイには、いろいろな話題があるけれど、僕は彼の音楽に関する話が好きだ。
そして、音楽の話にもいろいろあるけれど、僕は彼が翻訳する洋楽についての話がとても好きだ。

2003年に発行された「アルネ3号」にも、そんな村上春樹の音楽に関するエッセイが掲載されている。
エッセイのタイトルは「言いだしかねて」だった。
昔の音楽っていうのは、こういうタイトル一つで、胸をキュンとさせる仕掛けになっているらしい。

僕は飛行機で世界一周もした
スペインの革命も調停した
北極点も踏破した
でも君相手だと なぜかうまく切り出せないんだ

1929年には僕は株を売り抜けた
英国に行けば、僕は王室に招待される
でも君の前では僕の心はつらく切ない
それというのも、君にどうしても言い出せないから

「言い出しかねて」村上春樹・訳(1937年)

僕は古い時代の音楽が好きなので、レコードやCDを見つけては買ってきて聴いている。
特に1930年代から40年代にかけての、いわゆる戦前の音楽を聴くと、どういうわけか胸がキュンとなってしまうことが多い。
歌詞もメロディもアレンジも演奏も素朴で単純なのに、人の心の奥底深くに響く音楽とでも言うべきか。

そして、村上春樹のエッセイには、そういう古い音楽が取り上げられることもあって、僕はそういう古い音楽に関する話を、とても楽しみにしているのだ。
それは高名な小説家の難しい音楽論を聴いているというよりは、近所の音楽好きの老人が語る昔話を「へー、そんなことがあったんすね」とか笑いながら聴いているのに近い。
古い音楽の話というのは、やっぱり人生の先輩から聴くべきものだと、僕は考えている。

それにしても、世の中すべてのものが手に入るようなすごい男であっても、好きな女性の前では何も言い出せなくなってしまうっていうのは、いつの時代においても共通している恋愛の本質をとらえたものなのだろう。
1930年代以降、世界中でどれだけの男たちがこの歌を聴きながら「そうなんだよ!」と共感し、涙を流したことか(笑)
男性だったら分かりますよね、この気持ち。





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by kels | 2014-04-13 07:37 | 音楽 | Comments(0)