カテゴリ:札幌のこと( 804 )

思うに、街歩きというのは、どれだけ夢を見ることができるかということだ

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正月に入ると大阪から、はるばる水島爾保布がやってきた。
雪の札幌を大朝の漫画にするためだという。
まず馬橇にのって丸山公園へ雪見に出かける。
「人間をロシア人にとッかえたら、札幌はこのままロシアの町とまったく変わりがなくなるだろう」
「サニン」の校正をしてくれた彼はそんなことをいって、しきりに面白がっていた。

「因縁生」武林夢想庵(1918年)

かつて、内地の人たちは、北海道に遠いロシアを見たらしい。
札幌が「エキゾチックな街」と呼ばれた、ひとつの理由だろう。
雪景色さえ珍しい内地人には、北海道もロシアも同じようなものだったに違いない。

僕は、札幌の街に、遠い北欧の街を見ることがある。
夏の長い夕暮れや冬の早すぎる日暮れは、どこか北欧の小さな街を思わせるのだ。
中心部から少しだけ離れた、静かな街の片隅で夕暮れを迎えたとき、そんな気持ちがいよいよ強くなる。

思うに、街歩きというのは、どれだけ夢を見ることができるかということだ。
それは、遠い昭和初期の札幌の街でもいいし、遠いフィンランドの小さな田舎町でもいい。
想像力を存分に働かせて、僕は札幌の街に様々な夢を見ている。

そうして街を見ることで、何かしら新しい発見というものがあったりするのだから。


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by kels | 2016-12-04 20:38 | 札幌のこと | Comments(0)

どんな街にも郷土の歴史に詳しい人がいて、僕はそんな老人になりたいなあと思う

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札幌の、したがって北海道の国道起点(北海道道路原票)は、北一条西四丁目交差点の中心にある。
ここから西へ行けば第五号線札樽国道であり、東すれば旭川へ通ずる第十二号線、南は室蘭に至る第三十六号線である。
この地点の、一日の自動車通行量は二万台にも上る。
東京丸の内の一角を、そのままここに移したかとも思われる。
「東京都札幌区」あるいは「リトルトーキョー」と称されるゆえんのひとつである。

「さっぽろ百景」五十嵐久一(1965年)

何とか百景というのものが好きだ。
昭和2年には「日本百景」というものが選定されたという。
以来、日本中のあちこちで「百景」が誕生したことだろう。

古本屋で見つけた「さっぽろ百景」は、昭和40年にタイムス観光から発行されたもの。
北海道は、昭和43年に開道百年を迎えている。
大きな時代の節目を迎えて、札幌に対する再評価が進んでいた時代に違いない。

この本の中には、昭和40年当時の札幌の百景が登場する。
馬フン風、五番館、サンデパート、つぶ焼き、琴似町、手稲温泉、弾丸道路。
今では懐かしくなってしまった「百景」も少なくない。

本当は、そのひとつひとつを追いかけて、2016年の札幌と比較してみたいと思う。
だけど、百景を紹介するには100回の更新が必要で、日常の更新さえままならない現状では現実的ではない。
札幌研究を生業にできたら、そういうことも可能なのかもしれないが(笑)

ちなみに、僕の将来の夢は郷土誌研究家である。
どんな街にも郷土の歴史に詳しい人がいて、僕はそんな老人になりたいなあと思う。


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by kels | 2016-11-23 07:36 | 札幌のこと | Comments(0)

「Pokémon GO」札幌老舗カフェ「苺館」がポケストップに指定されました

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貴重な夏休みの一日、普段の週末にはあまり行かないところへ行こうと思い、久しぶりに「苺館」まで行ったのですが、実に驚きました。
苺館が「Pokémon GO」のポケストップに指定されていたのです。
「Pokémon GO」インストール以来の最大の驚きです(笑)

「苺館」は、札幌市内でも老舗の人気喫茶店ですが、観光客の訪れるような店ではありません。
どちらかと言えば、ひっそりとしていて、知る人ぞ知る名店といった雰囲気の店です。
隠れ家的っぽくない隠れ家カフェが、まさしくここです。

そんなカフェがポケストップだったなんて!
おかげさまで、食事の間中ずっとモンスターボールを貯めまくりでした。

以上、「Pokémon GO」に興味のない方には興味のない小ネタでした。

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by kels | 2016-08-05 19:44 | 札幌のこと | Comments(0)

昭和3年、北海道で初めてのラジオ放送が始まった

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「Pokémon GO」を始めて一週間経った。

このゲームは、モンスターボールをポケモンにぶつけてゲットしていくゲームだが、モンスターボールは、街の中に設定された「ポケストップ」と呼ばれる場所を実際に訪れて入手しなければならない。
ポケストップは主要なモニュメントなどに指定されている場合が多いが、意外なものがポケストップに指定されている場合もあったりしておもしろい。
実際に街を歩くことで再発見できる札幌もあるということだろう。

写真は中島公園に設置されたNHKの放送記念碑である。

日本のラジオ放送が始まったのは大正14年のことで、翌15年には日本放送協会の北海道支部が設立され、昭和3年、北海道で初めてのラジオ放送が始まった。
ラジオ放送に必要な施設である「演奏所」は、中島公園の豊水通り沿いに設置された。
演奏所の隣には中島球場があったらしい。

放送初日のプログラムには、天気予報、ニュース、音楽娯楽、料理放送などがあった。
ちなみに、現在も続いている朝のラジオ体操の全国放送は昭和4年に開始されているが、札幌でのローカル放送は昭和3年から始まっていたそうである。
札幌師範学校の教官が、毎朝体操指導を行ったらしい。

この中島公園の演奏所はテレビ時代が訪れて、大通にNHK放送局が開設されるまで活躍した。


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by kels | 2016-07-31 08:05 | 札幌のこと | Comments(0)

街を歩くと、意外なところで昔の札幌の街並みを発見する

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街を歩くと、意外なところで昔の札幌の街並みを発見する。
例えば、道路工事現場の壁を利用した札幌の昔の街並み写真展。
発注側も受注側も頑張っているということだろうか。

だけど、どうして昔の街の写真なんだろうと、素朴に考えてみる。
過去への懐かしさなのか、誇りなのか、あるいは決別なのか。
新しい街を作ろうとしている工事現場に突然現れた昔の札幌の街並みの写真。

昔は良かったね、ということなのか。
きれいで便利な街になったね、ということなのか。
その答えは、きっと人それぞれによって違うはずだ。

大切なことは、過去の積み重ねの中に現在があるということだ。
現在の札幌も未来の札幌も、間違いなく過去の札幌の積み重ねの中にある。
僕たちは積み重ねられた時間の上を未来に向って歩き続けている。

もうひとつ大切なことは、そんな過去の歴史を、決して忘れたりはしないということだろう。


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by kels | 2016-07-30 22:39 | 札幌のこと | Comments(0)

街を歩くほどに、僕は札幌が好きになっていく

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彼は別に為すべき仕事がないからやむをえず散歩したのではない。
自ら進んで観察しようと企てたのだ。
しかるに私は別にこれといってなすべき義務も責任も何にもないいわば隠居同様の身の上である。
その日その日を送るになりたけ世間へ顔を出さず金を使わず相手を要せず自分一人で勝手に呑気にくらす方法をと色々考案した結果の一ツが市中のぶらぶら歩きとなったのである。

「日和下駄」永井荷風(1915年)

札幌にも桜が咲いたということで、久しぶりに散策に出かけた。
カメラを持って、荷風気取りの札幌日和下駄である。
散策なくして、何が己の日和下駄。

ススキノから大通公園、札幌駅まで北上していく。
冬に散策をしなくなったのは、往来に人がいないという理由も大きい。
どれだけ地下通路が発達しても、ストリートスナップは往来でなければつまらないと思う。

天気がいいので、さすがに地上を歩く人たちの姿も多い。
地上には、地下通路では見えない札幌の歴史や文化がある。
古い時代を偲びながら歩くのが、日和下駄流の散策というやつである。

カメラを持って歩くと、街の小さな変化が見えてくる。
人々の流行が見えてくる。
古い時代と新しい時代の軌跡が見えてくる。

歴史が浅い街なりに、札幌も小さな歴史を刻み続けてきた。
2018年には開道150年を迎えようとしている。
150年分の歴史の上を、僕たちは歩き続けているのだ。

もう少しきちんと、この街と向き合わなければ、と僕は思う。
僕の知らない歴史が、この小さな街にはまだまだ無数に隠されているのだから。
街を歩くほどに、僕は札幌が好きになっていく。


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by kels | 2016-04-24 20:18 | 札幌のこと | Comments(0)

判官島義勇が、初めて北海道を訪れたのは、明治2年の晩秋のことだ

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「静かな夜じゃな。いつもこうかな、蝦夷地は」
暫くして、ぽつりと判官が口を切った。
「はあ、今宵あたりは雪かもしれませぬ」
辺りはばかるような誰かの声があったきり、座は再び沈黙に落ちた。

「札幌開府」寒川光太郎(1941年)

判官島義勇が、初めて北海道を訪れたのは、明治2年の晩秋のことだ。
これから冬がやってくるという季節の北海道である。
寒くないはずも、恐ろしくないはずもなかっただろうと思う。

まして、現代より150年も昔の北海道のことだ。
気温は現代よりも低く、雪が現代よりも多く積もった。
防寒に対する知識も道具も、極めて素朴なものだったに違いない。

原始林と原野の土地を切り拓いて、新しい街を作り上げる。
今、考えてみても、これはとてつもなく壮大で、夢を見るのに近い大プロジェクトである。
そのプロジェクトの総責任者が、島判官だった。

原野の雪の中で、島判官が思い描いた北海道の未来は、どのようなものだっただろうか。


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by kels | 2016-01-31 20:18 | 札幌のこと | Comments(0)

札幌の街が隅々まで均一に美しく整備されたのは、札幌オリンピック前後のことである

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私はかねて聞いていた通り煙草屋と荒物屋との間の狭い横丁を入った。
職工町の一町ばかり先の左側を目指して入ったが、どうも何ともかともごみごみとした、行けば行くほど裏長屋の貧民窟のような処であった。
降り積もった雪が腰のあたり迄両側に掃き寄せられて、そのトンネルみたいな中を平ったく入って行った芥溜(ごみため)のあたりから、同じような小さな棟割り長屋が幾つも幾つも並んでいた。

「求婚記」橘外男

橘外男の札幌での生活は、明治44年から大正4年までの、約3年半であった。
石川啄木が札幌を訪れた時期から、約5年後といったところである。
橘は、苗穂の鉄道員札幌工場で事務職を務めており、この作品は、当時の苗穂近辺が舞台になっている。

歴史に伝わる札幌はどれもみな美しいが、庶民の暮らしが隅々まで美しかったというわけではない。
むしろ、現代的な社会福祉システムが確立されるまで、庶民の暮らしは非常に厳しいものだったはずだ。
庶民目線で描かれた当時の小説には、生身の札幌が登場しているような気がする。

開拓時代より、創成川を東に越えた一帯は、いわゆる工業地域であった。
当時の言葉で言えば「職工町」で、多くの労働者の暮らしは豊かではなかった。
本当の意味での庶民の暮らしというのは、案外、そんな街にあったのかもしれない。

札幌の街が隅々まで均一に美しく整備されたのは、札幌オリンピック前後のことである。
世界中から集まってくる観光客を迎える上で、美しい街は必要不可欠だったのだ。
経済成長の中で、札幌は生まれ変わっていくのである。


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by kels | 2015-12-29 19:57 | 札幌のこと | Comments(0)

2015年12月20日、札幌市電がループ化された

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新しいカメラを買ったので、早朝の写真散歩に出かけようと思った。
電車通りを歩いていたら市電がやってきたので、そのまま乗り込んだ。
早朝だというのに、新型車両の電車は実に混雑している。

そう、札幌市電は、今日12月20日からループ化されるのだ。
電車にはカメラを持ったマニアが、たくさん乗車していた。
みんなループ化の市電を楽しむために、早朝の市電散策を楽しんでいるらしい。

電車が「中央図書館前」に到着すると、電車を乗り換えるよう放送が流れた。
乗客はみな無言で新型車両からガーナ電車へと乗り換えている。
気ままな早朝散歩のつもりが、何だか大袈裟なことになってしまった。

やがて、電車はススキノの街を通り過ぎて、駅前通りを北上していく。
路傍にはカメラを持ったマニアたちが、一様に電車を凝視している。
駅前通りを電車が走っているなんて、まるで嘘みたいな話である。

市電から眺める駅前通りは、実に新鮮だった。
いつも見ている街なのに、目線が異なるせいか、違う街みたいに見える。
歩道を歩いている人たちからも、市電の走る光景はきっと斬新に感じたことだろう。

「西四丁目」の停留所は、南一条通りではなく、駅前通りに生まれ変わっていた。

西四丁目を過ぎると、市電はいつもの市電に戻っていた。
カメラを持ったマニアの姿も消えた。
みんな、一番電車を待って乗り込んでいたのだろう。

結局、散歩をするわけでもなく、僕はぼんやりとしながら、ループ化した市電に揺られていた。
電車はやがて、僕の街へと戻って行くのだ。


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by kels | 2015-12-20 20:18 | 札幌のこと | Comments(2)

壁に貼られた一品料理の名前には、北海道の冬が表現されている

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八代亜紀の「舟唄」を聴いている。
昨夜観た映画「駅・STATION」で流れていたのだ。
おかげで、頭の中がすっかりと「舟唄」である。

筋書きはともかくとして、この映画には良い場面がたくさん収録されている。
倍賞千恵子が女将を務める居酒屋「桐子」のシーンは、特に印象深い。
飲み屋の場面ばかり、繰り返し見たいと思ったほどである。

僕は酒がからきしダメだけれど、酒や飲み屋は好きだったりする。
特に、昔懐かしい一杯飲み屋が好きで、そういう昭和の飲み屋に対する憧れみたいなものを抱いている。
映画に登場した「桐子」は、まさしく僕の琴線を刺激する飲み屋だった。

壁に貼られた一品料理の名前には、北海道の冬が表現されている。
昔、北国のどこの街にもあっただろう、小さな居酒屋の風景。
失われた北海道が、こんなところにもあるのだと、僕は思った。


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by kels | 2015-11-08 21:33 | 札幌のこと | Comments(4)