北3条通りに面して建つサッポロファクトリーと並んで、かつて永山武四郎の邸宅として建てられた建物があります。 永山武四郎といえば、第2代の北海道庁長官として知られる、北海道黎明期に名を残した偉大な人物です。 さすがに、邸宅として建てられた建物も立派なものでした。 といっても、上の写真で紹介している洋館は、正確には永山武四郎の邸宅ではなく、昭和12年頃になって増築されたもの。 武四郎邸が三菱鉱業の寮として利用されていた時代に建てられた、モダンな住宅だったのです。 札幌に残る昭和初期の洋館の中でも、この三菱鉱業寮はデザインが素晴らしく、内部見学も無料で可能なので、僕は時々遊びに来ています。 こういう洋館に住みたいですね~。 さて、本物の武四郎邸はこちらの和風建築です。 先ほどの洋館と、この和風住宅がひとつの建物なのですから、建築スタイルというのも多様だな~という感じですね。 ところで、この和風邸宅が建てられたのは、明治10年代のこと。 当時、開拓使は札幌でも洋風文化の定着を目指して、住宅などでも洋風住宅の建築を推奨していました。 明治初期の建物で、洋館スタイルのものが多いのは、開拓使の方針でもあったからなのですが、開拓の旗振り役の一人であった永山武四郎は、自分の住宅を建てるに当たって、伝統的な和風建築を選択し、一部の意匠や応接室として洋風スタイルを取り入れる形を取りました。 邸宅のお披露目を兼ねて、座敷で新築祝いをやっているところへ、開拓使長官・黒田清隆は怒鳴り込んできたと言います。 いわく、洋風建築を推奨する開拓使の人間の住宅に、座敷とは何事か!ということだったようです。 お役人はお役人で、いろいろと大変だったのでしょうね。 昭和に入って、ようやくモダンな洋館部分が増築されて、黒田清隆もさぞ安心したのではないでしょうか。
by kels
| 2006-11-21 19:39
| 建築・景観
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