2月となり、北海道は冬のイベントの季節になった。 札幌では雪まつり、小樽では雪あかり。 真冬の屋外イベントくらい、北海道の厳しさを体感できるものはない。 小樽市の「小樽雪あかりの路」は、20回目のメモリアルということで随分盛り上がっている。 さっぽろ雪まつりに比べて、商業主義にまみれていないところが人気らしい。 素朴なキャンドルの灯りが無数に並ぶ様子は、確かに小樽という街に似合っている。 イベント名の「雪あかりの路」というのは、伊藤整の作品に因んでいる。 伊藤整は小樽出身の詩人で、小樽商科大学では小林多喜二の後輩にあたる。 「雪明りの路」は、小樽の冬を詠んだ伊藤整の詩集のタイトルだった。 この詩集には、小樽の冬がたっぷりと詰まっている。 最初に「雪明りの路」が出版されたのは大正15年(昭和元年)である。 大正時代の小樽の街の空気が映し込まれていると言ってもいい。 当時、伊藤整は弱冠20歳で、商大を卒業して小樽市内の中学校の英語教員をしていた。 それまでに作った作品を1冊にまとめたものが、この「雪明りの路」だったらしい。 序文には「十五六の年からもう六七年も私は詩を書いて暮らしてきた」とある。 もしも、小樽の街まで「雪あかりの路」を観に行こうと考えている人がいたら、ぜひ、その前に、この詩集を読んでもらいたいと思う。 大正時代の冬の小樽に思いを馳せたまま、JR北海道に乗って、冬の小樽に向かう。 そこには、期待を裏切らない昔ながらの小樽の詩情があるはずだ。 ちなみに、自分の持っている「雪明りの路」は、戦後の昭和27年に発行されたもの。 最初の詩集が発表されてから25年後に、改めて、この詩集が世の中に登場したということになる。 最初の詩集も欲しいけれど、そんなに簡単に手に入るものではないんだろうなあ。 ※※※「にほんブログ村」に復活しました。1日1クリックをお願いします! にほんブログ村
by kels
| 2018-02-02 20:46
| 文学・芸術
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