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僕は小説家以上に随筆家に憧れていたのだ

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学生アルバイトにアイスクリーム売りをしたのは、昭和23年の夏であった。
当時、父の転勤で我が家は仙台に引っ越しており、私と弟は麻布市兵衛町の母の実家から学校へ通っていた。
応分の仕送りはあったのだが、新円切り換えになって間もない時分でもあり、本を買ったりスバル座でアメリカ映画を見たりするには、お小遣いが足りなかったからである。

「学生アイス」向田邦子(1978年)


「アンドプレミアム」で向田邦子の文章が紹介されていた。
旅行に関する文章だったような気がする。
書店で向田邦子の名前を見たとき、無意識のうちに手に取っていた。

向田邦子の随筆は、過去にひととおり読んでいるはずである。
それでも全然記憶にないような話が、次々に出てきた。
「読んだ」と言っても、それは、もう随分昔の話なのだ。

等身大の随筆というのは、読んでいて気持ちが良いものである。
自分も、こういう随筆を書きたいと、昔に思ったことを思い出した。
僕は小説家以上に随筆家に憧れていたのだ。

by kels | 2017-08-19 07:21 | 文学 | Comments(0)
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