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長年札幌に暮らしていてさえ、雪の朝の景色の美しさには感動するくらいだ

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十一時の汽車にて札幌に来る。
小樽より雪尠く、ゴム輪の車通ず。馬橇はやはり沢山あるが。
八重さんにあげる切符を買い、父上の代理にて宮部氏のところを訪ねる。
家移り、北小路というところ、小さい教授連の家らしいもの多くあるところ、
令嬢嫁し、博士全く独り、雇人と暮される由、或感動を与えられた。
樹木多き札幌の雪は、小樽より風情多し。

「日記(1926年2月1日)」宮本百合子(1926年)

樹の多い札幌の街は、殊更に雪化粧が美しいと思う。
長年札幌に暮らしていてさえ、雪の朝の景色の美しさには感動するくらいだ。
生活の不便さと引き換えにある札幌の冬の風景だろう。

ただ、美しい雪景色を見るチャンスというのは、意外と少ないような気がする。
雪が積もると街が真っ白に包まれて、この一面銀世界の都市風景が一番美しい。
しかし、樹木の雪は、いつまでも樹木を白く包み込んでいるわけでもない。

厳寒の季節に降る雪はサラサラとした雪で、樹木や電線には積もりにくい。
強い風でも吹けば、雪はあっという間に飛ばされてしまうから、雪景色は一瞬である。
真冬でも昼近くには気温が上がるから、太陽の光でも浴びると樹上の雪はすぐに溶けてしまう。

結局、美しい雪景色を見ようと思ったら、夜の間に雪の降った翌日の早朝が一番である。
それも多少気温が高くて湿った雪が降った翌朝には、雪が風に飛ばされることもない。
そういう朝が、季節に何度かはきっとある。

今回の大雪は、まさにそんな風景を見せてくれる大雪であった。


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by kels | 2016-12-25 06:45 | 冬のこと | Comments(0)
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