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石川啄木は土曜日の午後に札幌入りし、翌日の日曜日には市内を散策している

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アカシアの街樾(ナミキ)にポプラに
秋の風
吹くがかなしと日記に残れり

「一握の砂」石川啄木(1910年)

石川啄木が、札幌について詠んだ短歌は4首と言われていて、いずれも歌集「一握の砂」に収録されている。
わずか2週間の滞在で4首だから、これはきっと多い方なんだろう。

さて、その啄木の日記だが、9月15日(日)に、こんな記述があった。

午后は市中を廻り歩きぬ。
札幌は大なる田舎なり、木立の都なり、秋風の郷なり、
しめやかなる恋の多くありさうなる都なり、
路幅広く人少なく、木は茂りて蔭をなし人は皆ゆるやかに歩めり。

アカシヤの街樾を騒がせ、ポプラの葉を裏返して吹く風の冷たさ、
朝顔洗ふ水は身に泌みて寒く口に啣めば甘味なし、
札幌は秋意漸く深さなり、

「丁未日誌」石川啄木(1907年)

前日の土曜日の午後に札幌入りした啄木は、翌日の日曜日に、早速市内を散策している。
このとき、まず印象に残ったものが、幅の広い道、アカシヤ並木、ポプラ、そして、風や水の冷たさだった。

気象庁の記録によると、この日の札幌の最高気温は16.8℃、最低気温は5.2℃。
朝夕の風は、さぞかし涼しかったことだろう。
啄木が出発した9月13日の函館の最高気温は23.4℃、札幌とはやはり気温差が大きかった。

突然寒い街にやってきて、なお、啄木は札幌を美しく描いている。
何と言っても「しめやかなる恋の多くありさうなる都」である。
市中では、さぞかし、オシャレで美しい女性の姿を見かけたに違いない。


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by kels | 2016-05-05 06:08 | 旧・札幌日和下駄 | Comments(0)
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