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石川啄木像は、多くの観光客が訪れる大通公園3丁目に設置されている

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札幌の秋の夜はしめやかであつた。
そこらはもう場末の、通り少なき広い街路は森閑として、空には黒雲が斑らに流れ、その間から覗いてゐる十八九日許りの月影に、街路に生えた丈低い芝草に露が光り、虫が鳴いてゐた。
家々の窓のあかりだけが人懐かしく見えた。

石川啄木「札幌」(1908年)

石川啄木が札幌で暮らし始めるのは、明治40年9月14日のことである。
札幌の新聞社に勤務するのだが、すぐに小樽の新聞社へと移ってしまう。
9月27日、啄木は小樽へと向かい、わずか2週間の札幌生活を終えた。

わずか2週間滞在したに過ぎないのに、札幌における啄木人気は絶大である。
市内のあちこちに文学碑があって、啄木ファンを集めている。

代表作「一握の砂」の中には、札幌に関する作品が4首収録されている。
その中でもっとも有名な歌が、例の「とうもろこしの焼くる匂い」だろう。
実際、この歌は、大通公園内の石川啄木像にも刻み込まれている。

しんとして幅広き街の
秋の夜の
玉蜀黍(たうもろこし)の焼くるにほひよ

「一握の砂」石川啄木(1910年)

この啄木像は、多くの観光客が訪れる大通公園3丁目に設置されている。
公園脇にひっそりとあるので、啄木と気付かない旅行者も多いらしい。
明治の世とはすっかり変わってしまったが、とうもろこしの焼ける匂いに、僕はいつも啄木の生きた時代を夢見ている。


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by kels | 2016-05-01 05:44 | 旧・札幌日和下駄 | Comments(0)
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