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ずっと昔、一度だけ、僕も二十三歳だった。

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「ジ・イアリングス・クッド・ルック・アウト・オヴ・プレイス・オン・ア・ガール・オヴ・セヴンティーン。
ゼイ・メイ・テンド・トゥ・スタンド・アウト」
「二十三歳の人です」
「ずっと昔、一度だけ、私も二十三歳だったのよ。
でもあと三年で時代は一九六〇年で、私は五十歳よ。
ブリング・ザ・ガール・ヒア。」

「東京青年」片岡義男(2002年)

23歳になったとき、僕はビジネスマンだった。
社会人となって、まだ数か月で、生きることが手探りだった時代。
学生のころとは、確かに違う世界がそこにはあった。

自分なりに一生懸命に頑張って生きていたと思う。
少しづつ仕事を覚え、仲間たちと親しくなり、ガールフレンドも何人かできた。
心にもないおべんちゃらを言うことも、酔っ払って上役の悪口を言うことも、取引先の女の子を口説くことも覚えた。

きっと、何もかもに一生懸命だったのだと思う。
生きることに自信がなくて、生きていくための自信を得るために必死だったのだ。
学生時代の友人たちが、次々と社会に溶け込んでいく様子を隣で見つめながら。

結局、「そこが自分の居場所ではない」と気が付くまでに、2年かかった。
2年かかって積み上げたものを、僕は全部放り出して逃げだした。
会社という仕組みの中からも、社会という枠組みの中からも。

あれから、随分と長い時間が経った。
人生に正解なんてないと知っているけれど、少なくとも後悔だけはしなかった。
難しい場面では、いつでも自分自身で決断したからだ。

ずっと昔、一度だけ、僕も二十三歳だった。


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by kels | 2016-04-16 07:12 | 随想 | Comments(2)
Commented at 2016-04-17 18:46 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by kels at 2016-04-23 20:30
鍵コメ様、こんにちは。
若い頃は、いろいろありますよね。
まあ、すべては将来の糧だと思うようにしています(笑)
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