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別れの挨拶と初対面の挨拶をするだけで、この季節は相当の時間とエネルギーを消耗する

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先夜、私は大酒を飲んだ。
いや、大酒を飲むのは、毎夜の事であって、なにも珍らしい事ではないけれども、その日、仕事場からの帰りに、駅のところで久し振りの友人と逢い、さっそく私のなじみのおでんやに案内して大いに飲み、そろそろ酒が苦痛になりかけて来た時に、雑誌社の編輯者が、たぶんここだろうと思った、と言ってウイスキー持参であらわれ、その編輯者の相手をしてまたそのウイスキーを一本飲みつくして、こりゃもう吐くのではなかろうか、どうなるのだろう、と自分ながら、そらおそろしくなって来て、さすがにもう、このへんでよそうと思っても、こんどは友人が、席をあらためて僕にこれからおごらせてくれ、と言い出し、電車に乗って、その友人のなじみの小料理屋にひっぱって行かれ、そこでまた日本酒を飲み、やっとその友人、編輯者の両人とわかれた時には、私はもう、歩けないくらいに酔っていた。

「朝」太宰治(1947年)

年度末だからというわけでもなく、忙しい日々が続いている。
無茶なプロジェクトを同時進行的にいくつも立ちあげてしまったのが、そろそろ病み始めているのだ。
しかも、本当の悲劇は、まだ始まってさえいない(笑)

そういう仕事の話とは関係なく、世の中は新しい年度を迎えた。
僕の周囲でも、たくさんの人の姿が消えて、新しい人が登場した。
別れの挨拶と初対面の挨拶をするだけで、この季節は相当の時間とエネルギーを消耗する。

正直に言って、挨拶している時間が惜しいくらいに忙しいと思うこともある。
だけど、日本人は律義で義理を大切にするから、丁寧に「お世話になりました」と挨拶をして回らなければいけないと信じている。
次々に訪れる訪問客の相手をしているだけで、3月は終わってしまったような気がする。

夜は夜で、送別の宴の誘いが次々と舞い込んでくる。
酒は飲めなくても、別れを惜しむ気持ちに変わりはない。
気の置けない仲間たちとの飲み会であれば、気持ちの安らぎを感じることさえある。

そうして忙しい毎日を過ごすのが、日本人というやつの3月なのだろう。
そんなふうにして、僕の3月も終わった。
何も残さず、降った雪が溶けていくようにして。


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by kels | 2016-04-02 06:42 | 随想・日記 | Comments(0)
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