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北海道新幹線の開業は、北海道に莫大な恩恵をもたらすことだろう

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じいさんに続いて降りた者が四人ほどあったが、入れ代って、乗ったのはたった一人ひとりしかない。
もとから込み合った客車でもなかったのが、急に寂しくなった。
日の暮れたせいかもしれない。
駅夫が屋根をどしどし踏んで、上から灯のついたランプをさしこんでゆく。
三四郎は思い出したように前の停車場(ステーション)で買った弁当を食いだした。
車が動きだして二分もたったろうと思うころ、例の女はすうと立って三四郎の横を通り越して車室の外へ出て行った。
この時女の帯の色がはじめて三四郎の目にはいった。
三四郎は鮎の煮びたしの頭をくわえたまま女の後姿を見送っていた。

「それから」夏目漱石(1908年)

昨日、とうとう北海道新幹線が開通した。
こんなに大騒ぎするのかと思うくらいに、北海道では大騒ぎだった。
初めて新幹線が来るときというのは、どこでもこんなものなのかもしれない。

はじめに、その朝の朝刊を受け取ったとき、その重さに驚いた。
戦争が始まったって、こんなに重い新聞はないだろうと思うくらいに厚くて重い。
新幹線特集の別冊が付いているのだ。

札幌駅では、新幹線開業のイベントを始めようとしているところだった。
道行く人たちに、記念の何かを配っている。
新しい時代が到来するという、その瞬間の火花みたいなものを確かに感じた。

テレビニュース風に言えば、「新幹線フィーバーに沸く地元」といったところだろう。

一方で、札幌の街は案外と静かだ。
新幹線が通るのは札幌ではなくて函館までである。
多くの市民にとっては、300キロメートルも離れた遠い街のニュースの一つに過ぎないのかもしれない。

それにしても、と僕は思う。

昭和を振り返るとき、新幹線の誕生は間違いなくひとつの時代の節目だった。
文明がひとつの階段を上ったと思わせてくれる歴史的な事件だった。
鉄道の旅は、新幹線の登場によって新しい時代を迎えた。

同時に、失われていくものの多さを、人々はちゃんと知っていた。
それは、昭和への懐旧の気持ちというだけではなかったような気がする。
うまく説明することは難しいけれど。

なにはともあれ、北海道は新しい時代の幕を開けた。
北海道新幹線の開業は、内地と北海道との距離を縮め、北海道に莫大な恩恵をもたらすことだろう。
(と新聞に書いてあった)

北海道開拓の歴史のページが、またひとつ追加されたということか。


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by kels | 2016-03-27 06:18 | 随想・日記 | Comments(2)
Commented by J.W. at 2016-03-28 20:46 x
私が札幌で学生生活を過ごしていた60年代では、内地へ帰省するのは急行列車と連絡船の24時間の長旅でした。青函トンネルですら夢のようだと思っていたのに、新幹線まで生きている間に完成するなんてと先ず思ってしまいました。北海道民であればなおさらでしょうが、実はこちら(首都圏)では北陸新幹線に比べればそれほど騒がれてはいないのが不安ではあります。やはり札幌まで開通しないというところでしょう。
Commented by kels at 2016-04-02 06:51
J.W.さん、こんにちは。
実は札幌でも盛り上がりは?です。
一部の関係者にとっては、大プロジェクトなんですけどね。
一般市民には、函館までの開通といっても、あまり生活に影響しないですからね~☆
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