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北海道文化放送で、「橋本奈々未の恋する文学」の放送が始まった

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「旭川に行くのよ。ねえ、旭川よ!」と彼女は言った。
「音大のときの仲の良かった友達が、旭川で音楽教室をやっててね、
手伝わないかって、二、三年前から誘われてたんだけど、
寒いところ行くのが嫌だからって断ってたの。
だって、そうでしょ。やっと自由の身になって、行き先が旭川じゃ、ちょっと浮かばれないわよ。
あそこ、なんだか作りそこねた落とし穴みたいなところじゃない?」

「ノルウェイの森」村上春樹(1987年)

北海道文化放送で、「橋本奈々未の恋する文学」の放送が始まった。
http://uhb.jp/program/koisurubungaku/

第1回目の紹介作品は、村上春樹の「ノルウェイの森」。
旭川西高校出身の橋本奈々未が、作品の朗読を交えて紹介していく。
小説の中にわずかに登場する旭川市を舞台にしているあたりがおもしろい。

村上春樹の作品には、意外と北海道の実在の都市が登場している。
代表作「ノルウェイの森」では、登場人物の会話の中で、旭川に触れられている。
いわゆる「なんだか作りそこねた落とし穴みたいなところ」だ。

昔の話になってしまうが、僕も旭川では数年間を暮らしたことがある。
人口規模では、札幌市に次ぐ北海道第二の都市であり、地方自治法に定める中核市でもある。
もっとも、実際に暮らしてみれば、北海道の地方都市らしい街だということがわかるだろう。

札幌のように人を集めようとしたけれど、人口は簡単には増えない。
一生懸命に落とし穴を掘っても、まるで誰も落ちてはくれないように。
街の人たちは、そんな「作りそこねた落とし穴」の中で、静かで平和な暮らしを守り続けている。

そんな旭川の街を、橋本奈々未は、ちょうどよく暮らしやすい街だと感想を述べている。
故郷の街を「作りそこねた落とし穴みたいなところ」と表現されて、うれしい者はいない。
彼女自身、きっと時間をかけて、この作品を自分の中で消化していったのではないだろうか。

若い世代が文学について語る場面っていいなあと思う。

ところで、番組を観ていて驚いたのは、「ノルウェイの森」が発表されたのは、今から30年近くも昔のことだったという事実。
作品の舞台は、1970年前後だから、実に今から50年近くも昔のことということになる。
さらに、そんな古さを、今もって感じさせないというところに、この作品の本当の凄さがあるのかもしれない。


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by kels | 2016-02-21 18:25 | 文学 | Comments(0)
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