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コーヒーや紅茶には、砂糖を入れて飲むことが当たり前だった時代の話だ

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奥さんは飲み干した紅茶茶碗の底を覗いて黙っている私を外さないように、「もう一杯上げましょうか」と聞いた。
私はすぐ茶碗を奥さんの手に渡した。
「いくつ? 一つ? 二ッつ?」
妙なもので角砂糖をつまみ上げた奥さんは、私の顔を見て、茶碗の中へ入れる砂糖の数を聞いた。
奥さんの態度は私に媚るというほどではなかったけれども、先刻の強い言葉をつとめて打ち消そうとする愛嬌に充みちていた。

「こころ」夏目漱石(1914年)

コーヒーや紅茶に付きものの台詞が「いくつ?」。
コーヒーや紅茶には、砂糖を入れて飲むことが当たり前だった時代の話だ。
喫茶店の砂糖壺が、テーブルの上には置かれたままになっていた。

緊張している場面では、「いくつ?」と訊かれて自分の年齢を答えたりした。
その返事に、相手の女性が笑いだして緊張がほぐれる。
日本の映画やドラマでは、そんなシーンが多かったような気がする。

大正3年に発表された「こころ」の中にも、砂糖の数を訊ねる場面が登場する。
紅茶茶碗で紅茶を飲む習慣が、一般家庭の中にも定着していたということだろう。
そして、紅茶には砂糖が付きものの時代だったのだ。

こういう小説を読むと、僕は大正時代の紅茶茶碗がほしくなる。
実際に、明治時代や大正時代の食器を、ずいぶん集めてきた。
そうすることで、少しでも小説の世界に近づきたいと思っていたのかもしれない。


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by kels | 2016-01-23 07:15 | カフェ・喫茶店 | Comments(2)
Commented by ropossa at 2016-01-24 10:37
はじめまして。
とは言え、大好きな「喫茶ロスマリン」を検索しこちらがヒットしてから
何度もお邪魔して読ませていただいております札幌在住40年の主婦です。
私もこの街、札幌が大好きです。
馴れ親しんだ街の風景写真と素敵な記事、いつも楽しみにしております。

IDがPorosさんなんですね・・わたくしropos・・・
なんだか笑っちゃいました。
Commented by kels at 2016-01-24 21:15
ropossaさん、こんにちは&はじめまして。
コメントありがとうございます!
IDが「poros」だってこと、完全に失念していました~(笑)
更新頻度が遅くなっていますが、地道に続けていきたいと思っています。
これからもよろしくお願いいたします☆
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