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村上春樹の作品にはよく北海道が登場する。代表例が「羊をめぐる冒険」と「ダンス・ダンス・ダンス」だ。

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「羊をめぐる冒険」(1982年)の舞台とされるのが、道北の上川管内美深町仁宇布である。
鉄道で塩狩峠を越え、たどり着くのが「札幌から260キロメートル」「主要産業は林業と木材加工」である「十二滝町」の「日本で第3の赤字路線」の終着駅。
旧国鉄美幸線の終点だった仁宇布に重なる。

そこに羊450頭を飼う松山農場がある。
主人公が訪れる羊牧場にロケーションが酷似しているとして、国内外の村上文学ファンが集まる「聖地」となっている。

ところが、農場主の柳生佳樹さんは、「80年ごろに農場を開いたが最初は肉牛。羊を始めたのは87年で、小説が出たときは、まだ羊牧場じゃなかった」と打ち明ける。
96年に羊飼い仲間から初めて小説のことを知らされ、読んでみて驚いた。
「ここにそっくり。なんという偶然なんだろうと」

村上さんは81年に滝川や士別で羊を取材したが、美深に来たかは不明だ。
ただ、村上文学に詳しい札幌大の山崎真紀子教授(日本近現代文学)は、「作者は学生時代から何度も道内を旅行。美深も訪れていたはずで描写にリアリティ-がある。作家として記憶の抽斗から最もふさわしい場所を選んだのでは」と推し量る。

「羊をめぐる謎」和田年正(北海道新聞2015年10月17日付け夕刊)

村上春樹の作品には、よく北海道が登場する。
その代表例が、「羊をめぐる冒険」と「ダンス・ダンス・ダンス」だ。
札幌をはじめとして、道内各地の実在地名が登場する。

ところが、「羊をめぐる冒険」の重要な舞台となる「十二滝町」は架空の町だった。
開拓の歴史など詳細に描かれる背景が、舞台が架空の町であることを求めたのだろう。
実際、十二滝町が架空の町であることで、小説は小説として成り立っている。

一方で、この架空の町のモデルを巡って、様々な憶測が広がることになる。
そして、その結論のひとつが上川管内美深町仁宇布だった。
この推論は、今や定説として、すっかりと定着したらしい。

作品の舞台を訪ねて回ることは、文学を楽しむ方法のひとつである。
架空の町のモデルを想像しながら旅をするのも、また文学の楽しみ。
そう、文学というのは作品の中だけで終わらせてはもったいないものなのだ。

僕たちは身近な文学散歩をもっともっと楽しむべきなんだろうなあ。


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by kels | 2015-10-17 19:37 | 旧・札幌日和下駄 | Comments(0)
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