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村上春樹の作品の中で、もっとも好きな短編が「中国行きのスロウ・ボート」だった

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僕は28になっていた。
結婚以来6年の歳月が流れていた。
6年の間に3匹の猫を埋葬した。
幾つかの希望を焼き捨て、幾つかの苦しみを分厚いセーターにくるんで土に埋めた。
全てはこのつかみどころのない巨大な都会の中で行われた。

「中国行きのスロウ・ボート」村上春樹(1980年)

村上春樹の作品の中で、もっとも好きな短編が「中国行きのスロウ・ボート」だった。
確か、村上春樹最初の短編小説だったような気がする。
あの頃、僕は何歳だったのだろう?

ドラマチックな展開はないけれど、深い啓示と希望に満ちた小説だった。
何でもない当たり前のことが、まるで教訓に満ちているみたいに感じられた。
教訓とか哲学とかいうものに憧れていた世代だったのかもしれない。

あれから、どのくらいの時が経っただろうか。
僕は何百もの希望を焼き捨て、何百もの苦しみを土に埋めたはずだ。
この街で生きる多くの人たちと同じように。


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by kels | 2015-06-13 06:16 | 文学 | Comments(0)
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