札幌市がノリにノッっていた創建100年時代とは、どのような時代だったのか。 ここに「豊かで住みよい100万都市へ」という資料がある。 昭和43年度予算を分かりやすく解説した、一般市民向け配付資料だ。 この年の市政の特徴は3つ。 積極的なまちづくり、オリンピックに万全の備え、市民生活のレベルアップ。 上昇時代を感じさせる、前向きのフレーズが並んでいる。 具体的な施策を見ていこう。 自動車時代に対応するため、道路の整備が大きく掲げられている。 市道の9割近くは、未舗装の砂利道であるため、46路線延べ26キロの舗装化を実施。 函館本線の手稲曙通と東8丁目通では、立体交差工事に着手する。 また、学校周辺5か所に歩道橋を新設し、子供の安全を守ることとしている。 都市交通の整備として、高速軌道(地下鉄)建設に着手する。 東京、大阪、名古屋に次いで、全国で4番目の地下鉄の誕生。 当面はオリンピックまでに、「北12条~真駒内」を開通する。 旧市街の開発、団地づくりにも力を入れる。 造成中の下野幌団地は、副都心にする構想。 不良住宅街を解消するための改良住宅を、幌北地区に建設。 公園づくりと緑化運動を繰り広げる。 温泉山の旭山記念公園ほか、豊平川緑地、宮丘公園など8公園を整備。 円山動物園や藻岩スキー場も拡張する。 大谷地団地には、流通センターを建設する。 手稲工業団地の造成も、今年から本格化。 札幌駅前通は36メートル幅に広げて、不燃化を進めていく。 普及率40パーセントの下水道を、さらに布設する。 トイレの水洗化には、無利子で融資も(上限10万円、40月払い)。 定山渓、手稲など、水道のない地域へも給水管を延長する。 生徒の増加著しい周辺住宅地で学校の新増築を進める。 一方で、生徒の減少が激しい都心部では、学校の統合を進める。 1年間に誕生する学校は10校と、全国でも例を見ない規模。 都心部で働く市民の脅威スモッグが、4日に1度の割合で発生している。 このため、オリンピックまでに公害対策を進め、青空を取り戻す。 日本初の、公社による大規模な地域暖房の導入。 市内企業の98パーセントを占める中小企業の発展を図り、札幌の繁栄につなげる。 消費者対策として、円山に公設小売市場を建設。 オリンピックの施設づくりも本格化させ、予定どおりの完成を目指す。 ~と、ざっと拾ってみただけでも、景気の良い話がズラリと並ぶ。 本当にあったんだなあ、こういう時代(笑) これでもかっていうくらいに、街が街に投資していた時代だったんだろう。 だけど、忘れてはならないのは、その多くは市民生活向上のためのインフラ整備だということだ。 道路の舗装化、団地造成、下水道整備など、街は多くの市民生活の課題と直面していた。 新しい時代はやってくるものではなくて、自分たちで築き上げるものだったのだ。 あれから50年近い年月が経ち、人々の暮らしは間違いなく豊かになった。 だけど、これから先50年の未来を、僕たちはきちんとイメージすることができるだろうか。 何もかも整備された完璧な街の中で描く未来の夢って、いったい何だ? にほんブログ村 ↑↑↑↑↑ 「にほんブログ村」に参加をしてみました。 1日1回のクリックをお願いいたします!
by kels
| 2015-04-05 06:13
| 歴史・民俗
|
Comments(2)
|
by kels カテゴリ
最新のコメント
相互リンク
フォロー中のブログ
日々雑記 クリオネのひとり言 花嫁の裏方 =この道はいつか来た道= Ryuu's フォト・カフェ ANTIQUES & O... NEW もんちカメラの旅日記 ばなな気分 Sesami OIL なんでも自作してしまう派 薪ストーブとクルマとオー... JOJOと‘もみじ’とち... 栄通の案内版 poison 鍵と芍薬香の猫 runapica(るなぴか) Peaceful Days **Handmadeな日々** 楓堂 和(なごみ)のいろ sempre●●●comodo 林檎の樹の下で ~君... K's Photo Pa... 14番目の月 そして札幌へ・・・ fewer than 1... カメラと歩いてみたら ほろ酔いにて したっけ!! まだん写真館 以前の記事
2018年 02月 2018年 01月 2017年 12月 2017年 11月 2017年 10月 2017年 08月 2017年 06月 2017年 05月 2017年 04月 2017年 02月 more... 検索
その他のジャンル
記事ランキング
|
ファン申請 |
||