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北海道弁劇場「きかない女~夫婦喧嘩の朝に」

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さて、今回は、リアルな北海道弁が、どんなものなのか、実際に再現してみました。
片岡義男風の男と女の物語です(笑)
二人の会話からリアルな北海道弁の雰囲気が伝わるといいのですが。

タイトルは「きかない女」。

木曜日の朝、二人は食卓テーブルを挟んで向かい合っている。
女の顔は険しい。
男は、あえて女の目を見ようとはしなかった。

「あんた、ゆうべ、ずいぶん遅かったんでないかい?」
「なんもだ」

男は努めて冷静を装っているが、心中穏やかではない。
その証拠に、男の脈拍はいつもよりも確実に早く刻まれていた。

「また、アケミちゃんの店さ、行ってたしょ?」
「妬くなて、みったくない」
「なにさ、いい年こいて、はんかくさいんでないの!」

バン!と、女がテーブルを叩く音が響きわたる。
男は、自分の心臓の高まりを抑えることができないと思った。

「おい、味噌汁まかすぞ、いたましい」
「いいふりこいてんじゃないって!」

女の声は、いよいよ大きくなった。
一刻も早く、この場を抜け出さなければならない。

「いやー、おっかないひとだね」
「アケミちゃん、アケミちゃんって、おだってんじゃないよ!」

突然、女は手を上げた。
それは一瞬のことで、男には女の動きを避けることさえできなかった。
ほとばしる鮮血。

「いて、おい、かっちゃくなって!」
「なにさ、この、ろくてなし!」

男はすべてを理解した。
もはや、この女を止めることなど、自分には不可能なのだと。

やがて、男は家を出た。
昨夜の楽しい時間が悪夢だったことを噛みしめながら。

<了>


いかがでしたでしょうか。
ちなみに、タイトルの「きかない女」は、「気の強い女」という意味です。
後は文脈で何となく伝わるのではないかと(笑)

男と女を巡る「北海道弁劇場」、いずれまたお会いしましょう。
北海道弁には平仮名が似合いますね☆


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by kels | 2015-01-29 21:22 | 歴史・民俗 | Comments(4)
Commented by jh8fht at 2015-01-30 13:51
こんにちは!!

笑ちゃいました・・・脳裏にその場の映像が瞬時に浮かび上がりました!!

そう言われると北海道弁って、ひらかなが似合いますよね?
またお邪魔します・・・したっけ!!

Commented by Wonderfullifewith at 2015-01-30 18:52
こんにちは
ここまでネイティブに北海道弁を使う人、減りましたよね。
「鍋かまかしてる」最中じゃなくて良かったです(笑)

先日テレビで「リンゴがボケてる」って表現、北海道弁だって初めて知りました。
Commented by kels at 2015-01-31 21:39
jh8fhtさん、こんにちは。
最近の僕は「したっけ」さえも御無沙汰です(笑)
「北の国から」のソウタ兄ちゃんを思い出しました☆
Commented by kels at 2015-01-31 21:40
Wonderfullifewithさん、こんにちは。
「リンゴがぼけてる」って北海道弁なんですか?
完全に標準語だと思っていました(笑)
まさしく「ぼけてる」って感じですよね~☆
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