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1890年(明治23年)に建てられた札幌製糖工場(現・サッポロビール園)

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赤れんがの大きな建物は「サッポロビール園」として札幌市民はもとより、広く道民さらには本州からの観光客にもよく知られている。
敷地内にはポプラの木もあり、赤れんがとマッチして北海道らしい風景をつくっている。
建物は、以前の工場の雰囲気をそのまま生かして、空間の大きさと独特の構造を見せるビヤホールとビール醸造に関する資料館になっている。

「札幌の建築探訪」角幸博(1998年)

久し振りに「札幌の建築探訪」を取り出してパラパラと読みながら、ふと奥付を見たら「1998年発行」となっていて驚いた。
つい最近出たばかりの本のように思っていたけれど、今から16年も昔に作られた本だったのだ。
どおりで既に現存しない建築物も多いはずである。

さて、札幌アリオに隣接して立つ大きなレンガ造りの建物は、現在もサッポロビール園として使われている、現役の歴史的建造物だ。
なにしろスケールが大きいから、いかにも北海道らしい雰囲気があって、見応えも抜群である。
敷地も広いので、札幌時計台や道庁赤れんが庁舎以上の満足感があると言っても過言ではないだろう。

もっとも、ここは最初からビール工場のために造られた建物ではない。
そもそもは1890年に札幌製糖工場として建てられたもので、その建物を1903年にサッポロビールが買収し、大幅な増改築をした上でビール工場として使っていたものなのだとか。
だから、1890年当時の建物は、かつて製糖工場だった建物ということになる。

この建物の良いところは、内部の雰囲気を味わうことができる、ということだろう。
なにしろビール園なのだから、ビールを飲みに行けば黙ってても古い建築を眺めることができる。
ついでに美味しいビールとジンギスカンを楽しめるんだから、建築好きにはたまらない。

ビールとジンギスカンの店は札幌駅前にだってあるけれど、どうせだったら僕はサッポロビール園をお勧めしたい。
それは、この古い建物と、この建物がポプラ並木と並んで建つ、この敷地の風景も一緒に楽しんでほしいと思うからだ。
東京からお客さんが来てジンギスカンを食べたいというときには、だから僕はこのサッポロビール園まで案内することが多い。

もちろん、ビールとジンギスカンなしでも建築を楽しむことはできる。
敷地内の出入りは自由だから、外観だけだったらいつでもフリーで見学することができる。
ライトアップされた夜の景観も美しいので、食後の散策にだってお勧めだ。

さらに、園内にはサッポロビール博物館が設置されていて、なんと入場無料。
とても無料とは思えないくらいに充実した施設なので、札幌観光の際には是非ともお試しあれ。
ビールの試飲もできるので、気軽に札幌のビールを味わうことができる。

こういう建物が、いつまでも現役でいられるってことが、きっとすごいことなんだろうなあ。


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by kels | 2014-11-10 19:46 | 建築・景観 | Comments(0)
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