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100年以上も昔に啄木が抱いた札幌の印象を、この街の人々は今も大切に守り続けている

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改札口から広場に出ると、私はちょっと立ち止まってみたいように思った。
道幅のばかに広い停車場通りの、両側のアカシヤの並木は、蕭条(しょうじょう)たる秋の雨に遠く遠く煙っている。
その下を往来する人の歩みは皆静かだ。
男も女もしめやかな恋を抱いて歩いているように見える。
蛇の目の傘をさした若い女の紫の袴が、そのあたりの風物としっくり調和していた。

「小説・札幌」石川啄木(1908年)

石川啄木が札幌の街を訪れたのは、明治40年(1907年)のことである。
今から100年以上も昔のことなのに、この街の人々の啄木に対する思いは今もっと熱い。
札幌駅前通りに面する大通公園に設置された啄木像が、その思いを現わしているような気がする。

その理由は、啄木が好意を持って札幌を書き記しているからに他ならないと、僕は思う。
「男も女もしめやかな恋を抱いて歩いているように見える」街。
そんなふうに言われて悪い気持ちになるはずがない(笑)

それにしても、いいね。
「しめやかな恋」って、どんな恋なんだろうか。
南国みたいに情熱的な恋ではなくて、静かに燃える恋なんだろうな。

100年以上も昔に啄木が抱いた札幌の印象を、この街の人々は今も大切に守り続けている。


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by kels | 2014-10-13 20:26 | 文学・芸術 | Comments(0)
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