札幌は特色のある町であったが、近年その特色も薄らぐか失われるかしてきたということを聞かされる。 明治の札幌を知っている島木健作にとっては、昭和モダンの狸小路の発展ぶりを許すことはできなかったらしい。 東京あたりの「森永」とか「明治」とかいうメーカーのカフェーが並ぶのを見たとき、彼は懐かしき時代の狸小路を恋しく思い出していたのかもしれない。 時代の流れはかくも早く、人々は古き記憶の中の街を、いつまでも愛するものである。 ところで、先ごろ閉店したラルズプラザの跡にはパチンコ店が入るらしい。 空きビルにならずに良かったという声もあるが、またしてもパチンコ店である。 いつか、狸小路という名前だけが、狸小路を物語る歴史になっているかもしれない。 昭和20年に死んだ島木健作にとって、戦後の札幌はまだ見ぬ街である。 パチンコ店やカラオケ店が建ち並ぶ平成の狸小路を知らない分だけ、あるいは幸せだったかもしれない。 街にとって「発展」と「崩壊」とは常に隣り合わせであり、表裏一体のものである。 にほんブログ村 ↑↑↑↑↑ 「にほんブログ村」に参加をしてみました。 1日1回のクリックをお願いいたします!
by kels
| 2014-07-12 21:14
| 文学・芸術
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