北海道の各地方には松前風な伝統の残りがある。この文章を読んだとき、僕は比較的近年に書かれたものだろうと思っていた。 内容も表現も違和感のないものだったし、なるほどと共感できるものでさえあったからだ。 ところが実際にはこの文章は、戦前の昭和13年に執筆されたものだということである。 昭和13年とは、果たしてどのような時代だったのか。 女優の岡田嘉子が杉本良吉と共にソ連に亡命した。 石川達三の「生きてゐる兵隊」が発禁処分となった。 国家総動員法が公布・施行された。 日本は前年の昭和12年から中国と戦争を開始していた。 現代からは想像することのできない緊張感が、街を覆い尽くしていたに違いない。 そしてそれは、東京でも札幌でも大きな違いはなかったのではないだろうか。 あるいは、そんな時代だからこそ、札幌の異国情緒は際立っていたのだろうか。 伊藤整は「風景はやや外国風であり、人々は知的で、おっとりしている」と、札幌を評した。 本質的な部分で札幌の街は、戦前から少しも変わっていないようにも思える。 にほんブログ村 ↑↑↑↑↑ 「にほんブログ村」に参加をしてみました。 1日1回のクリックをお願いいたします!
by kels
| 2014-07-05 21:52
| 文学・芸術
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Comments(2)
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サラリーマンレポート
at 2014-07-06 17:25
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昭和13年の感想をよく見つけられたものだと感心します。そして共感します。
ビジネス街・商業や文化施設・雑踏・ちょっと猥雑な歓楽街・緑と自然豊かな公園・歴史を感じる街並みや住宅街が散歩コースの範囲で程よく配された街が札幌。徒歩圏内というところがポイントで、同じ都市は、おそらく他に無いのでは。
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kels at 2014-07-06 22:12
サラリーマンレポートさん、こんにちは。
札幌に対する観察眼の鋭さ、いつも感服いたします。 僕は東京の街の、あの大きさも好きなんですけれどね(笑) 古い本を読んでいても、札幌に関する文章に出会うと、つい反応してしまいます☆
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