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朝、目を覚ますと、窓の外に虹があった

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朝、目を覚ますと、窓の外に虹があった。
虹は、藻岩山の麓にある住宅街の中から円く延びている。
一瞬で目が覚めるほど美しく、鮮やかな虹だ。

僕はすぐに一眼レフカメラを取りに行った。
付けっぱなしの50mm単焦点レンズを外して、広角域もあるズームレンズ付け替えた。
せっかくだから、鮮やかな虹の全景を撮りたいと思ったのだ。

カメラを持って、窓際まで走っていったとき、既に虹は消えていた。
いや、よく目を凝らすと、うっすらと虹の痕跡みたいなものが、まだ、空には残っている。
やがて、幻像のような虹の痕さえも、青い空に溶け込んでいくようにして消えた。

この話は、僕に一つの教訓めいた言葉を思い出させる。
それは、素晴らしい何かを得るためには、他の全てを投げ出す勇気が必要だ、ということだ。
あのとき、僕はカメラなどを取りに行かずに、ただ、窓の外に広がる円い虹を眺めているべきだったのかもしれない。

人生というやつも、そんな虹に似ている。
真剣に何かを得たいと思ったとき、僕らは、その何かに全力を注ぎ込まなければならない。
たとえ、他の何かを犠牲にしたとしても。

だけど、多くの場合、僕らは、何か一つのものを得るために、他のものを犠牲にすることなんてできない。
あるいは、どちらを取るべきか、長い時間迷ってしまう。
気が付いたときには、チャンスは過ぎ去っていて、決断力の不足していたという後悔だけが残される。

僕自身、そんな経験をこれまでに何度繰り返してきたことだろう。
好きだった女の子に告白することができなかったり、二度と出会うことのないアンティークの購入をためらったり。
僕はいつでもチャンスを逃したあとで後悔するような、そんなタイプの人間だったのだ。

虹が消えているのを見たとき、僕は、また、いつものように後悔をした。
けれど、それはそれで仕方がないものだと、いつものように割り切った。
後悔することに慣れている人間は、あきらめることにも慣れているのだ。

それにしても、札幌の住宅街で虹を見ることができるなんて夢にも思わなかった。
民家とマンションとの間から、鮮やかな虹が円く立ち上がっている様子は、まさに幻想的風景で言葉にもできない。
やっぱり、写真撮りたかったなあ。


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by kels | 2013-10-01 20:48 | 旧・札幌日和下駄 | Comments(0)
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