<< 陸上自衛隊真駒内駐屯地の周年行... 「リラ冷え」という言葉の語源(... >>

北海道では「ライラック」のことを「リラ」と呼ぶことはほとんどない

北海道では「ライラック」のことを「リラ」と呼ぶことはほとんどない_b0103470_78194.jpg

「リラ冷え」という言葉はあっても、北海道では「ライラック」のことを「リラ」と呼ぶことはほとんどない。
それについては、辻井達一の「ライラック」の中に、次のような記載がある。

この本で、私はいままでずっと「ライラック」と呼んできた。
しかし、日本にはじめて入ってきたころは、「リラ」と呼ばれることが多かったようである。
おもしろいことに、日本への入り方には二通りあり、ひとつは北海道に直接に持ち込まれ、ひとつには横浜あたりに上陸した。
北海道へ持ち込んだのはアメリカ人、横浜へ入れたのは日本の花屋だった。

したがって、北海道では、はじめから「ライラック」と英語で紹介されたが、横浜・東京を中心として花屋が扱ったときには、どうやらフランス語の「リラ」で売りだしたものと思われる。
だから、北海道で「リラ」と言ったって、キザなやつだと思われるのが落ちである。

「ライラック」にしても「リラ」にしても、要するに日本人にとっては外国名に違いないが、たいていの人は何となく別々のもののように感じたことだろう。
しかも後年、歌だの小説だのには、たいていリラとして登場したことは、この混乱を一層決定的なものにした。

「ライラック」辻井達一(1970年)
今でも、横浜の人たちは、「ライラック」のことを「リラ」と呼んだりするのだろうか。
というか、そもそも、札幌のように、季節になると、街中の至るところで、ライラックの花が咲き乱れたりするのだろうか。

「ライラック」は、札幌の木に選定されているだけあって、とにかく街中のあちこちで花を咲かせる。
公的なものばかりでなく、一般家庭の庭でもライラックの花を咲かせているところが多い。
だから、5月下旬から6月上旬にかけての札幌は、ライラックの香りでいっぱいになる。

開拓の時代からアメリカ式の文化が導入された札幌にあっては、やはり、英語の「ライラック」の方が似合うらしい。


にほんブログ村 地域生活(街) 北海道ブログ 札幌情報へ
にほんブログ村
↑↑↑↑↑
「にほんブログ村」に参加をしてみました。
1日1回のクリックをお願いいたします!
by kels | 2013-05-26 07:30 | 観光・風物詩 | Comments(2)
Commented by Tommy at 2013-05-26 22:39 x
ライラックには、ムラサキハシドイという和名があります。それはよいのですが、ライラックは耐暑性が弱く、名称以前に、関東以西だと、上手に育たず、さらにしばしばガーデニング的に大変シュールな状態になるのです。
日本では、ライラックは、在来の地味な落葉樹イボタノキligustrum obtusifoliumに接木するのですが、ライラックだけ弱ってしまい、根元からイボタノキが芽を吹いて、「気がつくと、ライラック並木のはずが、イボタ生垣に化けてしまう」のです。西日本の公園や学校でよくあるのですが、植物学の心得がないと、これに気づかず、「ライラックって、こんな地味な花だったっけ?」という珍事態になってしまいます。
リラという妙に「浮ついた」名称が普及する問題も、そもそもライラックそのものの、東京より西南での栽培の難しさが、そのバックにあるような気がしています。要するに、南国では身近な花ではないのです。
Commented by kels at 2013-05-26 23:43
Tommyさん、こんにちは。
ライラックには、やっぱり北の街が似合うんですね~。
今週末あたりには、見ごろを迎えているのではないかと、今からワクワクしています(笑)
<< 陸上自衛隊真駒内駐屯地の周年行... 「リラ冷え」という言葉の語源(... >>