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ビール的な感覚に溢れた小説はないだろうか

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1980年2月発行の「ポパイ」を読んでいたら、村上春樹のデビュー作「風の歌を聴け」が紹介されていた。
今やノーベル文学賞の筆頭候補とも言われる村上春樹が、まだ無名だった時代のことだ。
ウイスキーのイメージを借りて讃えられる小説というのはあるけれど、ビール的な感覚に溢れた小説はないだろうか、というのが、記事の趣旨だった。

「グリーニッシュ・イエローのビールを思わせるその軽快な文体」と表現されている、この小説は、「新鮮なビールの感覚」であり、「クリーンでマイルドな良質のビールの味わいがある」のだそうだ。
なんだか分かるようで分からない文章だ。

今でこそ重鎮の村上春樹だが、デビュー当時は、読み手側の方が村上春樹の登場をどのように受け止めていいのか、測りかねているような雰囲気だった。
それほどまでに、既存の日本文学という枠の中で説明することが難しかったのだろう。
結局、解説する方も、よく分からない表現でお茶を濁すしかなかっのかもしれない。

ただ、こうしてシティボーイのための雑誌「ポパイ」で紹介されているあたり、「風の歌を聴け」が、若者の感覚に響く、オシャレな小説であるという認識は、既にあったはずだ。
わざわざ「25メートル・プール一杯分ばかりのビール」などという引用を持ってきているのは、村上春樹独特のレトリックが評価されているということでもある。

ところで、この「ポパイ」、2月号なのに、特集は「気分はもう夏」。
冬も2月になると、夏が恋しくなるのは、いつの時代も同じようなものらしい。


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by kels | 2013-03-13 22:37 | 旧・札幌日和下駄 | Comments(0)
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