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誰かのために料理を作ることは、誰かに生きる力を与えること

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夕刊の片隅に「おむすびの心」というタイトルのコラムが掲載されていた。
タイトルを見て、僕は今日が「おむすびの日」であることを思い出した。
結局、今日の僕は、おむすびを食べなかったけれど。

コラムでは、佐藤初女の言葉が引用されていた。

おむすびが非常時に重宝されるのは、簡単に作れ、保存が利くだけではないようだ。
食べ物にかかわるエッセーの著作が多い佐藤初女さん(91)は「握る人の気が掌から伝わるからです」という。
佐藤さんは、青森県の岩木山のふもとで悩みを抱える人たちの憩いの場「森のイスキア」を主宰している。
訪れる人には手作りのおむすびを出す。

北海道新聞2012年1月17日付け夕刊「今日の話題」斉藤佳典

この文章を読んで、僕は昔「クウネル」で紹介されていた佐藤初女のおむすびのことを思い出した。
それは、「佐藤初女の台所にて」というタイトルで、「お米が息をできるように。野菜がいたくないように。」というサブタイトルが付いていた。

青森県弘前市に住む佐藤初女さんの自宅には、もう30年以上も前から、心に問題を持つ人や、方向を見失ってしまった人が集まってきます。
初女さんは何も話さずに、彼らのための食事を作り、しだいにほぐれた重い心が吐き出す話を、ただ黙って聞くのです。
そうして希望を取り戻した人々の奉仕や寄付によって、12年前には岩木山の麓に「森のイスキア」という新たな家が作られ、そこでの初女さんの生活は、映画『地球交響曲・第二番』でも紹介され、知られるようになりました。
その「森のイスキア」が白い雪に覆われたある日、料理家の高山なおみさんが、初女さんの活動の原点である自宅を訪れました。
誰かのために料理を作ることは、誰かに生きる力を与えること。

「ku:nel vol.7」(2004.5.1)

実に、今から9年前の雑誌の記事である。
古い記憶ではあったけれど、食べ物に関する記事が好きだから、おむすびの話はすぐに思い出した。
そんなに美味しいおむすびがあるのだったら、ぜひ一度食べてみたいと、その記事を読んだときに、本当にそう思ったのだ。

私はね、聞いているだけ。
話をしている人の身になって聞いていると、そうだねー、そうですねーと思うから、そうしていると、その人が自分で糸口みたいなものを見つけるようになるのね。
そうやって帰っていかれるんですよ。
なんでも食べもので治っていくんだから、簡単ていえば簡単よね。

ただの食べ物の取材記事ではない、人と人とのかかわりがそこにはある。
彼女のおむすびが美味しい本当の理由は、案外そんなところにもあるのかもしれない。
おむすびは、手で握るのではなく心で握るというのは、きっと本当のことなのだろう。

ところで、記事の中にある透明感溢れる写真は、やはり、川内倫子の作品だった。


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by kels | 2013-01-17 21:42 | 食べ物 | Comments(0)
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