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「羊をめぐる冒険」の羊博士は実在した1?

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村上春樹さんの「羊をめぐる冒険」は札幌が舞台であっただけに、様々なエピソードが語り継がれているようです。
たとえば、そのひとつが「羊博士は実在した」というコラム。
これは、「新版 札幌食べたい読本」(亜璃西社・1994年)に掲載されているもので、著者の村上春樹さんも、この羊博士への取材を行っているという興味深い内容です。

羊博士こと平山秀介さんは、昭和9年生まれ。
道職員を定年退職し、現在は某社団法人の理事を務めている。
北海道大学農学部を卒業し、道立根釧農業試験場に配属された。
当初は乳牛の研究をしていたが、昭和41年に滝川畜産試験場に転属するや、めん羊の研究を指示され、嫌々ながら始めたという。

当時は「ラム」という言葉すら世間には適用せず、資料・文献も外国のものしかない状況だった。
当然、日本でめん羊を研究する者は他になく、「誰も研究しないから、最初から第一人者だった」と平山さん。
学会で研究を発表しても、質問はなく興味すら持たれない有り様。
当時の日記に自身の姿を「闇夜の荒野で吠える猿」と書き記しているほどだ。

ところが昭和51年、折からの減反政策のため休耕田が生まれ、その有効利用としてめん羊の飼育に注目が集まりだす。
同時に、外国で羊の魅力を知り、日本で羊を飼ってみたいという希望を持つ若者が現れだしたりと、羊をめぐる状況が好転する。
全国各地から、羊博士である平山さんのもとに人々が集まり出したのだ。

そんな中、東京の出版社からの紹介でやってきたヒッピー風の若夫婦が、一日だけ滞在したことがあった。
めん羊の勉強をしたいというので、羊を飼うためと信じ込んだ平山さんは、彼らに一生懸命説明したという。
しばらくして、平山さんのもとに一冊の本が送られてきた。
それは著者のサインが入った「羊をめぐる冒険」だった。
平山さんは、そのとき初めて、かのヒッピーが村上春樹夫妻だったことに気付いたそうである。

ご本人に本を読んだ印象を印象を尋ねてみると、「よく分からなかったなあ、本人の印象と本の内容はずいぶん違っていたけど。でも、羊舎での羊の行動が2、3カ所違ってるところがあるねえ。牛と間違えてるんじゃないかと思うんだがね」と、懐かしそうに話してくれた。


もしかすると、「羊博士」のイメージは、本当にこんな研究者の方へのインタビューから生まれたのかもしれませんね。


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by kels | 2012-02-23 19:44 | 文学 | Comments(0)
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