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自宅で食べる「石狩鍋」

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冬の北海道の郷土料理といって、すぐに思い浮かべるもののひとつに「石狩鍋」があるのではないでしょうか。
全国区の小説や漫画などにも登場しているところをみると、きっと「石狩鍋」は全国的に知られている料理なのだと思います。

もっとも、我が家で「石狩鍋」を食べる機会はほとんどありません。
冬の夕食には鍋ものが定番メニューですが、味噌味で鮭を煮込んだ鍋というのは、自宅でやらないんですよね。
もっとも、これは我が家に限った話で、冬の北海道では、どこの家庭でも「石狩鍋」を食べているのかもしれませんが。

そこで、今回は、北海道の郷土料理「石狩鍋」について調べてみました。

まずは、「聞き書 北海道の食事・農文協」(1986年)を読んでみました。
不思議なことに、「石狩鍋」という料理名は掲載されておらず、「あきあじなべ」というものが紹介されていました。

生のあきあじのあらや内臓に切身を加えて、秋の野菜と一緒に煮て味噌味で食べるのもおいしい。
このとき、豆腐、こんにゃくなどが手元にあれば入れるが、お正月以外はあまり買わないので、ふだんはほとんど入れない。
あきあじなべがかかっている薪ストーブを、家族全員で、あるいはお客さんがあるときは一緒に輪に加わってもらい、熱いのをふうふう吹きながら食べる。
野菜もたっぷり入っているのでおいしく、どんぶりで二、三杯おかわりする人もいる。
男たちは酒をくみ交わしながらのときもある。
外は秋の冷え込みがきびしくなるころだが、ここだけは別世界のように温かくなる。

これは、道東海岸地域の料理として紹介されているため、「石狩鍋」の呼称は使われていなかったものと推測されます。
このあたり、全道的に広まっている「三平汁」との違いがあるのかもしれません。

次に、「札幌の食いまむかし・茜会編」(1984年)を見てみましょう。

石狩鍋の前身は、300年も前に遡ります。
アイヌの人たちが船で漁をしていたとき、船の上で、とれたばかりのサケをブツ切りにして、大きな鍋でありあわせの野菜とともに煮て食べたといわれ、「大鍋(だいなべ)」とも呼ばれて伝えられてきました。

それが徐々に沿岸の漁民、和人の間にも広がり、札幌の町にも入ってきました。
産卵のために河口附近に寄って来たサケは脂肪もよくのっていて最高の味なので、別名「秋味」とも呼ばれています。
浜でとれる昆布をダシに使い、札幌近郊で収穫できる秋野菜の大根、ニンジン、白菜、キャベツ、長ネギ、シイタケ、ゴボウなど、サケと一緒に煮て、味噌で味つけしたものを「石狩鍋」と呼び、発祥地は石狩です。

冬の暖房にルンペンストーブ、ダルマストーブ、薪ストーブなどを使っていましたから、ストーブの上に鍋をのせ、鮮度のよいサケを頭からブツ切りにして、白子も入れ、トウフやコンニャクなども加えます。
味噌の他に味醂や酒なども少し入れると味がまろやかになります。
寒い戸外から帰ってきて、一家が熱い鍋を囲んで団らんとともに食事をするという、庶民的な食べ方をしてきました。

こちらは、さすがに札幌地方のものということで、「石狩鍋」についての説明も詳細です。
石狩川流域地方で食べられていたことから「石狩鍋」という名称が付いたというのも納得ですが、この料理そのものが石狩地方発祥なのかどうかは不明です。
鮭の収穫される地域であれば、どこでも食べられていた可能性があるので。
ただ、札幌近郊で収穫される野菜を使っていたという意味では、やはり札幌の郷土料理と言っても差支えないのでしょうね。

ここまで書いてきて気が付きましたが、「石狩鍋」は鮭の収穫がピークになる秋の味覚だったんですね。
次は、秋の終わりにリアルタイムで食べてみたいと思います。


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by kels | 2012-01-18 20:30 | 食べ物 | Comments(0)
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