付き合いで手稲の運転免許試験場まで行った。 さすがに日曜日だからということなのか、朝一で到着したにも関わらず、場内は大変な賑わいぶりだ。 ずいぶん昔から同じように混雑していたように思うけれど、こういう機関のシステムというのは、いつの時代もあまり変わらないものなのだろうか。 手続きを待っている間、窓際に少しだけ置かれている椅子に腰かけて、ぼんやりと会場内の様子を見ていた。 5月下旬とは名ばかりの寒い日だったにも関わらず、肌を大きく露出したヒラヒラの女の子が男の子と一緒にやってきた。 やがて男の子は手続きの列に並んだらしく、ヒラヒラの女の子は一人で僕の隣の椅子に座って、スマホをいじり始めた。 なにしろ昔風の造りだから、椅子と椅子との間隔はかなり狭くて、並んで座ると隣の人と密着してしまうほどだ。 反対側の隣には、高齢の女性が腰かけていて、ほとんど僕の肩に頭をもたれるようにして、うたた寝をしている。 高齢の女性から顔をそむけるようにして反対側を向くと、目の前に女の子の指とスマートフォンがあった。 その気もないのに、まるで他人のメールを盗み見しているようで、すぐに正面を向いた。 それでも視界の片隅に、女の子のティファニーブルーのキラキラした爪がスマホを操作している様子がチラチラと飛び込んでくる。 反対側のお婆さんは、身じろぎひとつしてない。 真正面を向いていると、通り過ぎる人たちがみんな自分を見ているような気がする。 間違いなく視線がこちら側に一瞬集中しては、さっと人が通り過ぎていくのだ。 冷静に考えてみると、通り行く人たちが見ているのは、僕の左側に座っている女の子で、短いヒラヒラのスカートから露出した脚や透けるように薄いブラウスの胸元などが、みんな気になるのだろう。 男の視線というやつを初めて感覚的に理解したが、どうにも身動きできない状態に追い込まれて、呼吸をすることさえ難しく、思わぬ息苦しさを感じると思っていたら、我々のすぐ横には小さな喫煙室があり、頻繁に人の出入りがありドアが常に開閉されているから、辺りの空気も相当に濁っていたらしい。 何より無数の男性の視線が気になって落ち着かず、右側のお婆さんがハッと起きるのを感じながら、僕はその場をそそくさと立ち去った。 その間、わずか10分間ほど。 居場所がないというのは、寂しいことだ(笑) にほんブログ村 ↑↑↑↑↑ 「にほんブログ村」に参加をしてみました。 1日1回のクリックをお願いいたします!
by kels
| 2011-05-22 21:54
| 日記・つぶやき
|
Comments(0)
|
by kels カテゴリ
最新のコメント
相互リンク
フォロー中のブログ
日々雑記 クリオネのひとり言 花嫁の裏方 =この道はいつか来た道= Ryuu's フォト・カフェ ANTIQUES & O... NEW もんちカメラの旅日記 ばなな気分 Sesami OIL なんでも自作してしまう派 薪ストーブとクルマとオー... JOJOと‘もみじ’とち... 栄通の案内版 poison 鍵と芍薬香の猫 runapica(るなぴか) Peaceful Days **Handmadeな日々** 楓堂 和(なごみ)のいろ sempre●●●comodo 林檎の樹の下で ~君... K's Photo Pa... 14番目の月 そして札幌へ・・・ fewer than 1... カメラと歩いてみたら ほろ酔いにて したっけ!! まだん写真館 以前の記事
2018年 02月 2018年 01月 2017年 12月 2017年 11月 2017年 10月 2017年 08月 2017年 06月 2017年 05月 2017年 04月 2017年 02月 more... 検索
その他のジャンル
記事ランキング
|
ファン申請 |
||