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卒業式

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雪の札幌も卒業式シーズンを迎えている。
3月の札幌といえば、春の始まりというよりは、まだまだ冬の終盤を引きずっている季節だから、卒業式といってもコートなしでは過ごせないのが当たり前である。
札幌市内を含め、道内公立高校の卒業式は3月1日で、既に終了した。
これからは、小中学校における卒業式が、各地で行われていくことになる。

札幌市内の公立中学校の場合、卒業式は3月15日、公立高校の合格発表が翌日の16日だから、高校受験生にとっては不安を抱いたままの卒業式を迎えるわけだ。
自分自身でも経験したことではあるが、中学校の卒業式というのは、どこか孤独なものである。

空知地方の炭鉱街で、僕は中学校を卒業した。
卒業式の日に厚い卒業アルバムが配られ、僕らは互いのアルバムにみんなで寄せ書きをした。
好きだった女の子の「忘れないで」という丸い文字が、やけに印象に残った。
卒業式の終わった夜に、クラスの全男子が友人の部屋に集まった。
全部で20人くらいだっただろうか。
不届きな連中が「酒も用意しよう」と計画していたのだけれど、父兄経由で事前情報が学校側にも入り、卒業式後の飲酒は固く禁止された

会場になったのは、クラスでも札付きの不良と言われていた男の子の部屋で、僕らは持ち寄ったお菓子やジュースで際限のない思い出話を続けた。
誰かがカセットテープレコーダーを持っていて、これでみんなの声を録音しようということになった。
レコーダーが一人ずつに回され、みんなはそれぞれの将来への夢を熱く語った。
飲酒を心配していた担任教諭が突然現れて、全員分のショートケーキを差し入れしていった。

あの夜、未来は輝いていると誰もが信じていたことだろう。
「贈ることば」が、世の中の中学生にリアルタイムな感動を与えていた時代のことである。

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by kels | 2011-03-15 07:35 | 旧・札幌日和下駄 | Comments(0)
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