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「羊博士」のモデル

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昭和40年代、道立滝川畜産試験場では、日本でも珍しい「めん羊の研究」が進められていたが、当時はまだ北海道においてさえ羊に対する認識度は低く、その研究は大変なものであったという。
「ラム」という言葉さえ、一般にはまだ通じなかった。

昭和50年代に入り、折からの減反政策への対応策として「めん羊飼育」に注目が集まり、北海道における羊の可能性が本格的に議論されるようになった。

この研究者の元へ、東京の出版社からの紹介によって、ひと組の男女が訪れたのは、そんな時代のことである。
時代は1970年代、一見ヒッピー風の若夫婦は、研究者のもとへ一日滞在し、羊について非常に熱心に勉強していったという。
研究者は、そのときのことを振り返り、「羊を飼育するために勉強しているのだと思った」そうだ。

時が経ち、その研究者の元へ一冊の本が届けられた。
小説の名前は「羊をめぐる冒険」、送り主の名前は作者である村上春樹であった。
研究者は、本が届いた時の感想について、こう述べている。

よく分からなかったなあ。
本人の印象と本の内容は随分違っていたけれど。
でも、羊舎での羊の行動が2、3か所違ってるところがあるねえ。
牛と間違えてるんじゃないかと思うんだけどね。

この研究者、平山秀介氏こそ、「羊をめぐる冒険」に登場する「羊博士」のモデルであると語り継がれており、道北を舞台にした名作の陰の立役者であるということができるだろう。

「新版 札幌食べたい読本」亜離西社(1994年)より。

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by kels | 2011-02-20 20:18 | 文学 | Comments(0)
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