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旧友

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懐かしい声に振り向くと、懐かしい顔があった。
ずっと昔に、北の外れの街で一緒に苦労した仲間。
「苦労した」は、おかしいかもしれない。
早朝から夕暮れまで、毎日のように一緒にロッドを振った仲間なのだから。

幻の魚イトウを釣るために、猿払川まで通いつめた晩秋があった。
それはもう夜空にオリオン座が浮かぶ季節で、片道2時間の距離を何度も往復した。

銀色に輝くヤマメを釣るために、雪の中を滑っていった早春があった。
わずかに覗いた川の中に釣り針を落とすと、眩しいほどに銀色のヤマメが姿を現した。

解禁日には、もちろんふたり揃って夜明け前の川へ出かけた。
まだ暗い渓流に立ちこみ、シーズン最初のヤマメ釣りを競い合った。

力強い握手を交わしながら、僕は一瞬の間にいろいろのことを思い出していた。

「やってるの?」
「全然さ」
「御同様だ」

短い挨拶だけで、僕らは別れたけれど、忘れていた何かを、僕らはお互いに取り戻していたことだろう。

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by kels | 2010-12-22 21:58 | 随想・日記 | Comments(0)
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